TailwindCSSを始めようとしている人へ
TailwindCSSを始めようとしている人へ
JSフレームワーク内でスタイルをどのように当てるべきかは,多く議論されるものであるが,そんな中でTailwindCSSが注目と人気を集めている様子である.
それはそうと私はなかなか使うまで踏み出せなかったが,v3.0以降にようやく使ってみたので,
- 使い方をざっくり知りたい人
- できることをざっくり知りたい人
- TailwindCSSをエアプしたい人
に向けて個人的な所感と要点を書いていく.
TailwindCSSをすごく簡単に
classNameに特定のclassを指定することでStyleを当てていくCSSフレームワーク.
例えば,ここにあるように,
bg-red-600とclassNameをつけることで,CSSのbackground-color: #dc2626;と同様のCSSプロパティを当てたことになる.
普段このように書くところを
<div class='container'></div>
.container {
width: 10rem;
height: 10rem;
background-color: #dc2626;
}
TailwindCSSでは
<div class='w-10 h-10 bg-red-600'></div>
となる.
このように原則class一つにつき,一つのCSSプロパティがあたるのが基本だが,
セットで使用されるプロパティに関しては使用しやすいように複数のCSSプロパティが当たることもある感じ.
例えば,animate-spinをclassに追加すると回り続けるAnimationを簡単に実装することができる.
もう一つの特徴として
これは内部に膨大なCSSファイルがあるのかーと想うかもしれないが,TailwindCSSは使用されているclassNameを検知して,必要最低限のCSSのみを生成する仕組みになっている.へーすごい.
今回作ったWebサイト
3日ほどでNext.js × TailwindCSSでWebサイトを作った.
TailwindCSSのみを使用しStyleし,それほど高度な運用もせずに,単にclassNameを追加することによるスタイリングのみでサイトを作成していった.
使って思ったメリット
- 学習コストが低い
- 手軽で簡単にスタイリングできる
- Web制作中級者あたりが使うと,知らなかったCSSプロパティに出会えて勉強になる
- どのHTMLタグにどのCSSがあたっているかが明確で認識しやすい
- アニメーションを簡単につけれる
使って思ったデメリット
- 当たり前だが,自由度が狭い(これでもかなり広くなったとは思う)
- 初学者はこれを使うことで,理解の幅や伸びしろを失うことになりそう
- classNameが冗長になる
- モバイルファーストのレスポンシブに慣れていないとつらい
といったところでしょうか.
classNameが冗長になるのは使う前から気になっていたのですが,それ以上に開発体験が良く気にならない.また,そもそも記述するCSSがなるべく少なくなるようにコーディングするので,それほど冗長にはなりませんでした.
あたりまえですが,CSS初心者が使うことは学習最適化的な観点からはおすすめできません.
TailwindCSSの使い方まとめ
要点だけさくっと抑えてすぐに使いたい人のためにNext.jsでのSetup方法を簡潔にまとめていく.
※ v2.x と v3.x のバージョンではいろいろ異なるので注意
参考:https://tailwindcss.com/docs/guides/nextjs
Next.js の プロジェクトの作成
yarn create next-app my-project
TailWindCSS の 初期設定
install
yarn add -D tailwindcss postcss autoprefixer
設定ファイルを自動生成
npx tailwindcss init -p
postcss.config.jsとtailwind.config.jsが作成される
そしたらtailwind.config.js内の content を以下のように変更編集
※src を使用しない場合は./components/**/*.{js,ts,jsx,tsx}とかで OK.ここにはclassNameでStyleするファイルのpathを記述する感じ.
content: [
"./pages/**/*.{js,ts,jsx,tsx}",
"./src/**/*.{js,ts,jsx,tsx}",
],
次にstyles/globals.cssに
@tailwind base;
@tailwind components;
@tailwind utilities;
を追記
これでTailWindCSSによるStylingが可能になる.
CDNでやる場合
<script src="https://cdn.tailwindcss.com"></script>
v3.0からCDNに対応した.これをHTMLに追記して読み込ませるだけでできるので,HTML/CSSを学んだばかりの人でもすぐに使い始めることができるっちゃできる.
個人的にはTailwindCSSを使う前にWebサイト普通に作れますくらいにCSSをちゃんと学んだ方がいいと思うので,Web制作の初学者にはおすすめしない.
要点をまとめていく(CSSを理解している人向け)
先に高頻度で使用する記号を紹介する.
詳細に知りたい人は公式でどうぞ.
https://tailwindcss.com/docs/installation
大きさ系
pxに単位で指定する必要のあるプロパティは以下の数字を複合して使用する
サイズ:xs, sm, md, lg, xl, 2xl, 3xl, ... ,9xl
数字:0〜12, 14, 16, 20〜64, 72, 80, 96
(1単位に付き4px | 例:8は8*4で32pxを指す)
(1〜12は1刻み, 20〜64は4刻み)
https://tailwindcss.com/docs/customizing-spacing#default-spacing-scale
※ものによってはこれ以外もある
色
これは色の名前
色名:slate, gray, red, yellow, orange, blue, ...
濃さ:50, 100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900
この2つを複合する
色は色々ある
https://tailwindcss.com/docs/customizing-colors
それでは,よく使いそうなTailwindのプロパティを紹介していく
widthとhight
w-[大きさ(数字)など]
%はw-1/2のようにして示す
他に
-
px...1px -
auto...auto -
full...100% -
screen...100vw -
min...min-content -
max...max-content -
fit...fit-content
などがある.
v3.0からw-[41px]のようにすれば何でもいけるようになった
heightも一緒
例:w-40,h-screen
前にmax-やmin-をつければmax-widthやmin-widthとなるのだが,
max-heightのみ 大きさ(数字)が使用できて,他は大きさ(サイズ)だったりするので注意.
https://tailwindcss.com/docs/width
余白
m[余白の位置]-[大きさ(数字)]
px...1px
%やremはない
余白の位置は上,下,左,右,左右,上下の順にt,b,l,r,x,y(頭文字)
何もつけなければ全部
paddingも同じ
例:mt-20,py-8
https://tailwindcss.com/docs/padding
文字の大きさ
text-[大きさ(サイズ)]
大きさは,
xs, sm, base, lg, xl, 2xl, 3xl, ... ,9xlとmdがbaseなので注意
例:text-xl
https://tailwindcss.com/docs/font-size
文字色
text-[色名]-[濃さ]
透明にしたいとき
text-[色名]-[濃さ]/[%を表す数字]みたいな感じでいける
例:text-rose-500,text-sky-500/80
https://tailwindcss.com/docs/text-color
背景色
bg-[色名]-[濃さ]
文字色と一緒
例:bg-rose-500,bg-sky-500/80
https://tailwindcss.com/docs/background-color
色に関してはこんな感じでインプットすると良き
| 対象 | 色 | 濃さ |
|---|---|---|
| text | red | 50 |
| bg | orange | 100 |
| border | lime | 200 |
| outline | green | 300 |
| shadow | sky | 400 |
| accent | violet | 500 |
| ... | pink | 600 |
| rose | 700 | |
| ... | 800 | |
| 900 |
display
プロパティをそのまま指定すればOK
例:block,inline,inline-block,flex,grid
hiddenはdisplay: none;
https://tailwindcss.com/docs/display
flexboxに関するプロパティ
justify-content
justify-[なんたら]
例:justify-start,justify-between
align-items
items-[なんたら]
例:items-center
flex-direction
例:flex-row,flex-col,flex-col-reverse
flex-wrap
例:flex-wrap,flex-nowrap
gap
例:gap-4
flexとgapの組み合わせが最強
position
例:absolute,relative,fixed
Top / Right / Bottom / Left の指定
[方向]-[大きさ数字]
insetやinset-xなどで全方向や上下,左右の指定もできる
例:top-0,right-20, inset-y-40
https://tailwindcss.com/docs/top-right-bottom-left
Opacity
opacity-[数字]
数字は0から10刻みで100までと5,25,75,95がある
例:opacty-60
https://tailwindcss.com/docs/opacity
border-radius
rounded-[方向]-[大きさ(サイズ)]
例:rounded-xl,rounded-b,rounded-tr-md
https://tailwindcss.com/docs/border-radius
box-shadow
shadow-[大きさ(サイズ)]
大きさ(サイズ)以外になし,inner,noneがある
他にnoneとinnerがある
前にdrop-をつければDrop Shadowになる
例:shadow-xl,shadow,drop-shadow-md
https://tailwindcss.com/docs/box-shadow
その他ざっくり紹介
文字太く...font-bold
真ん中寄せ...text-center
カーソル乗っけたら指になるやつ...cursor-pointer
子要素の最初の要素以外に対して等間隔になるようにmargin-topをつけてくれる...space-y-8
その他の機能
レスポンシブ対応
https://tailwindcss.com/docs/responsive-design
各clasNameの最初にmd:, lg:などをつけるとmax-width: 480px的なやつになる
ただ,モバイルファーストのレスポンシブになるので注意
例:bg-green-400 sm:bg-blue-400 md:bg-red-400を全て指定すると
| 画面幅 | 適応される色 |
|---|---|
| 〜640px | green |
| 640~768px | blue |
| 768px~ | red |
となる.
モバイルファーストに慣れていないと直感的でない感じがする...
installするだけでPrettierにclassNameをsortさせる
https://tailwindcss.com/docs/adding-custom-styles
Tailwind にないスタイルを使いたい場合
https://tailwindcss.com/docs/adding-custom-styles#adding-custom-utilities
TailWind CSS のスタイル層には
base > components > utilities があるので意識しておくとよい
Discussion
こんにちは! Tailwind CSS 良いですよね。習熟度に応じて効率が非線形で上がっていく、そんなフレームワークだと思います。
デメリットとして挙げられていた点で、勝手ながら私見を共有させてください!
自由度に関しては、ユーティリティーファーストの「制約によるデザイン」のトレードオフですので、これこそ Tailwind CSS を利用する利点とも考えられます。
CSS を知らない初学者にとっては、応用から基礎を学ぶようなものだと思います。なので個人開発においては、自身の学習に適した抽象度で学ぶべきでしょうし、CSS を知らないのなら、まずは素の CSS で実装してみる方が良いと思います!
Tailwind CSS は、一貫した抽象度をチーム開発に与えてくれるフレームワークなので、チームでスタイリングをする時の、「共通言語」として、より効果を発揮する選択肢なんじゃないかと思います。
Tailwind CSS はモバイルファーストアプローチに対応しています!
ドキュメントの通り
screens接頭辞を指定するのを PC デバイスのような高解像度スクリーンとし、接頭辞ナシのデフォルト指定をモバイル解像度とすることで、モバイルファーストのスタイリングアプローチが取れます。コメントありがとうございます!
おっしゃるとおりスタイルの方針に一貫性が増すのは良いですね!
個人開発では気が付きませんでした🙉
また,「モバイルファーストのレスポンシブになれない」という表現は誤解が多く不適切なため,
「モバイルファーストのレスポンシブに慣れていないとつらい」に変更させていただきました🙇♂️
わかりやすいです!
ありがとうございます!