ラズパイでサーボモータを制御(PCA9685)
はじめに
電子工作ではサーボモータを制御する機会が結構あります。そこで今回はラズパイでサーボモータを制御したいと思います。
ただ、ラズパイはサーボモータを制御するためのPWMが使えるGPIOの数が少ないためI2Cでサーボモータを制御できるサーボモータドライバ(PCA9685)を利用したいと思います。
PCA9685を使うと16個のサーボモータをI2Cで制御できるようになります。価格もAmazonで2個で1,000円台と安価で入手できます。
さらに今回は前回の記事「ラズパイでゲームパッドの入力を取得 🎮 」と組み合わせて、ゲームパッドでサーボモータを制御できるようにします。
今回使うもの
ラズパイ - Raspberry Pi 3 Model B
ワイヤレスゲームパッド - JC-U4113SBK
サーボモータドライバ - PCA9685
サーボモータ - TG9e
Python 3.9.x
Adafruit_PCA9685のインストール
PCA9685をPythonで使うためにライブラリをインストールします。
aptでインストール
$ sudo pip3 install adafruit-pca9685
回路図
「ラズパイ」→「PCA9685」→「サーボモータ」の順に信号が流れます。
ラズパイ と PCA9685
PIN1(3.3V PWR) - VCC
PIN2(5V PWR) - V+
PIN3(I2C SDA) - SDA
PIN4(I2C SCL) - SCL
PIN6(GND) - GND
PCA9685 と サーボモータ
PWM - PWM
V+ - V+
GND - GND
PCA9685でサーボモータを制御するプログラム
まずはサーボモータを単体で動かしてみます。
関数の説明
pwm.set_pwm()
pwm.set_pwm(チャンネル, 0, パルス幅) のように使います。
チャンネル:PCA9685の0〜15あるチャンネルを指定します。今回は0チャンネルにサーボモータをつないでいるので0を渡す。
0:長くなるので割愛します。とりあえず0を渡せばOK!
パルス幅:サーボモータの種類によっても変わるのですが今回はパルス幅150〜650(サーボモータの角度0〜180)を渡す。
import Adafruit_PCA9685
import time
# PCA9685初期設定
pwm = Adafruit_PCA9685.PCA9685()
pwm.set_pwm_freq(60)
def main():
while True:
pwm.set_pwm(0, 0, 150)
time.sleep(1)
pwm.set_pwm(0, 0, 650)
time.sleep(1)
if __name__ == '__main__':
main()
プログラム実行
$ sudo python3 test.py
【応用】ゲームパッドでサーボモータを制御
ゲームパッドのジョイスティックでサーボモータを制御してみます。
プログラムは「ゲームパッドの入力を取得」→「ジョイスティックの値を変換」→「変換した値をPCA9685に渡す」という流れになっています。
※ゲームパッドの入力を取得する方法は前回の記事「ラズパイでゲームパッドの入力を取得 🎮 」をご覧ください。
import pygame
import Adafruit_PCA9685
# pygame初期設定
pygame.init()
joystick = pygame.joystick.Joystick(0)
joystick.init()
# PCA9685初期設定
pwm = Adafruit_PCA9685.PCA9685()
pwm.set_pwm_freq(60)
# ジョイスティックの出力範囲をサーボモーターの出力範囲に変換
def map_pca9685(val):
in_min = -100
in_max = 100
out_min = 150
out_max = 650
return int((val - in_min) * (out_max - out_min) / (in_max - in_min) + out_min)
# ジョイスティックの出力範囲を調整
def map_axis(val):
val = round(val, 2)
in_min = -1
in_max = 1
out_min = -100
out_max = 100
return int((val - in_min) * (out_max - out_min) / (in_max - in_min) + out_min)
# ジョイスティックの出力範囲を調整(L2 R2ボタン)
def map_axis_t(val):
val = map_axis(val)
if val <= 0 and val >= -100:
in_min = -100
in_max = 0
out_min = 0
out_max = 50
return int((val - in_min) * (out_max - out_min) / (in_max - in_min) + out_min)
else:
in_min = 0
in_max = 100
out_min = 50
out_max = 100
return int((val - in_min) * (out_max - out_min) / (in_max - in_min) + out_min)
def main():
while True:
# イベントチェック
if pygame.event.get():
gamepad_data = {
"joy_lx": map_axis(joystick.get_axis(0)),
"joy_ly": -map_axis(joystick.get_axis(1)),
"joy_rx": map_axis(joystick.get_axis(3)),
"joy_ry": -map_axis(joystick.get_axis(4)),
"joy_lt": map_axis_t(joystick.get_axis(2)),
"joy_rt": map_axis_t(joystick.get_axis(5)),
"hat_x": joystick.get_hat(0)[0],
"hat_y": joystick.get_hat(0)[1],
"btn_a": joystick.get_button(0),
"btn_b": joystick.get_button(1),
"btn_x": joystick.get_button(2),
"btn_y": joystick.get_button(3),
"btn_lb": joystick.get_button(4),
"btn_rb": joystick.get_button(5),
"btn_back": joystick.get_button(6),
"btn_start": joystick.get_button(7),
"btn_guide": joystick.get_button(8),
"btn_joyl": joystick.get_button(9),
"btn_joyr": joystick.get_button(10)
}
# ゲームパッド(左ジョイスティックのx軸)を取り出しPCA9685に渡す。
pulse = map_pca9685(gamepad_data["joy_lx"])
print(pulse)
pwm.set_pwm(0, 0, pulse)
if __name__ == '__main__':
main()
プログラム実行
$ sudo python3 test.py
終わりに
ゲームパッドでサーボモータを制御できるようになりました!そうするとラジコンカーのステアリングはこれで制御できますね!
次回はゲームパッドでDCモータを動かしてみたいと思います。
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