Amazon S3 Express One Zone[AWS re:Invent Breakout Session]
記事の内容
AWS re:Invent 2023で参加したセッションの内容の記録です。
「Deep dive on Amazon S3 Express One Zone storage class」という題目でS3 Express One Zoneに関する内容です。
- speaker
- Shakhi Hali
- Christie Lee
- Matthew Sidley
- Ambud Sharma(Pinterest)
Agenda
- S3 Express One Zoneの概要
- ユースケースとパートナーのソリューションズ
- デモ:S3 Express One Zone の使用を開始する
- カスタマーの声: Pinterest
S3 Express One Zoneの概要
- リクエストが集中するアプリケーションではワークロードが高速化される
- 仕組みとしては、ジョブの実行時間が短縮できることにより、コンピューティング時間に掛かるコストを下げることができる
- Ansatz Capital社では、S3 Express One Zoneの低いリクエストレイテンシと高いパフォーマンスにより、ワークロード速度が全体で78%向上した。
魔法ではなく、構築方法が異なる
- One Zoneアーキテクチャ: ストレージとコンピューティングを同じ場所に配置
- S3ディレクトリバケット: 高いトランザクション ワークロードを可能にする
- セッションベースのアクセス: より高速な認証
One Zoneアーキテクチャ
- バケットとコンピューティング環境を同じAZに配置に配置することが重要
99.999999999% のデータ耐久性
高い耐久性を持っているものの、万が一、AWS アビリティゾーンの全部または一部が失われたり損傷したりした場合、1 つのソースストレージクラスのデータが失われる可能性がある。
ディレクトリバケットとは
Express One Zoneはこれまでのバケットとは異なる。
- スケーリング方法
汎用バケットでは、毎秒のトランザクション数が非常に多くなる可能性があり、負荷がかかると段階的にスケーリングされます。ディレクトリバケットは、バケットは一斉に数十万のTPSにスケーリングされる。
- セッションによる管理
Express One Zoneでは、S3 Create Session と呼ばれる新しいセッションベースのメカニズムを使用してリクエストを認証および承認します。
これはバケットへの低レイテンシーアクセスを可能にする一時的な認証情報を提供する。一時的な認証情報は、特定のS3ディレクトリバケットにスコープ設定され、読み取り専用モードと読み取り書き込みモードの 2 種類のバケットにスコープを設定できる。
セッションの管理はAWS SDKを使うことで自動的に管理される。
Express One Zoneへの移行
- 既存のS3バケットからExpress One Zoneへの移行はバッチオペレーションで行うことができる
Express One Zoneと統合することができるAWSサービス
- CloudWatch, EMR, Athena, SageMaker, EC2, Lambdaなど様々なサービスがExpress One Zoneのメリットを享受することができる
パートナーのソリューションズ
Cloudera: 読み取りおよび書き込みのパフォーマンスが最大 40% 向上
ClickHouse: クエリのパフォーマンスが最大283%向上し、全体的なTCOを65%削減
CHAOS SEARCH: 60%高速化されたクエリによりインサイトを得る時間が短縮され、クエリコストの削減により大幅なコスト削減
Colorfront: 顧客はデジタルビデオ処理を最大70%高速化して、ストリーミングに対する需要を満たすことができた
デモ
StandardとExpress One Zoneを使った比較のデモを実演
- デモ1: 512KBのオブジェクト100,000個をダウンロード
Express One Zone・・・5.2秒
Standard・・・42秒
=> 非構造データを扱うアプリは劇的に速くなる
- デモ2: 100GBのデータをAthenaでクエリ
Express One Zone・・・12秒
Standard・・・16秒
=> ログバケットとして使用することもメリットになる
カスタマーの声
-
Pinterest
- 写真共有サービスを提供
- 8,000万件/秒 2PB/日のトラフィック
- MLデータ、 ads、 feedなどのデータを扱う
-
MemQというpub/subのストレージに採用
これにより、リアルタイム性求められるアプリのワークロードを改善した。
-
オンデマンド事業の拡大
- 新規および既存のユースケース向けのストレージと 10 の容量計画の必要性を排除
- プロビジョニング時間が最大 7 日→ 1 時間未満に短縮
- スケーリング時間が最大 12 時間→ 30 分未満に短縮
-
より多くのユースケースに対応する全体的な TCO の削減
- 低遅延のユースケースでインフラコストを 40% 以上削減
- クラウドの拡張性により、運用コストが 50% 以上削減
まとめ
- S3 Express One Zoneは新しい高性能ストレージクラスで、S3 Standardより最大10倍高速
- ディレクトリバケット、セッションベースの認証、ワンゾーンアーキテクチャの3つの新機能
- AWSのサービスおよびパートナーとネイティブに統合

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