Shopifyで特定の商品を含む注文に自動でタグ付けを行う方法を考察
はじめに
今回は、Shopify で「特定の商品を含む注文に自動でタグ付けをする」方法について考察しました。
「シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリ」を活用しながら、Shopify で注文タグを効率よく管理するメリットや、タグ付けを実装する際に生じるデメリットなども併せて解説していきます。
それでは、頑張っていきましょう。
今回は、以下の記事を参考にしています。
- Shopifyで注文にタグを自動付与できるアプリ4選を徹底解説
- 【2025年】Shopify で特定の商品が購入された時に自動で注文タグをつけることはできる?設定方法やおすすめアプリを紹介!
- Shopifyで特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリについて徹底解説|ご利用ガイド
- Shopifyの「タグ」について徹底解説!
- Shopify で顧客へのタグ付けを自動で行う方法を徹底解説!
- Shopifyで注文タグを自動付与する方法5つを徹底解説!
Shopify で特定の商品を含む注文に自動タグ付けする定義
Shopify で「特定の商品を含む注文に対してタグを自動付与する」とは、購入された商品をトリガーにして、注文管理画面にタグを自動的に付与する仕組みを指します。通常、注文タグは手動で設定することが多いですが、あらかじめ自動化を行っておくことで運用がとても楽になります。
具体的には、
- ある特定の商品を購入したお客様を “VIP” として管理したい
- キャンペーン対象商品を購入した注文に “キャンペーン参加” のタグを付けたい
- 在庫調整や仕分けを効率化したい
など、さまざまな業務上の要望に応じて、特定の商品が含まれる注文にタグを自動で付与することが可能になります。
Shopify で特定の商品を含む注文に自動タグ付けするメリット
まずは、Shopify で特定の商品を含む注文に自動でタグを付与するメリットについて解説していきます。タグを上手に活用することで、注文管理のみならず、顧客満足度向上や売上アップの施策にもつなげることができます。
1. 注文管理の効率化
手動でタグ付けを行うと、日々の注文数が増えるほど作業負担が大きくなります。自動タグ付けを導入すると、特定の商品を購入した注文に対し、あらかじめ設定したタグが自動で付与されます。これにより、管理者はタグをもとに注文を検索・仕分けしやすくなり、業務の効率化が期待できます。
2. VIP 顧客対応のしやすさ
特定の高単価商品や限定商品を購入しているお客様に対し、“VIP” タグを付けておくことで、顧客サポートやキャンペーン案内などを手厚く行うことができます。結果として、リピート率の向上やクロスセルにもつながります。
3. プロモーション管理が簡単になる
「キャンペーン対象商品の購入者には割引コードをメールで配布する」など、プロモーション施策においてタグは非常に便利です。特定商品の注文タグをトリガーにしてメール配信アプリなどと連携すれば、プロモーションを自動化でき、施策の抜け漏れや重複送信を防げます。
4. レポート分析にも役立つ
注文タグは検索やフィルタに活用できるため、「キャンペーン商品が含まれる注文数は何件だったか」「どのタグがついた注文が一番多いか」などを簡単に集計できます。分析結果を新たな施策に落とし込むことも容易になります。
5. スタッフの作業ミスを減らす
手動のタグ付けだと、どうしてもタグ付け忘れや誤記入のリスクがつきまといます。自動化することで、人為的なミスを大幅に削減し、安定したショップ運営を実現できます。
Shopify で特定の商品を含む注文に自動タグ付けするデメリット
次に、Shopify で特定の商品を含む注文に自動タグ付けを導入する際に考えられるデメリットを見ていきましょう。
1. 設定の手間
自動化するためには、商品やタグの組み合わせをあらかじめ設定しておく必要があります。商品数やタグのルールが多岐にわたると、その分だけ最初の設定時間が長くなる可能性があります。
2. 設定ルールのメンテナンス
運用を始めると、商品ラインナップの変更や新キャンペーンの追加など、タグ付けルールも変わるかもしれません。ルールを定期的にメンテナンスしないと、誤ったタグがついたり、不要なタグが増えたりするリスクがあります。
3. すべてのパターンに対応しきれない場合がある
「2つ以上の商品を購入している場合は別のタグをつけたい」など、複雑な条件が求められるケースでは、標準的な自動タグ付け手法では対応が難しい可能性があります。アプリやカスタムコードでの柔軟な対応が必要になるかもしれません。
4. 過剰なタグが付くと注文管理が複雑化する
タグを付けすぎると、かえって管理画面が混雑し、どのタグを優先してチェックすべきか分からなくなることも。自動化の際は、運用設計をしっかり行い、付けるタグは最小限に留める配慮が必要です。
Shopify で自動タグ付けを行う方法
ここでは、コーディングや標準機能を活用したタグ付け方法について簡単に考察してみます。
1. 手動での注文編集
Shopify 管理画面から “注文を編集” → “タグを追加” で手動対応する方法です。小規模のショップなら問題ないですが、注文数が増えると管理が煩雑になります。
2. Shopify Flow を活用
Shopify Flow(Shopify Plus などの上位プランで利用可能)を使えば、トリガーとなる商品を指定し、フロー(自動化ワークフロー)を組むことで、自動で注文タグを付けることができます。ただし、利用できるプランが限られる、または Liquid スキルが多少必要になるなどのハードルがあります。
3. Webhook とカスタム開発
注文作成のWebhook(Order Create Event)をトリガーにした独自アプリやスクリプトでタグを付与する方法です。最も柔軟ではありますが、プログラミングの知識やサーバー環境が必要になります。
ここからは、Webhook を用いて注文への自動タグ付けを行う方法を簡単に解説していきます。
Webhook とカスタム開発を用いた自動タグ付けの具体例
「Webhook とカスタム開発」では、Shopify の注文作成 Webhook(orders/create)をトリガーにして、特定の商品が含まれている場合に自動的に注文タグを付与することができます。以下では、Node.js(Express)を使った簡単な例を紹介します。
この例では、
- Shopify から送られてくる Webhook(orders/create)を受け取るサーバーを構築
- リクエストが正しい(Shopify 由来)ことを検証
- 特定の商品が含まれているかを確認
- 含まれていれば Shopify Admin API を用いて注文タグを更新
といった流れを実装しています。
事前準備
- Node.js / npm がインストールされていること
- Shopify で Private app / Custom app を作成し、Admin API のアクセス権限(Orders など)と Access Token を取得
-
Webhook を orders/create イベントに紐づけ、Webhook URL をサーバー側のエンドポイント(例:
https://<your-server>/webhook/orders_create
)に設定
コード例
以下のサンプルコードは、簡易的に書かれた Node.js + Express のサーバー例です。実際の運用では、認証方法やセキュリティ面を必ず考慮してください。
require('dotenv').config();
const express = require('express');
const bodyParser = require('body-parser');
const crypto = require('crypto');
const axios = require('axios');
const app = express();
app.use(bodyParser.json());
// Shopify Webhook から送られてきた署名を検証する関数
function verifyShopifySignature(req) {
// Shopify Webhook の秘密鍵(アプリで設定したもの)を環境変数から取得
const secret = process.env.SHOPIFY_WEBHOOK_SECRET;
// 署名はヘッダー "X-Shopify-Hmac-Sha256" に含まれる
const hmacHeader = req.get('X-Shopify-Hmac-Sha256') || '';
// リクエストボディを文字列化
const body = JSON.stringify(req.body);
const hash = crypto
.createHmac('sha256', secret)
.update(body, 'utf8')
.digest('base64');
return hash === hmacHeader;
}
// orders/create の Webhook を受け取るエンドポイント
app.post('/webhook/orders_create', async (req, res) => {
// 1. 署名を検証し、正当な Shopify リクエストかを確認
if (!verifyShopifySignature(req)) {
return res.status(401).send('Unauthorized request');
}
// 2. 注文データの取得
const orderData = req.body; // Shopify から送られてきた注文データ
const lineItems = orderData.line_items || [];
// 3. ターゲット商品を含むかどうかをチェック
// 例: 特定の product_id や variant_id, SKU などで判定
const targetProductIds = [1234567890, 9876543210]; // 例としての ID
let foundTargetProduct = false;
for (const item of lineItems) {
if (targetProductIds.includes(item.product_id)) {
foundTargetProduct = true;
break;
}
}
// 4. 対象商品が見つかった場合はタグを追加
if (foundTargetProduct) {
try {
// すでに付いているタグを取得(カンマ区切りの文字列)
const existingTags = orderData.tags ? orderData.tags.split(', ') : [];
// 新たに付与したいタグ
const newTag = 'VIP'; // 例: VIP タグを付与
// すでにタグが付いていない場合のみ追加
if (!existingTags.includes(newTag)) {
existingTags.push(newTag);
}
// 5. Shopify Admin API を使って注文タグを更新
const shopDomain = req.get('X-Shopify-Shop-Domain');
const accessToken = process.env.SHOPIFY_ADMIN_API_ACCESS_TOKEN; // .env などで管理
// Admin API (REST) で注文を更新
await axios({
method: 'put',
url: `https://${shopDomain}/admin/api/2023-10/orders/${orderData.id}.json`,
headers: {
'X-Shopify-Access-Token': accessToken,
'Content-Type': 'application/json',
},
data: {
order: {
id: orderData.id,
tags: existingTags.join(', '), // カンマ区切りでタグを再度結合
},
},
});
console.log(`Order #${orderData.id} updated with new tag: ${newTag}`);
} catch (error) {
console.error('Error updating order tags:', error.response?.data || error.message);
return res.status(500).send('Failed to update order tags');
}
}
// Webhook 処理が成功した旨を Shopify に返す
res.status(200).send('Webhook processed');
});
// ローカル環境でサーバーを起動(ポート番号は適宜変更)
app.listen(3000, () => {
console.log('Server is running on port 3000');
});
コードのポイント
-
Webhook の署名検証(verifyShopifySignature)
Shopify からのリクエストかどうかを判定するために、X-Shopify-Hmac-Sha256
ヘッダーとアプリのシークレットキーを使って署名を検証します。これを行わないと、第三者からの不正リクエストを受信するリスクがあるため重要です。 -
注文データの取得・特定商品の判定
req.body
に含まれる注文データのline_items
をループし、特定のproduct_id
、variant_id
、sku
などをチェックします。実際のストアでは対象商品を複数・多種設定することが多いため、配列やオブジェクト管理を適宜工夫してください。 -
タグの更新
- 既存のタグはカンマ区切り (
tags.split(', ')
) になっているので、JavaScript 上で配列に変換して操作し、最後に再度カンマ区切りの文字列に戻してから Shopify Admin API に送ります。 - 例では REST API を使用していますが、GraphQL Admin API を利用する方法もあります。
- 既存のタグはカンマ区切り (
-
環境変数管理
-
SHOPIFY_WEBHOOK_SECRET
: Webhook 署名検証に使用 -
SHOPIFY_ADMIN_API_ACCESS_TOKEN
: Admin API 呼び出し時に使用 - その他、セキュリティや運用に必要な情報はすべて環境変数にまとめ、
.env
管理やサーバー側の安全な保管を行いましょう。
-
注意点
- このコードサンプルはあくまで最小限のサンプル実装です。本番運用では、エラーハンドリング、再試行制御、ログ管理、セキュリティ強化(署名検証の強化やレスポンスの制御など)をしっかり行う必要があります。
- 大量注文や高トラフィックが想定される場合は、非同期キュー(例: AWS SQS, Redis Queue)を導入して処理を安定させる仕組みを整えるのがおすすめです。
このように「Webhook とカスタム開発」を用いることで、特定の商品を含む注文に対して柔軟にタグを付与できます。アプリや Shopify Flow では実現しにくいような複雑な条件分岐にも対応しやすいのが大きなメリットです。ただし、サーバー環境の整備やセキュリティ保守、各種 API の知識など一定の開発スキルが必要になります。運営規模・開発コストを踏まえて導入をご検討ください。
Shopify アプリを用いて特定の商品を含む注文に自動タグ付けする方法
それでは、最もシンプルかつ導入が手軽な手段として、「シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリ」を使った方法を紹介します。
シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリとは
「シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリ」は、Shopify ストアで特定の商品が含まれる注文に対して自動的にタグを付与できる日本製のアプリです。以下のような特徴があります。
以下のアプリストアから、インストールを行うことができます。
また、公式のご利用ガイドもあるので、簡単に設定できるかと思います。
- 月額 $9.99(無料体験あり)
- 評価:0.0 (0 レビュー)
- 開発者:株式会社UnReact
- シンプルな日本語UIでわかりやすい
- 注文に含まれる特定の商品を選択し、付与するタグを指定するだけでOK
アプリの主な機能
-
特定の商品を購入すると自動で注文にタグがつく!
対象商品を設定しておけば、新規注文時に自動でタグが付与されます。手動作業が不要になり、管理ミスが減ります。 -
注文への自動タグ付けの設定は 2 STEP!
シンプルな画面設計で、対象商品を選ぶ→タグを指定する、の 2 STEP で設定完了。直感的に操作できます。 -
設定した自動タグ付け設定は、一覧で確認・編集・削除ができる!
後からタグや商品が変わっても、管理画面から簡単に修正できます。メンテナンス性に優れています。 -
多用途に活用できるタグ運用
VIP顧客管理、キャンペーン管理、定期購入の仕分けなど、多彩な使い道があります。タグで注文のフィルタが簡単になり、作業効率がアップします。
導入と設定の流れ
-
Shopify アプリストアからインストール
アプリストアで「シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリ」を検索し、インストールします。 -
対象商品と付与タグを設定
アプリ管理画面で、タグを付けたい商品やコレクション、実際に付与するタグ名を設定します。タグは複数設定も可能です。 -
テスト注文で挙動を確認
設定後、テスト注文を行い、対象商品が含まれている場合にタグが正しく付与されるかをチェックします。 -
運用開始
正常に動作することが確認できれば、あとは放っておいても自動でタグが付くようになります。
ここからは、アプリリストの画像を引用しながら、こちらのアプリの概要について簡単に解説していきます。
シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリの概要
ここからは、シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリの概要です。
以下のアプリリストから引用しています。
シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリは、Shopify で特定の商品を含む注文に自動でタグ付けを行えるアプリです。
特定の商品を購入すると、自動で注文にタグが付くようになります。
注文への自動タグ付けの設定 2 STEP で完了できます。
特定の商品を選択した後に、その商品を含む注文に付与されるタグを設定するだけです。
設定した自動タグ付け設定は、一覧で確認・編集・削除ができます。
以下のアプリストアから、インストールを行うことができます。
最後に
今回は、Shopify で「特定の商品が含まれる注文に対して自動でタグ付けする」方法について、メリット・デメリットの考察と、実装パターンの紹介、そして「シンプル特定の商品を含む注文にタグをつけるアプリ」の活用について解説しました。
- コーディングによる独自開発や Shopify Flow を使った方法は柔軟性が高いですが、運用負荷や専門知識が必要になります。
- アプリを利用すれば手軽に自動タグ付けが行え、初期設定やメンテナンスも簡単です。
自動タグ付けをうまく運用すれば、注文管理や顧客対応、マーケティング施策において強力なサポートとなるはずです。みなさまのストア運営にぜひ取り入れてみてください。
参考記事
今回は、以下の記事を参考にしています。
Discussion