ZennのPublicationで投稿を続けたら、社内のエンジニアと技術書を出版することになりました
買ってください。秀和システム 新社 からでます。Amazonによると11/27に発売です。
『TECHNICAL MASTER はじめてのAWSモダンアプリ開発入門』
AWS本ですが、インフラがメインの本ではなくモダンなWebアプリ開発の本です。もっというとAmplify Gen2を使ったモダンアプリ開発入門本になります。生成AI要素もあります。
ターゲットは「何らかのアプリ開発はしたことはあるけどクラウドは使ってない」or「クラウドは使っているけどEC2とかのIaaS上でアプリを動かしています」といった層向けで、「モダンなアプリ開発を始めようぜ!」的な内容です。
re:Inventに向かう飛行機での暇つぶしに1冊いかがでしょうか?[1]
きっかけ
書籍出版のきっかけは、今年の1月に出版社の方から会社宛てにメールを頂きました。
ざっくり抜粋すると、、、
現在 AWSのアプリ開発書籍を出したいと思っています。
御社の技術者・エンジニアの自由でオープンな活動が目にとまりました。
ぜひ、ご執筆いただきたいと思い、今回のメールをお送りさせていただいています。ご連絡をお待ちしています。
NCDCでは、会社のホームページでも情報発信を積極的にしていますが、エンジニア向けとしては主にZennのPublicationを使っています。初回の打ち合わせに私は参加してなかったのですが、議事録によると以下のような話をいただいたようです。
Zennや、AWSのイベントなどの様子等を見て声をかけた。社内でエンジニア同士の交流があり、そのことがスキルアップに繋がっていることがうかがえたため、楽しく執筆に取り組んでもらえそうと思ったから
AWSだとインフラがテーマの本とか、Lambda だけをテーマにした技術書はたくさんあるが、AWSを活用してモダンアプリをつくる方法を伝える入門書はあまりない。今求められているのではないかと思った。
社内でのエンジニア同士の交流という言葉が入っていたこともあり、社内で興味あるエンジニアを募って執筆させていただいたというのが経緯となります。
出版までの流れ
1月からスタートして11月末に出版って遅くない?と思われるかもしれませんが、
出版社が破産したから仕方がないよね。。。[2]
それはそれとして、私としても書籍出版は初体験だったので貴重な経験になりました。せっかくなので、どんな流れで進んだかをざっくり書きたいと思います。一般的に出版社は破産しないと思うので参考にならないかもしれませんが。
2月
- 出版社の方と打ち合わせ
- 企画書の草案を作って出版社に提出
3月
- 出版社側で市場調査と企画書のまとめ
- 出版社社内で企画通過
- 執筆者(複数名)で話し合って、具体的な役割分担や書籍の詳細を決める
- 執筆用のGitHubリポジトリを作って、執筆開始
4月〜6月
- 書籍内で実施するハンズオン用のアプリを作る
- 書籍をひたすら書く
7月
- 締切に向けてラストスパート...
からの
- 出版社が潰れる
8月
- 再始動
9月
- 新出版社で企画通過
- 執筆再開
- 脱稿
10月
- 校正作業(3往復+α)
11月
- 発売!
余談
余談1
私はNCDCでエンジニアの採用面談を担当することもあります。面談した方の中にポートフォリオをAWS Amplifyを使って公開していた方がいました。「なぜAmplifyを選んだのか?」と聞いたら「AWSで最も基本的なサービスだからです。」という答えが返ってきました。
いい回答ですね。インフラ応募だったら普通に減点ですが、WEBアプリ開発のエンジニアとしてはとてもいい回答だと思います。
つまり、今回書いた本は「AWSで最も基本的なサービス」を使ってモダンなWEBアプリ開発を学べる書籍になっています。
余談2
今どきに出す本なので、生成AI要素を入れてあります。Bedrockを使っています。
その結果、書籍にする上で結構面倒くさいことがおきました。
- AWSの無料プランが使えない。
- 7月にAWSに半年間無料で始められるプランが登場したのですがBedrockは対象外なわけで、書籍として「AWSの無料枠内で学習できます!」といえない入門書になりました。
- とはいえ、最初から最後まで通して試しても0.11ドルだったので、そのくらいは許してください。[3]
- 7月にAWSに半年間無料で始められるプランが登場したのですがBedrockは対象外なわけで、書籍として「AWSの無料枠内で学習できます!」といえない入門書になりました。

- モデルの進化が早いので、執筆中に差し替えが発生。
- Claude 3.5から4.5まで上げました。4.5は、脱稿後で校正中だったので悩んだのですが、コスパ的にHaikuの更新が大きいと判断して、差し替えてもらいました。
- Claudeのモデルアクセス有効化手順が変わった。
- これも脱稿後の修正でしたね。当初9月に変わると聞いていて変わってなかったので放置してたら、10月に変えてきやがりましたね。
- スクショ含めて書き換えが必要になりました。
もともと7月を基準で執筆してたので、9月や10月の変更を取り込むのはなかなかつらいものがありましたが、なるべく対応したつもりです。[4]
せっかくなので発売記念イベントもやります。
11/26(水)に発売記念イベントやります。オンラインです。
参加しましょう。参加してもしなくても、本は買ってね!
書籍は、Kindle版もあります!
(電子書籍のほうが、売値は安いのに印税は高いので、よろしく!)
ZennのPublicationに技術記事を投稿しよう!
このように、Zennに技術記事を投稿し続けることで、技術書を出版できることが分かりました。
みんなも、技術記事を投稿して、技術書を書いて、印税を貰おう!
私も引き続き記事の投稿を続けたいと思いますし、Zennのコミュニティもより活発になるといいなと思います。
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「ターゲット層はre:Inventに行かないのでは?」という突っ込みはスルーします。ターゲット層でなくてもいいから買ってください。 ↩︎
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帝国データバンクの破産情報へのリンクを貼り付けたら、ZennのAIレビューに「センシティブな情報へのリンクは避けたほうがいい」と怒られたので、当時の私のツイートに変更しました。 ↩︎
-
Bedrock以外も課金発生していました。そういえば運用の章でGuardDuty有効化させてました。セキュリティ大事です。S3はAmplifyのSandbox環境へのデプロイをしまくったら無料枠を突破しちゃいました。 ↩︎
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re:Inventですべてが一新されるとかないよね? ↩︎
NCDC株式会社( ncdc.co.jp/ )のエンジニアチームです。 募集中のエンジニアのポジションや、採用している技術スタックの紹介などはこちら( github.com/ncdcdev/recruitment )をご覧ください! ※エンジニア以外も記事を投稿することがあります
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