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なぜ日本じゃなくて香港で起業したのか - AI・ブロックチェーン・量子の受託開発会社を8年運営してみて

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こんにちは!2017年に香港でAI、ブロックチェーン、量子コンピューティングの受託開発会社を立ち上げて、早いもので8年が経ちました。

よく聞かれるのが「なんで日本じゃなくて香港で起業したの?」という質問。確かに、日本人なのになぜ香港?って思いますよね。

でも実際に8年間やってみて、この選択は本当に正解だったと心から思ってます。今日は、なぜ香港を選んだのか、そして実際にどうだったのかを、リアルな体験をもとにシェアしたいと思います。

🚀 起業当初:香港のビジネス環境に驚愕

めちゃくちゃシンプルな会社設立

2017年、香港で会社を設立した時の手続きの簡単さには本当に驚きました。日本だと何ヶ月もかかりそうな手続きが、最小限の書類でサクッと完了。

そして何より、税制がシンプルで安いんです:

  • 最初の200万香港ドルまで:8.25%
  • それを超える分:16.5%

日本の法人税率(約30%)と比べると、これだけでもう全然違います。スタートアップにとって、初期の税負担が軽いのは本当にありがたかった。

規制が「実用的」

特に印象的だったのが、香港のAIやブロックチェーン規制のアプローチ。

日本だと「まずは規制ありき」みたいな感じが強いけど、香港は「実際に使ってみて、必要に応じて調整していこう」という実践的アプローチ

ブロックチェーンも、投資家保護は重視しつつ、イノベーションを阻害しないバランスを大切にしてる感じで、新しい技術を試しやすい環境でした。

💰 2024年の衝撃:パテントボックス制度

これはマジで衝撃でした。2024年7月に始まった「パテントボックス」という制度。

ソフトウェア著作権から得られる利益に対して、たったの5%の税率が適用されるんです。

受託開発で作ったソフトウェアのライセンス収入や譲渡益が、5%の税率で済む。これって、知的財産をメインにしてる僕らにとっては革命的でした。

しかも、日本の企業に著作権を譲渡する時、源泉徴収も消費税もかからないという日香租税協定のメリットも。日本市場をターゲットにしてる僕らには、これ以上ない条件でした。

🌏 中国市場へのアクセスが最強

香港の一番の魅力は、やっぱり中国本土市場へのゲートウェイとしての役割。

「広東・香港・マカオ大湾区」構想で、データや人材、資金の移動がどんどん円滑になってて、中国の大企業との協業がめちゃくちゃやりやすい。

中国のAI市場やブロックチェーン市場の成長スピードは半端じゃないので、ここにアクセスできるのは本当に大きなアドバンテージでした。

👥 人材の多様性がヤバい

香港には世界トップクラスの大学が5校もあって、国際的な人材プールが豊富。

僕らのチームも、アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジア、そして日本出身のメンバーで構成されてます。しかも日本語ができる現地スタッフも多いので、日本企業とのやり取りもスムーズ。

給与水準は確かに高いけど(AIエンジニアで年収480万〜540万円、ブロックチェーン開発者で1,600万円くらい)、その分優秀な人材が集まるので、クオリティの高いプロジェクトができてます。

🏗️ 政府のサポートが半端ない

香港政府のI&T(イノベーション・テクノロジー)への投資額がエグい。

過去5年間で1,500億香港ドル超の投資。しかも、100億香港ドルの産業指向型ファンドや、研究開発費の助成金制度など、具体的な支援策が充実してる。

香港サイエンスパークでは最大600万香港ドル(約1億円)の助成金があったり、コワーキングスペースの賃料免除があったり、実際に使える支援が多いんです。

😅 もちろん、課題もある

米国の輸出規制

量子コンピューティングや一部のAI技術に関して、米国の輸出規制があるのは事実。

でも僕らは、技術スタックを多様化することで対応してます。アメリカの技術だけに依存しない開発体制を作ることで、リスクを分散させてる感じです。

決済システムの制約

月間の取引量に制限があったり、信用状が使えなかったりと、決済面での制約はあります。

でも複数の決済手段を組み合わせることで、実務的には問題なく運営できてます。

📊 日本との比較で見えてきたこと

8年間やってみて、日本で起業していたらどうだったかな、とよく考えます。

日本の課題

  • レガシーシステム地獄:多くの日本企業がまだ古いシステムに縛られてて、新しい技術の導入が進まない
  • デジタル人材不足:優秀なエンジニアの取り合いで、人件費が高騰
  • 硬直的な組織文化:年功序列、縦割り組織、失敗を恐れる文化が、DXの足を引っ張ってる

もちろん日本にも良いところはたくさんあるけど、新しい技術をスピード感を持って事業化したい僕らにとっては、香港の方が圧倒的に有利でした。

🎯 結論:香港を選んで本当に良かった

8年間を振り返ると、香港を選んだことで:

低い税率で利益を最大化
知的財産優遇で収益構造を改善
中国市場への効率的なアクセス
国際的な人材でチーム力アップ
実用的な規制でイノベーション加速
豊富な政府支援で成長を後押し

これらのメリットを享受できました。

もちろん、どこで起業するかは人それぞれだし、事業内容によっても変わると思います。

でも、グローバルに展開したい先端技術系の受託開発を考えているなら、香港は本当におすすめです。

🚀 これからの展望

2025年も、香港をベースにしながら、さらなる技術革新を追求していく予定です。

特に量子コンピューティングとAIの融合分野は、香港科技大学との連携もあって、ワクワクする研究が進んでます。

もし香港での起業に興味がある方や、質問がある方がいたら、気軽にコメントやDMください!

実際の体験談をもとに、できる限りお答えします 😊


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