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IPSecは世界共通じゃない!?暗号通信が禁止されてるお国柄の話...
はじめに:
コロナをきっかけにリモートワークが普及しました。
カフェで仕事をしたり、自宅から会社のシステムにアクセスするとき、どこからでも安全に通信を暗号化してくれる「VPN」は、いまや私たち現代人にとっては欠かせないもの。
そして、そのVPNは、「暗号化」「認証」「改ざん検知」(これらまとめて"IPSec"という構造) によって安全な通信を実現しています。
まるで端末間でやり取りされるデータを、真っ暗なトンネルのように見えなくしてくれるんですね。
「暗号通信が許可されてないって、どういうこと?」
つまるところ、個人PCから社内共有サーバーに送った資料が盗み見され放題、
入力してクレデンシャルも、顧客とのメール内容もガバガバです。
一部の国では、VPNやIPSec通信といった暗号化された通信が、
監視や検閲の対象外になる=危険視されているのです。
「暗号化されると、中身が見えなくなる...」
→ 「中身が見えない通信は危ない(かもしれない)」
→ 「だから、禁止しよう」
そんなロジックで、VPNは「国家レベルで制限されている技術」になってしまうことがあるのです。
★ 暗号化通信が制限される国の例
国名 | AH/ESPの扱い | 備考 |
---|---|---|
中国 | ブロックされる可能性あり | Great Firewall による制御 |
イラン | 通信全体が検閲対象 | VPN全般に対して厳しい |
ロシア | 登録制VPN以外は違法 | 通信内容の検査が義務 |
北朝鮮 | 原則インターネット禁止 | 企業活動不可 |
アラブ首長国連邦 | VoIPと同様に制限対象 | 法律で暗号通信を制限 |
これら5つの国だけでも、お国柄的に察するところありますね。
もちろん、我が国日本は暗号化通信を含めた、VPN通信は許可されています。
🛡️ 補足Tips:
- AH:➀認証 ➁改ざん検知用
- ESP:➀認証 ➁改ざん検知用 ➂暗号化
- 海外でVPNを構築する場合、「SSL/TLS VPN」や「IKEv2 over UDP 443」などの回避策が検討できる
まとめ:
暗号化通信は、私たちの自由で安全な情報交換を支える重要な土台です。
しかし世界には、それを許さない国も存在します。
「VPNがつながらない」という小さな違和感の裏に、
“通信の自由”をめぐる大きな価値観の違いが隠れているのです。
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