CKAを受験したら色々トラブルが発生した話

2023/09/20に公開

概要

本記事のテーマは 「筆者がCKA(Certified Kubernetes Administrator)を受験したときに発生したトラブルと解決方法」 です。
勉強方法などはたくさんネット上にあると思うので、この記事では受験時に起きたトラブルをまとめてみました。

(急いでいる人へ)対処法まとめ

これさえ覚えておけば、CKA-JPは安全に受験できる(はず)

この記事について

誰向け?

◎ CKA をこれから初めて受験する方
〇 リニューアル前に CKA を取得して、そろそろ更新の時期が近付いている方
〇 海外ベンダー主催のオンライン資格試験を受験予定の方
△ すでに直近で CKA を取得した方
× 英語めちゃくちゃできるしオンライン資格試験もめちゃくちゃ受けたことある方

背景

先日、CKA を受験し、無事に合格したのですが、個人的には CKA そのものよりも、試験受験までこぎつけるほうがはるかに困難であった(個人の感想です)ため、この記事を作成しました。
海外ベンダー主催のオンライン資格試験を受験するのは初めてであったことに加えて、CKA自体も2022年6月に試験体制をリニューアルしたことから、インターネット上の受験体験記などと実情に乖離が発生していたため、トラブルが続出しました。
これから受験する方が一人でも多く、ノンストレスで受験に臨めるよう、この記事が役立つとうれしいです。

あるもの・ないもの

本記事は、 以下の内容を含んでいます

  • CKA を受験するまでの手続き
  • CKA 受験までのプロセスでぶつかったありとあらゆるトラブルと解決方法
  • CKA 合格までの勉強内容・勉強時間まとめ(かんたんに)

本記事は、 以下の内容を含みません

  • Kubernetes 自体の技術的な内容
  • CKA の問題に関する解説
  • その他、技術的な解説・知見など

本題:CKA受験(トラブル)体験記

トラブルその1 そもそも申し込めない

CKAを受験しよう!と思い立ったその日に、CKA を提供している LinuxFoundation から申し込みました
https://training.linuxfoundation.org/ja/certification/certified-kubernetes-administrator-cka-jp/

が、カード決済が成功しない。
うせやろ!と思いつつ、手持ちのカードをすべて使ってチャレンジしてみました。
MasterCartは・・・・・・だめ。
Visaも・・・・・・だめ。
JCBなら・・・・・・やっぱりだめ。
全て「決済に失敗しました」的なメッセージが出て、支払いを完了することができませんでした。

もしや、あのペンギンカードを持っていないと申し込めない・・・!?

と思ったのですが、そんなことはなく、LPIJapanというNPO団体から申し込むと、無事に決済が成功しました。よかった。
https://lpi.or.jp/k8s/exam/


トラブルその2 身分証明書が読めない

さて、申し込み後はひたすら勉強して、受験日当日を迎えました。
インターネット上で公開されている、先人たちのCKA合格体験記を読み漁っていたため、以下のものはしっかりと準備していました!

  • きれいな部屋・デスク
  • 身分証明書(マイナンバーカード / 予備として免許証)
  • でかめのモニター
  • パッケージフィルムを剥がしたいろはす
  • カメラ付きマイク

カメラは、ELECOM社から発売されている、お気に入りの“wanco”をセレクトしました!
https://www.elecom.co.jp/products/UCAM-C525FBPN.html

受験者向けドキュメントシステム要件チェックページ、受験環境チェックツールなどを確認し、こちらのカメラで問題ないことも確認できました。

これで、かわいらしいカメラと一緒に、リラックスしながら受験できる準備が整いました(フラグ)

全ての準備を完了し、受験ページに向かい、試験用の環境を起動しました。
受験開始が15:00だったのですが、CKAは予約時刻の30分前から試験環境に入ることができますので、私は14:30に入室しました。

入室後、身分証明書と顔写真の撮影があります。
まずは身分証明書を撮影するぞ!と、準備しておいたマイナンバーカードを撮影しました。
が。

ピントが合わない。

そう、私が「かわいらしいカメラで、リラックスしながら受験できるはず!」と浮かれて選んだwancoには、フォーカス機能がついていませんでした。

受験のドキュメントにもピント機能については書かれていなかったはずなので(読み飛ばしていた可能性はあります)
当時の私は「罠だ!」とショックを受けました。
が、冷静に考えると、身分証明書を撮影するならフォーカス機能は必要だわな。
みなさんは気を付けてください。[1]

これは余談ですが、マイナンバーカードのフォントは撮影に適していないように感じました。
明朝体ですので、文字のラインの太細がバラバラなため、カメラで読み取りにくいのかなーと考察しています。
筆者の居住地域の免許証は、フォントにゴシック体を採用しているため、マイナンバーよりも読み取りやすく感じました。


トラブルその3 試験官が入室しない

まあここまで来てしまうともうどうしようもないですよね!
「この写真じゃ受験できなさそうだなー」とうっすら思いつつ、とはいえ今日のためにせっかく準備してきたので、ダメもとで受験ができないかチャレンジしてみることにしました。

そのままピントが合わない写真を提出し、試験官の方の入室を待ちます。
写真撮影が終わったのは 14:45ごろ。
テスト自体は、試験官の方が入室次第開始されます。
15分以内には入室するよ!との説明があったので、おとなしく15分待ちます。
・・・こない。
とりあえずもう15分待ってみます。
・・・こない。

不安になってきたため、チャットで問い合わせてみたところ、テクニカルサポートの方がチャットに応答してくれました。
ですが、話が何かすれ違う。

うおろぼえのやりとり詳細

筆:筆者 テ:テクニカルサポートスタッフ

筆「30分以上同じ画面なのですが、開始までどのくらいかかりますか?」

テ「こんにちは。まずは状況について教えてください。」

筆「テスト環境に入室して、30分経過しましたが、特に画面が遷移しません。」

テ「なるほど、環境をリロードしてください。」

筆「やりましたが、変化がありません。」

テ「ではこのリンクに従って、セットアップ(か何か、うろ覚え)を実施してください。」

筆「開けません。プロセスが立ち上がりません」

テ「何のブラウザを使っていますか?バージョンも教えてください。」

筆「バージョンは確認できません。試験環境を開いているせいで、プロセスが立ち上がりません。」

※CKAの試験環境は、ほかのプロセスが立ち上がらないように端末に制御をかけてくるようになっているため、チャットしながらリンクを開く、ということは不可能なのです。

私は「いつテストが始まるのか」が知りたいのですが、テクニカルサポートスタッフの方にはその状況が伝わっていなさそうです。
おそらく「テスト画面がフリーズして30分待ちぼうけ食ってる哀れな受験者」だと思われていそうです。
アンジャッシュのコントじゃねえんだぞ・・・

今思うと私が「試験官が入室しません」といえばよかったのですが
このチャットがすべて英語であること・私の英語力はょゎょゎであること・試験前で緊張度がマックスであることが重なり、うまくコミュニケーションが取れませんでした。
そしてテクニカルサポートの方から 「コールセンターに電話してくれ」 と告げられます。
英語が喋れないことをチャットで伝えますが、「コールセンターに電話してくれ。そうすればあなたの問題は解決する。」の一点張り。
英語が絶望的な筆者にとっては最悪の展開でした。

どうしようかな・・・と悩んでいると、なんと、奇跡的に試験官の方が入室!事なきを得ました。

~時系列まとめ~
14:30 試験環境を立ち上げる
14:45 写真撮影完了。試験官入室待機
15:15 試験官が入ってこないので問い合わせ
15:30 試験官入室

つまり試験官が入ってくるまでに15分以内のはずが、 45分 かかりました。
試験前でめちゃくちゃ緊張していたので、結構しんどかったです。

あとから調べると、CKA-JP の受験者が混み合う時間、つまり日本時間での昼間は

  • 試験官が入室しない
  • 試験環境につながらない
    といったトラブルがつきものだそうです。
    2度目の受験では、朝2時の枠を予約したところ、試験官の方が3分で入室していらっしゃったので
    可能な限り、夜中・早朝の枠を予約したほうがよさそうです。

さて、オペレーターさんからは「コールセンターに電話してくれ」と何度か伝えられました。
受験後気づいたのですが、何か問題があった場合、US在住の受験者以外はコールセンターに電話する必要がない、とのことです。
が、少なくとも私をサポートしてくださったスタッフの方はこのルールをご存じでないようでしたので、代替手段があるかは謎です。
受験者のマイページに「問題があったらチケット起票してね!」とあるので、チケット起票が代替手段なのかも。
受験者ハンドブックより抜粋

ちなみにこの後は普通に、試験官の方に「この身分証明書画像では受験させてあげられないよ~」と断られ、私の CKA 初受験は幕を閉じました。
ここでも「コールセンターに電話してくれ!」と言われましたが、割愛します。


トラブルその4 受験結果が返ってこない。

さて、初回の試験はまさかの受験までたどり着けないという結果となりました!ワハハ!

というわけで、気を取り直して2回目の予約にチャレンジします。
CKA は2回までチャンスがあるので、お金は発生しません。
1回目の試験結果が返却され次第、2回目の試験を予約することができます。
試験結果は受験終了から24時間以内に返却されるとのことです。

・・・が、48時間たってもマイページの表示が採点中のままでした。
色々調べてみると、24時間以内に結果が返ってこない場合は、チケットを起票するとよいそうです。
チケットを起票すると、8時間ほどでお返事が返ってきました。

「あなたの受験ステータスを未受験に戻しました。1回目の権利も返却します。」

な、なんだって!?
なんと、1回目の受験ステータスも無かったことにしてくれました!
私がかわいいカメラを使おうとしたせいなのに・・・寛大な対応に感謝です・・・!
チケット対応は非常にスピーディーだったので、困ったことがあったらサクッとチケットを起票してしまえばよさそうです!

振り返り

さて、私の CKA 初受験は、なかなかトラブルまみれになりました。
おそらく英語力 or オンライン試験の受験経験のいずれかがあれば、問題なく受験できたのかと思います。
また、CKA リニューアル後なのでドキュメントに書いてある内容が不十分だったり、オペレーターさんに浸透していなかったりするのかな?とも思いました。

再受験では、トラブルの経験を活かして、フォーカス機能付きのカメラを準備し、朝2時に受験することで問題なく受験できました。
今後も今回の経験を生かして、資格試験をトラブルなく受験できるよう準備したいと思います・・・!

みなさんのCKA受験におけるトラブル防止に、この記事が少しでも役に立つとうれしいです。

おまけ

トラブル未満 KillerShell 残しておけばよかった

Killer Shell ( CKA に申し込むとついてくる演習環境。2回まで使える ) を1回目の受験前に2回分使い切っていました。
まさかトラブルで受験できないとは想像していなかったので、1回分残していなかったことを悔やみました・・・

番外編

初回受験があまりにトラブル続きだったので、いろんなトラブルを調べてみました。

こちらの記事によると、関西圏から受験するとえげつない遅延が発生したとのこと。
https://you-it-blog.hatenablog.com/entry/2022/07/23/(CKA_CKAD共通)新しいプラットフォームのCKA試験を受けた

癒されたのはこちら。
受験環境にネコがいても問題ないか?との問い合わせと答え。ほっこりしちゃいました。
https://uzimihsr.github.io/post/2021-09-14-cka/

他にもなかなか想像できないトラブルがたくさんあったので、受験前には合格体験記だけでなく、トラブルについても検索したほうがよさそうですね。

教材・勉強時間など

本題とは関係ないのですが、受験前に一番気になるであろう情報も一応載せておきます。

教材は、やはりudemyのCKAの講座がおすすめです。
演習環境がついてくる・カバー範囲がCKAとぴったり、というのが強みだと思います。
セール中は2000円を切るくらいの価格になるので、これで十分だと思います。
https://www.udemy.com/course/certified-kubernetes-administrator-with-practice-tests/
あとはKiller Shellをやっておけば、合格ラインに達するかと!

勉強期間は3カ月、勉強時間は90時間ちょっとぐらいでした。
わりと無駄な勉強(yamlの項目整理とか)もやっていたので、効率が悪い人でそのくらいだと思います。
無駄なく勉強すれば、おそらく60~70時間くらいで十分かと。

脚注
  1. これに関してもちろんwancoはなにも悪くなく、今回のケースでは合わなかっただけです。むしろかわいい上にオンライン会議で使う分には申し分ない機能なので、かわいいガジェットがお好きな方にはお勧め。 ↩︎

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