Shopifyでギフトラッピングを設定する方法を考察
はじめに
今回は、Shopify でギフトラッピング設定を行う方法について考察してみました。
メタフィールドを利用する方法や、Shopify のFunction API を利用する方法について調べました。
それでは、頑張っていきましょう。
Shopifyにおけるギフトラッピングの定義
まずは、Shopify のギフトラッピングの定義からしていきましょう。
Shopifyでは、顧客に対してギフトラッピングのオプションを提供することが可能です。これは、商品をギフトとして購入する際に、ラッピングサービスを追加料金で提供することで、顧客にとっての利便性を高める機能です。以下に、Shopifyにおけるギフトラッピングの定義とその実装について解説します。
ギフトラッピングの定義
ギフトラッピングとは、顧客が商品購入時に追加料金を支払うことで、商品をラッピングして配送するオプションを指します。この機能を導入することで、特別なイベントや贈り物として商品を購入する際に、顧客にとって便利なサービスを提供できます。
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追加料金の設定
- ラッピングサービスに対して追加料金を設定することで、収益を増やしつつ、顧客に付加価値を提供します。
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ラッピングスタイルの選択
- 複数のラッピングスタイルや素材を提供し、顧客が好みに応じて選択できるようにすることが可能です。
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ギフトメッセージの追加
- ラッピングとともに、ギフトメッセージを追加できるオプションを提供し、顧客が個別のメッセージを添えることができるようにします。
Shopifyでギフトラッピングを導入するメリット
それでは次に、Shopify でギフトラッピングを導入するメリットについて解説していきます。
ある程度メリットが無いと、考察する意味もないですからね。
Shopifyのオンラインストアにギフトラッピングのオプションを導入することは、顧客満足度を向上させ、ビジネスに多くのメリットをもたらします。以下に、ギフトラッピングを導入する主なメリットをに解説します。
1. 顧客体験の向上
ギフトラッピングのオプションを提供することで、顧客は手軽に贈り物として商品を購入することができます。これにより、特別なイベントや誕生日、祝日などに合わせた購入がしやすくなり、顧客体験が向上します。顧客は、ギフトラッピングを利用することで、商品が丁寧に包装され、贈り物としての価値が高まると感じるでしょう。
2. 追加収益の創出
ギフトラッピングを有料オプションとして提供することで、ストアに追加の収益をもたらすことができます。ラッピングの種類やスタイルに応じて異なる料金を設定することで、顧客に選択肢を提供しながら収益を増加させることが可能です。特に、ホリデーシーズンや特定のキャンペーン時には、このオプションを積極的に活用することで、売上の向上が期待できます。
3. ブランドイメージの強化
ギフトラッピングを通じて、ストア独自のブランドイメージを強化することができます。オリジナルのラッピングペーパーやリボンを使用することで、ブランドの認知度を高め、顧客に特別な体験を提供できます。高品質なラッピングは、ストアのプロフェッショナルなイメージを伝え、顧客の信頼をさらに強固にします。
4. 顧客ロイヤリティの向上
ギフトラッピングを提供することで、顧客が再度購入を検討する際の大きな動機となります。特別なラッピングサービスを受けた顧客は、次回も同じストアでの購入を検討しやすくなり、リピート購入の促進につながります。長期的には、顧客ロイヤリティの向上に寄与し、安定した売上を確保できます。
5. 差別化の要素としての活用
競争の激しいEC市場において、ギフトラッピングの提供は、他のストアとの差別化を図る重要な要素となります。特に、他店が提供していないユニークなラッピングオプションや、パーソナライズされたサービスを導入することで、顧客にとって魅力的な選択肢を提供し、競争優位性を確保することができます。
Shopifyでギフトラッピングを導入するデメリット
ついでに、Shopify でギフトラッピングを導入するデメリットについて解説します。
ギフトラッピングのオプションは、顧客に追加のサービスを提供する有効な手段ですが、導入にあたってはいくつかのデメリットも存在します。以下に、ギフトラッピングを導入する際の主なデメリットを解説します。
1. オペレーションコストの増加
ギフトラッピングを提供するためには、追加の作業が発生します。ラッピング素材の調達、包装作業、ラッピングの品質管理など、通常の出荷プロセスに比べて手間がかかるため、オペレーションコストが増加します。特に、大量の注文がある場合には、この追加作業が業務の効率に影響を及ぼす可能性があります。
2. 在庫管理の複雑化
ラッピングに必要な資材(ペーパー、リボン、ボックスなど)の在庫管理が必要となります。これにより、通常の商品在庫に加えて、ラッピング資材の在庫を追跡・管理する必要が生じ、在庫管理の複雑化につながります。また、ラッピング資材の在庫切れが発生すると、顧客に対して期待していたサービスを提供できないリスクもあります。
3. コスト負担の増加
ギフトラッピングの提供には、ラッピング資材のコストがかかります。このコストをカバーするために、ラッピングサービスを有料にすることが考えられますが、料金設定によっては顧客に負担がかかり、利用を躊躇させる要因となる可能性があります。また、無料で提供する場合には、ストア側の利益が減少するリスクも伴います。
4. トレーニングと品質管理の必要性
ラッピング作業には一定のスキルが求められるため、従業員に対するトレーニングが必要になります。ラッピングの品質が低いと、顧客満足度が低下する可能性があるため、品質管理も重要です。これにより、作業時間の増加や追加コストが発生する可能性があり、ストア運営に影響を与えることがあります。
5. ロジスティクスの複雑化
ギフトラッピングを行うことで、商品のサイズや重量が変わり、配送に影響を与える可能性があります。特に、ラッピングによって商品のサイズが大きくなる場合、通常の配送方法では対応できないことがあり、別途追加料金が発生することがあります。また、ラッピングされた商品の破損リスクも考慮し、適切な梱包が求められます。
それでは、Shopify でギフトラッピングを実装する方法について考察していきます。
Shopify でギフトラッピングを実装する方法
今回は、Shopify の Ajax API とshop
のメタフィールドを用いてギフトラッピングを実装する方法について考察していきます。
Ajax API に関しては、以下の記事が参考になりました。
上記の記事で Ajax API の概要を理解した後は、Shopif の公式ドキュメントを確認していきましょう。
上記の公式ドキュメントの内容をまとめます。
Shopify Ajax APIの概要と活用方法
ShopifyのAjax APIは、オンラインストアのテーマ内で様々なアクションを実行できる強力なツールです。Ajax APIを利用することで、ページのリフレッシュなしにカートの操作や商品情報の取得、関連商品の表示などを実現することができます。以下に、Ajax APIの主なエンドポイントとその活用方法を技術ブログ風に解説します。
Ajax APIの主なエンドポイント
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Cart
- 概要: カート内のラインアイテム、属性、メモを更新するためのエンドポイントです。これにより、顧客がカートに商品を追加したり、数量を変更したり、特定のカスタムメッセージを追加したりすることが可能です。
- 活用例: 商品をカートに追加する際にページをリフレッシュすることなく、カートの内容をリアルタイムで更新表示できます。
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Product
- 概要: カタログ内の任意の商品に関する情報を取得するためのエンドポイントです。このエンドポイントを使用して、商品詳細、価格、バリエーションなどの情報を即座に取得できます。
- 活用例: 商品ページに動的にコンテンツを表示したり、在庫状況に応じて表示内容を変更したりする際に利用できます。
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Product Recommendations
- 概要: 商品ページ上に関連商品を表示するためのエンドポイントです。これにより、顧客が閲覧している商品に基づいて、他のおすすめ商品を提示することができます。
- 活用例: 顧客の購入を促進するために、閲覧中の商品と関連性の高い商品を自動的に表示し、クロスセルやアップセルをサポートします。
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Predictive Search
- 概要: 顧客が検索クエリを入力すると、商品、コレクション、ページ、記事などをリアルタイムで提案するためのエンドポイントです。
- 活用例: 顧客が検索バーに入力する際に、入力内容に応じて即座にサジェストを表示し、よりスムーズな検索体験を提供します。
ドキュメントにあるとおり、Cartを利用すればギフトラッピングを実現できそうですね。
それでは、Cartのドキュメントをみていきましょう。
Ajax API の Cart について
それでは、Ajax API の Cart について確認していきましょう。
以下のドキュメントを参考にしていきます。
Use the POST /{locale}/cart/add.js endpoint to add one or multiple variants to the cart.
In the following example, quantity is the amount of the variant that you want to add and id is the variant ID of that variant. You can add multiple variants to the cart by appending more objects in the items array.
Below is a simplified POST request using the fetch API. The formData object is built in JavaScript, so the Content-Type should be set to application/json in the headers object. The response is the JSON of the line items associated with the added variants. If an item is already in the cart, then quantity is equal to the new quantity for that item.
ShopifyのPOST /{locale}/cart/add.js
エンドポイントを使用すると、1つまたは複数のバリアントをカートに追加することができます。このエンドポイントを活用することで、カートの操作をより柔軟に管理でき、顧客にスムーズなショッピング体験を提供することが可能です。
こちらの API を利用できそうですね。
公式ドキュメントに、以下のサンプルコードがありました。
let formData = {
'items': [{
'id': 36110175633573,
'quantity': 2
}]
};
fetch(window.Shopify.routes.root + 'cart/add.js', {
method: 'POST',
headers: {
'Content-Type': 'application/json'
},
body: JSON.stringify(formData)
})
.then(response => {
return response.json();
})
.catch((error) => {
console.error('Error:', error);
});
つまり、/cart/add.js
に対して、指定の形式のformData
を作成してそれをbody
に渡せば良さそうですね。
body には、商品のvaiantId
を渡すことになるので、shop
のメタフィールド、もしくは商品のメタフィールドにギフトラッピングに使用する商品のvariantId
の配列を渡しておけば良さそうですね。
それを、カートページで取得してAjax API のcart/add.js
のformData
に渡すことになりそうです。それでは次に、メタフィールドの設定方法について解説していきます。
商品メタフィールドの設定方法
それでは、商品のメタフィールドに variantId
の配列を設定していきましょう。
設定のサイドバーのカスタムデータを選択して下さい。
商品を選択しましょう。
商品のメタフィールドの定義の右上から、定義を追加するをクリックしてください。
以下のように入力項目を埋めて下さい。
データのタイプにはJSONを設定しましょう。
JSON スキーマには、以下のように入力してください。
{
"variantIds": []
}
ここまでの設定が終了したら、右下の保存をクリックしてください。
これで、メタフィールドの定義は終了です。
後は、設定したメタフィールドをもとに Ajax API を叩けば、ギフトラッピングの実装ができるかと思います。
ここからは、非エンジニアの方にむけて、Shopify アプリを用いてギフトラッピングの実装を行う方法について解説します。
Shopify アプリを用いてギフトラッピングの実装を行う方法
それでは次に、Shopify アプリを使ってギフトラッピングの実装を行う方法について解説していきます。
今回紹介するのはシンプルギフトラッピング|お手軽ギフト包装アプリです。
以下が、アプリストアになります。
以下の記事が参考になりました。
こちらのアプリの機能について解説していきます。
シンプルギフトラッピング|お手軽ギフト包装アプリの機能
シンプルギフトラッピング|お手軽ギフト包装アプリは、非常にシンプルな Shopify のギフトラッピングアプリです。
以下が、公式のご利用ガイドになります。
以下の画像のように、カートページでギフトラッピングの追加注文を簡単に実現できます。
また、表示するギフトラッピングの種類や価格を簡単に設定できます。
恐らく、設定した商品をshop
のメタフィールドに格納して、カートページの Ajax API からアクセスしているものと思われます。
非常にシンプルで安価なギフトラッピングアプリです。Shopify ストアにギフトラッピングを導入する際には、選択肢の一つになるかと思います。
最後に
ここまでで、Shopify の Ajax API とメタフィールドを用いてギフトラッピング機能を実装する方法と、Shopify アプリを用いてギフトラッピングを実装する方法について解説しました。
お疲れさまでした。
参考記事
以下が、参考記事になります。
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