【プログラマー必見】ソフトスキルを学べる書籍まとめ
はじめに
本記事を読んでいるあなたは、「ソフトスキル」を知っているだろうか?YouTubeや書籍等で一度聞いたことがあるものの、具体的にどのようなものを指しているのかわからない人も少なくないだろう。
ChatWorkの記事によると、ソフトスキルは以下のように定義されている。
ソフトスキルとは、目に見えない定性的なスキルのことを指します。
そのため、ひとつの基準に基づいて定義することが非常に難しいとされているスキルでもあります。
一例をあげると、コミュニケーション能力や協調性、リーダーシップ力などがあげられ、個人の特性によりスキルの高さが決まります。
ビジネスにおいては、業務における評価基準が明確なハードスキルと合わせて、ソフトスキルも必要とされています。
要は、ソフトスキルはコミュニケーションなどのような明確な定義が難しいスキルである。ソフトスキルはハードスキルと対比される。ハードスキルとは、仕事における評価基準が明確なスキルを意味する。私たちプログラマーが使っているプログラミングやデザインスキルは、ハードスキルの代表的な例だ。
なぜ、「ソフトスキル」が重要なのか?
これに対する答えは2つある。
良質な開発に必要だから
プログラミングのようなハードスキルは明確な答えがあるゆえに、勉強すれば誰でも習得できる。一方で、コミュニケーション等のソフトスキルは明確な正解や基準がない。
例えば、エンジニアリングの仕事はコードをひたすら書くことだけで成り立っているわけではない。
- わかりやすい仕様書を書く
- 他人にその技術を選んだ理由をスライド形式で発表する
- 他のプログラマーやデザイナーに的確な指示を与える
- 相手の感情に配慮しながらコードレビューをする
など、様々な物事が複雑に関連しあって成立している。上述で列挙されている物事については明確な正解がない。ただ、上述で列挙されている物事は良質な開発を進める上では非常に重要である。
私たちが業務として携わっているエンジニアリングとソフトスキルには相互的に関連している。上述の箇条書きで列挙したことはあくまで一例にすぎないものの、良質な開発を進めるための必要条件だ。
スキルの汎用性が高いから
ソフトスキルは原則、どの場所でも通用するスキルだ。コミュニケーション等のスキルはいつどこでも十分に通用する。これは会社員に限定することだが、転職してエンジニアリング関連の職業を離れても、コミュニケーション等のスキルはどのような仕事でも重要なので簡単に活かせる。
要旨
ソフトスキルには多種多様な定義があるので、本記事ではソフトスキルを以下のように定義する。
「コミュニケーション、思考術や文章術を中心に、その人と一緒に働きたいと思ってもらえるようなスキル」
今回の記事では、プログラマー向けにソフトスキルを学習できる書籍を以下のジャンルでまとめた。
- コミュニケーション
- 思考術
- 文章術
- その他(時間術・マインドセットなど)
コミュニケーション
良質なコミュニケーションはエンジニアリングに必要不可欠である。最低限でも本章に紹介しているものは絶対に読んでおくべき。
人を動かす
コミュニケーションの聖書。対人関係における原則を具体的なエピソードを交えて丁寧に解説されている。良質な人間関係を構築する上で大事なことをこの1冊で学べる。
人は話し方が9割
日本で売上100万部を突破した数少ないビジネス書。相手が自分の話に耳を傾けてくれたり、相手に面白い話をしたりする上でおさえておきたい原則や具体的なテクニックがまとめられている。内容もそれほど難解ではないので活字が苦手な人にも読みやすい。
LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
人の話を聞くことの重要性が強調されている。私たちのほとんどは、人の話を聞いているようで実はまったく聞いていない。聞き方の小手先なテクニックだけではなく、「人の話を聞くこと」の重要性を根本から問い直してくれる。
人の話を聞くことは、良質な人間関係を構築するためには必要なことである。
他者と働く 「わかりあえなさ」から始める組織論
組織内での円滑なコミュニケーションを学ぶ上で一番重要なことを教えてくれる。「わかりあえないこと」を前提に組織内のコミュニケーションにおける問題を分析し、それに対する解決策を「準備」「観察」「解釈」「介入」の4つのステップにまとめて徹底解説している。
会社員で組織内のコミュニケーションが上手く行かなかったり、人間関係に嫌気が差したりするときに非常に役立つ。私は本書を通して、自分と他者は決して完全にわかりあえないことを十分に認識した上で、他者に配慮したコミュニケーションを取ることが非常に重要であることを学んだ。
コーチングのすべて
心理学の実験や数多の参考文献、実験に基づいてコーチングの歴史・意義、効果的なコーチングの原則や具体的なテクニックについて丁寧に解説されている。
組織内において上司の立場で、部下に対しコーチングする機会がある人は本書を読んでみるといい。コーチングがわからない、具体的なイメージが思いつかない場合はとりあえずこの一冊で十分である。
ありのままの自分で人がついてくる リーダーの習慣
本書は洋書を翻訳したものだが、洋書によくある冗長な具体例と余計なエピソードが一切削がれていて要点だけを的確にまとめられている。
本書はリーダー向けに重要なマインドセットについて徹底解説されているものの、本書で書かれている内容はリーダーではない人でも十分に実践できることが多い。
リーダーになったけど何すればいいのかわからない人はもちろん、自分の普段の仕事や生活に対する態度を改めたい人にオススメできる。
リーダーのための経営心理学--人を動かし導く50の心の性質
心理学や脳科学の研究や文献をベースに、人事、組織・マネジメント等に応用できる「人を動かす」方法について丁寧に解説されている。タイトルにもあるように、経営者向けに書かれているものの、書籍の内容はどんな人でも活用できる。
仕事することは人間を相手にすることと同じである。人間の心理の構造を理解することが良質な仕事につながることを説いている。
なぜ人と組織は変われないのか
数多の参考文献や実験結果をベースに、「人間を変えること」の難しさとその対処法を丁寧に解説されている画期的な書籍。私の人間に対する固定観点を根底から破壊してくれた重要な一冊。
例えば、本書は以下のような問題や悩みを解決してくれる。
- 上司の立場にある人で、自分の指示通りに部下が動いてくれない場合
- 自分で勉強したり、ダイエットしたりすることが必要だとわかっていてもすぐに行動に移せない場合(いわゆる、「わかっているのにできない」状態)
本書は人間の心理や行動を変える上で具体的かつ効果的なアクションプランを提示している。
「わかること」と「できること」には雲泥の差がある。個人的には、何度でも読み返すべき重要な本。「何か変わりたいけど行動に移せない」と思っている人は全員本書を読むべき。
余談だが、本書籍はYouTuber兼経営者であるマコなり社長のチャンネルでも読むべき書籍の一冊として取り上げられている。
思考術
アナロジー思考
問題解決の方法を検討する上でのプランをわかりやすく提案している。本書では、アナロジー(Analogy)はある物事と別の物事を組み合わせる問題解決策を生み出す思考法」というように定義されている。
問題解決のやり方・アイデアがわからない人はとりあえず本書を読んでおこう。
思考力の地図 論理とひらめきを使いこなせる頭のつくり方
問題解決に必要な思考スキルを図解でまとめられている。図解やイラストが豊富に使われており、かつその使い方を具体例を交えて丁寧に解説されている。活字が苦手な人や読書に時間を割けない人にオススメ。私は本書を通して、自分の思考プロセスを文章化したり、図解に変換したりすることの重要性を学んだ。
文章術
考える技術・書く技術
論理的な文章を書く上での原則やテクニックを本書一冊でまとめられている。「論理的に物事を考えること」を根本から問い直しており、図や具体例、まとめを使って文章の書き方を丁寧に解説している。私は本書の内容を生かして大学のレポートを書いたら、教授から見事に最高評価を貰うことができた。
この書籍の内容は、私の技術記事の書き方や発信の仕方に多大な影響を与えている。
「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
文章術に関する書籍は数多く存在しているので、どれを読むべきかわからない人は少なくないだろう。そのような人はとりあえず本書さえ読んでおけば問題ない。効果的な文章を書く上でのポイントをランキング形式で説明しており、優先度の高いポイントから順番に解説している。
わかりやすい文章を書く上で一番重要なことは、たくさん文章を書くことしかない。本書に書かれていることはあくまでテクニックにすぎないので、実際に書かれているテクニックを踏まえてやってみることが非常に大事である。文章を書く能力は、知的労働に従事している私たちにとってはもっとも重要なスキルだ。文字で情報を伝える能力は知的労働を支えている最も重要な要素である。
その他(時間術・マインドセットなど)
GRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣
「感謝」を問い直し、相手に適切に感謝を伝える上で重要なアクションプランを徹底解説している。誠心誠意の感謝は良質な人間関係を構築する上で欠かせない。この世の中に「されて当たり前」というものはない。「感謝の精神」こそ人生で最も大事にするべきことだと気付かされる。感謝を伝えるスキルや習慣は優先して磨くべきである。
感謝の意味を表す「ありがとうございました」がうわべだけの挨拶になっている人にこそ絶対に読んでほしい。
限りある時間の使い方
巷で話題になっている生産性を上げるテクニックや時短術を徹底的に批判し、時間の使い方を根本から問い直している画期的な書籍。生産性を上げることが、必ずしも人生の幸福につながるとは限らないことを気付かされる。
私は本書を通して、次のようなことをやめた。
- 小手先のテクニックだけで人生をよりよくしようとすること
- 生産性や成果に固執すること
- 無駄なことやダラダラすることに対してネガティブなイメージを持つこと
- 自分が時間を使う上での優先順位を考えないこと
生産性や成果に疲れている人は絶対に読むべき。私の時間に対する価値観を根底から破壊した書籍である。
時間最短化、成果最大化の法則
仕事だけではなく、日常生活の改善でも役立つヒントが書かれている画期的な書籍。私の場合は、日々の生産性を上げるためというより、むしろ自分の行動パターンを改善するために本書の内容を活用した。
本書は他の凡百もある自己啓発書とは一線を画しており、
- 誰にでもわかるような言葉・事例
- 滑稽なエピソード
この2つが的確に書かれており読者を飽きさせない工夫がなされている。自分の行動・思考パターンを少しでも改善したいものの、どうすればいいのかわからない人は読んで損はない。
余談だが、本書の著者は北の達人コーポレーションのCEOである木下勝寿。
これはあくまで一個人の見解に過ぎないが、上場企業の経営者で、かつ現役のWebマーケターとして最前線で活躍している人の裏話を2,000円以内で聞けるのは非常にありがたい。
1%の努力
著者は2ちゃんねる創設者である西村博之。彼の経験談から、賢く上手に行動するためのヒントが丁寧に解説されている。易しい言葉で丁寧に解説されているのがポイント。
- 今やっていることが本当に必要なことかどうかを考えること
- もののニーズと価値を検討すること
- 積極的に自分のポジションを取ったり、意見を伝えたりすること
本書は私たちに、このような、当たり前であるがゆえに軽視されがちなことを再度考え直してくれる。
ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集
古代ヘブライ語聖典の1つである「タルムード」の教訓を、実生活に活かすためのヒントが徹底解説されている。「タルムード」に書かれている教訓は、私たちの普段の行動や思考パターンを改善する上で非常に役立つ。
余談だが、本書はYouTuber兼経営者である両学長 リベラルアーツ大学のチャンネルで、お金に関連した独自の価値観や哲学を語る上でよく取り上げられる書籍だ。
おわりに
今回の記事では、プログラマー向けにソフトスキルを鍛える意義とそれを行う上でおすすめの書籍を紹介した。本記事が読者のソフトスキルを改善するきっかけになれば非常に幸いである。
余談
コミュニケーションはすべての仕事・人間関係の原点にして頂点。何回でも見直す価値のあるもっとも重要なスキル。
本記事で紹介している書籍は、すべて10代の頃の私に間違いなくオススメする。
参考サイト
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