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JLCPCBのPCBAを利用してみた。

2024/10/12に公開

はじめに

初めまして、ネギです。(正確には、2回目の記事ですが、時間が立ちすぎました。)

ロボカップで得た知見を共有できたらなあと思っていたのですが、大学受験や大学入学後いろいろ忙しかったので全く記事を書けませんでしった。これから少しずつ書いていきたいと思います。

まずは、第1弾としてJLCPCBのPCBAを利用させていただく機会があったのでそのレビューをしていきます。(スポンサーとして利用させていただいているので、記事を書かないと行けないという理由もあります。)JLCPCBAの普通のPCB製造については、自分たちのチームのブログ で紹介しているので、そっちを参考にしてほしいです。

JLCPCBとPCBAについて

JLCPCBは、電子回路を設計するエンジニアやDIY愛好家にとって、信頼できるPCB製造サービスを提供している企業です。
中国を拠点とし、低コストでありながら高品質な製造が可能で、迅速な納期が特徴です。
PCB製造サービスだけでなく、3DプリンティングサービスやCNC加工サービスなども提供しているのでハードウェアを個人開発している人には、非常におすすめできる企業です。

今回利用したPCBAって何?

今回はPCB製造サービスに加えて、PCBAというサービスを利用しました。PCBAとは、製造したPCBに部品をはんだ付けしてくれるサービスです。PCBをオーダおする際に、部品表(型番、個数、PCB上の座標など)をアップロードするだけではんだ付けを行ってくれます。自分でははんだ付けをするのが困難な部品(表面実装部品など)を使用したいときなどにも有用です。

公式サイト:https://jlcpcb.com/jp/

今回発注したもの紹介

今回は、ブラシレスモータードライバーを発注しました。記事が長くなってしまうので、モータードライバーのスペックの詳細は割愛します。気になる人はXで@negi_roboにDMをしてもらえれば対応します。

ロボカップジュニアライトウェイトの期待に4つのブラシレスモーターを足回りとして搭載したかったので、可能な限り小型なモータードライバーを作成しました。その結果、使用するほとんどのパーツが表面実装部品になっています。自分は卓上リフローを持っているので、はんだ付けができないわけでは無いですが、しっかりとはんだ付けできる自身がなかったのでPCBAを利用させていただきました。

基板全体写真(届いたときの写真)

基板全体写真(DPI部品などはんだ付け済み)

拡大写真


上の写真が実際にPCBAで作ってもらったモータードライバーです。コネクタなどのDIP部品は自分ではんだ付けしました。見て分かる通り、非常にきれいなはんだ付けになっています。10枚製造していただきましたがすべて問題なかったです。(たまに、ハンダがブリッジしているという報告をXで見かけるので、使用する前に確認をすると良いと思います。)自分でやっていたら1日丸々はんだ付けに溶かしていたと思うので、発注して大正解でした。部品を別途Digikeyなどで発注する必要も省けるので一石二鳥です。ただし、PCBAではんだ付けしてもらえる部品には制限がある(基本的には、LCSCが取り扱っている部品です。)ので、PCBAを利用する場合には設計段階で部品を取り扱っているのか確認しておくこと良いと思います。

PCBAの発注の仕方

最後にPCBAの発注方法をご紹介します。自分はAutodesk Fusionで基板設計を行っているので、それ前提で解説を行います。

回路CADで回路図・ボード図を作る

ここまでは普通にやってもらえれば大丈夫です。

部品を選定する

PCBAではんだ付けしてほしい部品を選定しましょう。紹介のときにも少し触れましたが、設計の段階で選定を行っても大丈夫です。下手したらそっちのほうが良いと思います。

とりあえず、JLCPCBの部品検索ページに行きましょう。

ページ上部の検索ボックスで部品名を検索するかページ中心部から目的の部品のカテゴリを選択しましょう。今回は表面実装の積層セラミックコンデンサ(サイズ0603、容量100nF)を例に取り上げます。部品の検索、もしくは、カテゴリを選択すると部品が列挙されたページに移ると思います。画面中央に部品を選ぶためのフィルタが出てきます。自分が探している部品に合わせて選んでいってください。Ctrlキーを押しながら選択することで複数選択もできます。意外と部品数が多いわけではないので、条件を厳しくしすぎると部品が出てこないので1個1個丁寧に条件設定をしていくと良いと思います。条件を選べたらApplyボタンを押すのを忘れないでください。(個人的には結構忘れがちです。)

フィルタの下にBasic Partsを選択することを強くおすすめします。JLCPCBのPCBAでははんだ付けを行うパーツの種類が1つ増えるごとに料金が$3加算されます。意外と高いので気をつけましょう。しかし、JLCPCBが指定したBasic Partsであれば、この$3が加算されません。素晴らしい!!どんどんBasic Partsを使っていきましょう。($3加算される部品をExtendedと呼びます。)目当ての部品がBasic Partsの中に無いこともあるので、そのときには、部品を変更するか、諦めてExtendedの部品を使いましょう。また、使用するためにPCBA TypeをStandardにする必要のある部品が存在します。(自分は出会ったことはありませんが、あります。)これを選択してしまうと料金が一気に跳ね上がるので極力避けましょう。PCBA Typeについては発注の項目で詳しく触れています。

回路図に選んだ部位の番号を反映

ほしい部品が選定できたら、JLCPCB Part #を確認してください。今回の場合は
C17669921です。この番号をコピーしましょう。コピーできたらFusionで回路図を開きましょう。

該当の部品を選択した状態で検査タブを開きます。その中に属性という項目があると思うので画像のように新しい属性を追加します。

名前にLCSC、値に先程の番号(今回の例ではC5137489となります。)を入力し、+ボタンを押しましょう。この要領でPCBAではんだ付けしてもらいたい部品を設定していきます。はんだ付けしてもらう必要の無い部品はやらなくて大丈夫です。

発注に必要なファイルを準備する


設定ができたら次はファイルの準備です。PCB製造のためのガバーデータは従来通りのやり方で問題ありません。それとは別に各部品の番号、座標などを記した2つのファイル(BOMとCPL)を出力します。ここにアクセスして、リポジトリごとダウンロードしてください。ダウンロードしたら展開しておきます。Fusionで該当基板のボード図を開きます。自動化のタブからULPを選択します。ULP画面が開いたら参照を押し、先ほどダウンロードしたファイルの中にあるjlcpcb_smta_exporter.ulpを選択します。(ulpsファオルダ内にあります。)選択すると、出力先のフォルダを選ぶように言われるので好きなところを選びましょう。フォルダの選択が終了すると指定フォルダにBOMとCPLが出力されます。もし、ファイル名が日本語になっている場合には英語に治すといいと思います。時々、日本語ファイルのままJLCPCBにアップロードするとエラーになります。

発注する

ファイルの準備ができたらいよいよ発注です。まずは、普段通りガーバーデータをアップロードしPCB製造の設定をします。PCB製造の設定が終わったらページを下にスクロールするとPCBAの項目が現れるので有効化します。いくつか設定項目があるので以下を参考に設定してください。(主要項目のみ以下に書いてあります。)

設定項目 説明
PCBA Type Economicのほうが安い。基本的にはEconomicを選択する。両面をはんだ付けしてほしいときにはStandardを選ぶしかない。また、Standard限定の部品を使う際にはStandardにする。結構値段が変わるので要注意。
Assembly Side どの面をはんだ付けしてほしいか選ぶ。Top Side(表面), Bottom Side(裏面), Both Sides(両面)(Standard限定)
PCBA Qty はんだ付けしてほしい基板の枚数。製造したPCBの一部だけをはんだ付けしてもらうこともできる。PCBA TypeをStandardにしたときのほうが枚数を色々と変えられる。
Confirm Parts Placement JLCPCBのスタッフがパーツの座標や向きに問題がないかを事前に確認してくれる。有料サービスな点に注意。

設定が完了したらページ右側のNEXTを押しましょう。

PCBAに利用するPCBのイメージが表示されます。確認して問題なければNEXTを押してください。
次に、BOMファイルとCPLファイルのアプロードを求められるので、先程ULPを利用して出力したファイルをアプロードしましょう。アップロードできたらProcess BOM&CPLを押してください。

アップロードが正常に完了すると部品のリストが表示されます。問題なければNEXTを押しましょう。

ここで、はんだ付けをしてもらう予定のない部品についてはんだ付けをするかどうか聞かれると思うのでDo not placeを押して次に進んでください。

最後に、部品の位置の最終調整を行います。XY方向の位置や角度を調整してください。自分の経験上、ICチップの向きが間違っているときがあります。位置がズレていることはあまりありません。(確認はしてくださいね。)問題がなくなったらNEXTを押しましょう。最後に料金の確認画面が出てくるので問題なければSAVE TO CARTを押して完了です。Product Descriptionを選ぶ必要があるので適切に選んでください。後は、入金すれば終了です。お疲れ様でした。

さいごに

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。個人的にPCBAで落としてはいけない点を中心に軽く解説を行いました。これの記事を機にJLCPCBを利用してくれる方が増えてくれれば嬉しい限りです。「JLCPCB気になるよ〜」っていう方がいればぜひ以下のリンクから利用してみてください。初回利用時にはオトクなクーポンももらえるのでぜひご利用ください!!!

JLCPCB 日本語サイト (JLCPCB 英語サイト

分かりづらい点などがあればぜひ教えていただけると幸いです。最後に、私のX @negi_roboをフォローしていただけると嬉しいです。

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