🐥

Shopifyで熨斗(のし)を実装する方法を考察

2024/08/19に公開

はじめに

今回は、Shopify で 熨斗(のし)を実装する方法について考察していきます。

メタフィールドを利用する方法や、Ajax API を用いて実装する方法について考察していきました。

それでは、頑張っていきましょう。

Shopify における「のし」の定義

まずは、Shopify の「のし」の定義からしていきましょう。

まず、祝事や弔事に対応する「のし」の種類を定義し、顧客が簡単に選べるようにします。また、カスタムメッセージ入力フィールドを設け、顧客が自由にメッセージを追加できるように設定します。さらに、印刷やフルフィルメントのプロセスを明確にし、注文に応じた「のし」の正確な適用を確保する必要があります。

Shopifyに「のし」を導入するメリット

まずは、「のし」を導入するメリットについて考えていきましょう。

メリットが無いと、導入するメリットがあまり無いですからね。

日本の伝統文化である「のし」をオンラインショップに導入することは、顧客満足度を向上させ、ビジネスに多くのメリットをもたらします。特にギフト需要が高い店舗では、「のし」の提供が他の競合店との差別化につながります。以下に、Shopifyで「のし」を導入する主なメリットを解説します。

1. 顧客満足度の向上

「のし」を導入することで、顧客は購入する商品をより特別なものに感じ、贈り物としての価値が高まります。特に日本の顧客にとって、「のし」は伝統的な儀礼や礼儀の一環として非常に重要視されるため、これを提供することで顧客満足度が向上します。顧客が贈り物に対して細やかな配慮を感じることで、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得にもつながります。

2. ギフト需要の取り込み

「のし」は、贈り物の包装や演出に欠かせない要素であり、ギフトとしての商品購入を促進します。特に、結婚式や出産祝い、季節の贈答品(お歳暮やお中元など)を扱うショップにとって、「のし」を提供することは、ギフト需要を効果的に取り込む手段となります。これにより、顧客がギフト商品を選ぶ際の第一候補として、あなたのショップが選ばれる可能性が高まります。

3. 他店との差別化

多くのオンラインショップが同様の商品を取り扱っている中で、「のし」の提供は他店との差別化要因となります。「のし」を含むカスタマイズ可能なギフトオプションを提供することで、顧客に対して他にはない独自の価値を提供でき、結果として競争優位性を確立することができます。

4. 高単価商品の販売促進

「のし」を提供することで、特別な贈り物を探している顧客に対して高単価商品をアピールする機会が増えます。「のし」を含むギフトパッケージは、通常の商品の購入よりも高い価格設定が可能であり、顧客は特別な場面での購入を検討する際に、より高価な商品を選びやすくなります。これにより、平均注文額(AOV)の増加が期待できます。

5. ブランドイメージの向上

「のし」を提供することは、あなたのブランドが伝統や文化を大切にし、顧客に対して細やかなサービスを提供していることを示すものです。このような姿勢は、顧客に対してブランドに対する信頼感を醸成し、長期的なブランドロイヤルティの向上につながります。また、特別感を演出することにより、ブランドの高級感や付加価値を強調することができます。

それでは次に、デメリットについて考えていきましょう。

Shopifyに「のし」を導入するデメリット

それでは、Shopify に「のし」を導入するデメリットについて考えていきましょう。

Shopifyストアに「のし」を導入することは、顧客満足度やブランド価値を高める効果が期待できる一方で、いくつかのデメリットや課題も伴います。これらのデメリットを理解し、対策を講じることで、導入後の運用がスムーズに進むでしょう。以下に、Shopifyで「のし」を導入する際の主なデメリットについて解説します。

1. 運用と管理の負担増加

「のし」を提供することで、ストア運営者に追加の業務負担がかかります。具体的には、注文ごとに「のし」を適切に設定・印刷し、商品に取り付ける作業が発生します。この作業は特に繁忙期において時間と手間がかかり、フルフィルメントのスピードに影響を与える可能性があります。また、誤った「のし」を取り付けてしまった場合、顧客からのクレームや返品処理が発生し、さらなる負担となる可能性があります。

2. コストの増加

「のし」を提供するには、印刷やカスタマイズにかかるコストが発生します。これらの費用は商品の価格に上乗せすることが考えられますが、顧客が価格の上昇を受け入れない場合、利益率が低下するリスクがあります。また、特に少量生産や高品質な「のし」を提供する場合、そのコストがさらに高くなることが予想されます。

3. システムの複雑化

「のし」のオプションを導入することで、ストアの注文管理システムが複雑化する可能性があります。特に、カスタマイズされたメッセージやデザインを反映する必要がある場合、標準的な注文処理システムでは対応が難しく、追加のシステム開発や設定が必要になることがあります。このシステムの複雑化は、技術的なエラーを引き起こすリスクを増加させる要因となります。

4. 顧客対応の増加

「のし」をカスタマイズできるようにすることで、顧客からの問い合わせや要望が増加する可能性があります。たとえば、特定の文字やデザインの対応可否、のしの配置に関するリクエストなど、通常の商品販売にはない対応が求められることがあります。このような対応は、カスタマーサポートの負担を増加させ、迅速な顧客対応が難しくなることがあります。

5. 市場ニーズの限界

「のし」の提供は日本市場や日本文化に精通した顧客にとっては重要なサービスですが、海外市場や日本文化に馴染みのない顧客には、その価値が理解されにくい場合があります。そのため、海外展開を考慮している場合や、国際的な顧客層をターゲットとしているストアにおいては、「のし」サービスが必ずしも売上増加につながらない可能性があります。

Shopify で「のし」を実装する方法

それでは、Shopify で「のし」を実装する方法について考察していきます。

まずは、「のし」の商品を登録していきましょう。

「のし」用の商品を登録する

まずは、「のし」用の商品を登録していきましょう。

あまり目新しいことはありませんが、とりあえず解説していきます。

商品を登録するから、商品登録を行っていきましょう。

入力項目を埋めて、保存するをクリックして下さい

のしの種類は、バリエーションとして登録してください。

これで、「のし」用の商品登録は完了です。

shop のメタフィールドに「のし」の商品 ID を登録

それでは次に、shop のメタフィールドに「のし」の商品 ID を登録していきましょう。

shop オブジェクトは、Shopify のストアフロントから簡単にアクセスできます。

以下の、Liquid の shop オブジェクトの公式ドキュメントを参照してください。

https://shopify.dev/docs/api/liquid/objects/shop

以下が、Liquid からアクセスできる shop オブジェクトのサンプルコードです。

{
  "accepts_gift_cards": true,
  "address": {},
  "brand": {},
  "collections_count": 7,
  "currency": "CAD",
  "customer_accounts_enabled": true,
  "customer_accounts_optional": true,
  "description": "Canada's foremost retailer for potions and potion accessories. Try one of our award-winning artisanal potions, or find the supplies to make your own!",
  "domain": "polinas-potent-potions.myshopify.com",
  "email": "polinas.potent.potions@gmail.com",
  "enabled_currencies": [],
  "enabled_locales": [],
  "enabled_payment_types": [
    "american_express",
    "apple_pay",
    "diners_club",
    "discover",
    "google_pay",
    "master",
    "paypal",
    "shopify_pay",
    "visa"
  ],
  "id": 56174706753,
  "locale": "en",
  "metafields": {},
  "metaobjects": {},
  "money_format": "${{amount}}",
  "money_with_currency_format": "${{amount}} CAD",
  "name": "Polina's Potent Potions",
  "password_message": "Our store will be opening when the moon is in the seventh house!!",
  "permanent_domain": "polinas-potent-potions.myshopify.com",
  "phone": "416-123-1234",
  "policies": [],
  "privacy_policy": {},
  "products_count": 19,
  "published_locales": [],
  "refund_policy": {},
  "secure_url": "https://polinas-potent-potions.myshopify.com",
  "shipping_policy": {},
  "subscription_policy": null,
  "taxes_included": false,
  "terms_of_service": {},
  "types": [
    "",
    "Animals & Pet Supplies",
    "Baking Flavors & Extracts",
    "Container",
    "Cooking & Baking Ingredients",
    "Dried Flowers",
    "Fruits & Vegetables",
    "Gift Cards",
    "Health",
    "Health & Beauty",
    "Invisibility",
    "Love",
    "Music & Sound Recordings",
    "Seasonings & Spices",
    "Water"
  ],
  "url": "https://polinas-potent-potions.myshopify.com",
  "vendors": [
    "Clover's Apothecary",
    "Polina's Potent Potions",
    "Ted's Apothecary Supply"
  ]
}

今回は、以下のmetafieldsを使用していきましょう。

以下のような形式で、メタフィールドに値を登録してください。

{
  "noshi_product_id": string
}

shop オブジェクトに値を登録する際は、以下のmetafieldsSetの Adming GraphQL API を使用しましょう。

https://shopify.dev/docs/api/admin-graphql/2024-07/mutations/metafieldsSet

以下が、サンプルコードになります。

mutation MetafieldsSet($metafields: [MetafieldsSetInput!]!) {
  metafieldsSet(metafields: $metafields) {
    metafields {
      key
      namespace
      value
      createdAt
      updatedAt
    }
    userErrors {
      field
      message
      code
    }
  }
}

これで、shop オブジェクトのメタフィールドに値を登録することができました。

それでは次に、カートページから「のし」商品を選択する部分の実装方法について考えていきましょう。

カードページから「のし」商品を選択する方法

カートページから「のし」商品を選択する際には、Ajax API を利用することになります。

以下が、Shopify 公式のドキュメントになります。

https://shopify.dev/docs/api/ajax

https://shopify.dev/docs/api/ajax/reference

今回は、カートに商品を追加する処理を行いたいので、Cartについてみていきましょう。

以下のドキュメントになります。

以下が、商品をカートに追加する際のサンプルコードになります。

let formData = {
 'items': [{
  'id': 36110175633573,
  'quantity': 2
  }]
};

fetch(window.Shopify.routes.root + 'cart/add.js', {
  method: 'POST',
  headers: {
    'Content-Type': 'application/json'
  },
  body: JSON.stringify(formData)
})
.then(response => {
  return response.json();
})
.catch((error) => {
  console.error('Error:', error);
});
{
  "items": [
    {
      "id": 36110175633573,
      "title": "Red Rain Coat - Small",
      "key": "794864229:03af7a8cb59a4c3c45595c76fa8cb53c",
      "price": 12900,
      "line_price": 12900,
      "quantity": 2,
      "sku": null,
      "grams": 0,
      "vendor": "Shopify",
      "properties": {},
      "variant_id": 794864229,
      "gift_card": false,
      "url": "/products/red-rain-coat?variant=794864229",
      "featured_image": {
        "url": "http://cdn.shopify.com/s/files/1/0040/7092/products/red-rain-coat.jpeg?v=1402604893",
        "aspect_ratio": 1.0,
        "alt": "Red rain coat with a hood"
      },
      "image": "http://cdn.shopify.com/s/files/1/0040/7092/products/red-rain-coat.jpeg?v=1402604893",
      "handle": "red-rain-coat",
      "requires_shipping": true,
      "product_title": "Red Rain Coat",
      "product_description": "A bright red rain coat for rainy days!",
      "product_type": "Coat",
      "properties" : null,
      "variant_title": "Red",
      "variant_options": ["Red"],
      "options_with_values": [
        {
          "name": "Color",
          "value": "Red"
        }
      ]
    }
  ]
}

上記のサンプルコードにある通り、カートに追加したい商品のvariant Id があれば、Ajax API を動かすことができます。

この Ajax API をカートページから実行する部分を Shopify のストアフロントに実装すれば、Shopify に「のし」機能を導入することは可能ですね。

後は、Shopify のカスタムアプリを作成して、具体的なコードを書いていけば、問題無く実装できそうです。

ここからは、非エンジニアの方にむけて、Shopify アプリを用いて「のし」を実装する方法について解説していきます。

Shopify アプリを用いて熨斗(のし)の実装を行う方法

それでは、Shopify アプリを用いて熨斗(のし)の実装を行う方法を解説していきます。

今回紹介するのは、シンプルのし(熨斗)アプリというアプリです。

以下が、Shopify 公式のアプリストアになります。

https://apps.shopify.com/sa-016-ur-noshi-app?locale=ja

今回は、以下の記事を参考にしています。

https://unreact.jp/blog/shopify-app-noshi

https://qiita.com/eijiSaito/items/2919844f8f6206cf2a3d

https://unblog.unreact.jp/blog/yx7hsh28w7

https://unreact.jp/shopify-apps/sa-016-ur-noshi-app/guide

こちらのアプリの機能について解説していきます。

シンプルのし(熨斗)アプリの機能

シンプルのし(熨斗)アプリは、非常にシンプルな「のし」機能を Shopify ストアに導入できる専用のアプリです。

以下が、公式のご利用ガイドになります。

https://unreact.jp/shopify-apps/sa-016-ur-noshi-app/guide

以下の画像のように、カートページで「のし」の追加注文を簡単に実現できます。

こちらは、Shopify の Ajax API を用いて実装されているものと思われます。

また、冠婚葬祭用の「のし」を、デフォルトで多数用意しています。

また、表示する「のし」の種類や価格は、簡単に設定できます。

また、Shopify の商品管理ページから「のし」の追加を簡単に行えます。

非常にシンプルで安価なのしアプリです。カスタムアプリを作成して「のし」を導入するのが難しい場合に、選択肢の一つに入ってくるかと思います。

https://apps.shopify.com/sa-016-ur-noshi-app?locale=ja

最後に

ここまでで、Shopify の Ajax API と shop のメタフィールドを用いて「のし」を実装する方法と、Shopify アプリを用いて「のし」を実装する方法について解説しました。

お疲れさまでした。

Discussion