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実際のサービスをアクセシビリティチェック!~イベント準備・学び・その後の変化~

2023/10/31に公開

2023/07/27 SmartHRさんと合同でアクセシビリティイベントを開催しました。
https://smarthr.connpass.com/event/287816/
本記事は、そのイベントの

  • 開催に至るまで
  • 開催時の学び
  • その後の変化

について明かしちゃいます⭐️

  • イベント開催してみたいけどどうやればいいの?
  • 実際のサービスではどんな点でアクセシビリティ改善をできるの?
  • イベントをするとどう変化するのだろう?

なんて考えがある方に参考になるかもしれません...!

それでは本題にレッツラゴー🚗

どうやって開催に至ったか

たまたまSmartHRさんのアクセシビリティイベントに参加したのがきっかけでした。

25人程度、オフラインということもあり、これなら気軽に楽しく参加できるかも、とふらりとイベントに。
https://smarthr.connpass.com/event/281827/

LT終了後の交流の時間、もじもじしていた私を、ビリ友のムロさん(@murokaco)が、SmartHRさんのプログレッシブデザイングループマネージャー /アクセシビリティスペシャリストであるますぴーさん(@masuP9)の元に連れて行ってくれました。

すると、偶然にも弊社のCTO工藤さん(@masaya_dev)が数日前にSmartHRさんの他のイベントに参加しており、その時のこと覚えててくださって話が盛り上がりました(工藤さんナイス!)。

私の方からも弊社のアクセシビリティの現状をお話しして、そこで、ますぴーさんの方から
「イベント、やってみる?」
とお声がけいただきました。

翌日、早速工藤さんに相談し、以前にも弊社で開催したことあるミートアップという形なら慣れてるしいいかもね、と言うことで開催決定!

イベント内容

弊社のサービスをアクセシビリティチェックしていただきました。
具体的には、SmartHRさんのアクセシビリティスペシャリストであり、先天性の視覚障害者(全盲)を持つ辻さん(@KatsutoshiTsuji)に普段ご自身が使っているスクリーンリーダーを用いて、弊社のサービスの健康診断の予約〜結果を見るところまでを使って、どこが改善できるか、この状態だとどうなるのか...などを見ていただきました。

準備

どの機能を見てもらうかを選定

まずはイベントに向けて弊社のサービスのどの機能をテストしていただくか、下記の視点で選定しました。

  • アクセシビリティを特に要しているのはどこか
    • よく使われる
    • 色んな人が使う
    • フォームなどのインタラクティブ要素が多く使い勝手を求める

現状を確認

テスト箇所を決めた後は、メンバーと協力して実際にスクリーンリーダーを用いながらその機能を利用してみました。その際、下記の視点で見ていきました。

  • 全く使えないということはないか
    • いざ本番になって、全く使えなくてイベント5分で終了✌イエーイ、は困るので全く使えない、という状態がないことを確認
  • 詰まりそうなところはあるか
    • 本番で困った時にガイドできるように確認
  • 質問したいことはないか

いざ本番

本番の様子をちらり。
ますぴーさんと辻さんが前に出て会社の紹介をしている写真
辻さんと私が前に出て弊社のサービスをアクセシビリティチェックしている写真

テストで分かったこと

色々ありますが、ここでは複数回出た内容や、印象的だったものを挙げます。

見出しをつけよう

ページのヘッダー、テーブルの見出しがなくてページの構成理解に苦しんでいるところがありました。
適切なhタグの使用、テーブルならcaptionタグをつけるなど、機能ごとにタイトルをつけるように改善していきます。

要注意、見た目だけで表すひらがな・カタカナ

氏名のふりがなの記入欄で、ひらがなで書くのか、カタカナで書くのかが分からず戸惑う場面がありました。
見た目上は「ふりがな」という文字がひらがなで書いてあるため、ひらがなで書くのだろうと予測できますが、スクリーンリーダーはどの文字で書かれてるのかは読み上げなかったためです。

「ひらがな」であることを明記するように修正しました。
ふりがなという見出しとともに「ひらがな」という表記がしてある氏名記入欄の画像

プレイスホルダーがわかりづらい

スクリーンリーダーがプレイスホルダーの値をそのまま読み上げており、既に記入がされていると勘違いする場面がありました。

住所を記入する欄のプレイスホルダーに「東京都渋谷区1-2-3」と書いてある画像

「例」であることがわかる文言を付け足すと良いそうで、弊社では「例)」を付け足して修正しました。

その他の感想や学びは、twitterのハッシュタグ「#smarthr_a11y」で検索するといろんなコメントが出てくるので気になる方は見てみてください🕵️‍♀️

イベント後の変化

イベントから約3ヶ月経った今、さまざまな変化が見えました。

色んな部署でのアクセシビリティへの理解が進む

Devではアクセシビリティが少しずつ浸透していたものの、全体定例で初めて「アクセシビリティ」という言葉が出た時には他部署からは「アク...セ...何?」といった反応でした。が、イベント後は色んなメンバーから「アクセシビリティ」が上がるようになりました!

  • Salesから「商談でアクセシビリティのイベントの話で盛り上がったよ!」の声
  • CEO室からアクセシビリティの情報共有
    CEO室のメンバーがExcelのアクセシビリティ情報を共有してくれたSlackのスレッド画像
  • Professional Service部からアクセシビリティに関するユーザーの意見共有
    Professional Service部からアクセシビリティについてユーザーから出た意見を紹介しようとしているslackのスレッド画像
  • PjMがアクセシビリティ輪読会に参加
    下記は輪読会中のスレッドですが、来年4月から「『合理的配慮』の義務化」がされることについて話し合い、どう進めていけるかをPjMが相談しつつ、それに集ってメンバーがPjMにゴマすりしている様子です🧈
    PjMが輪読会に参加して法律の改正に伴ってプロジェクトをどう進めていくかを相談している様子と、それに集ってPjMに「よろしく」とメンバーが言っているコメントが映ったslackのスレッド画像

アクセシビリティ改善の実装がさらに進む🍚

このイベントで出た改善点を他のメンバーが速攻で改善PRを上げてくれたり、
今までアクセシビリティに馴染みがなかったメンバーからも普段の実装の中でアクセシビリティの観点がよく出るようになりました。

  • イベントで出た改善点をフロントメンバーが速攻で改善してくれた
    健康診断予約フォームの項目でふりがながひらがなであることを明記、プレイスホルダーが例であることをわかりすくしたPRの画像
  • 普段の実装相談で主にサーバーサイドを担当するエンジニアがアクセシビリティについて自ら提案してくれた
    ある部分を変更するとテーブルの構造が良くなくなるかも、とサーバーサイドエンジニアがデザイナーに提案しているslackのスレッド画像

さいごに

さいごに感謝と私のぼやきを...。

まずは、協力してくださった皆さま、イベントに参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
おかげでスムーズに会が進められたのと、私にはない視点からアクセシビリティについて学ぶことができ、本当にいい会になりました。
特に、イベントの形を諸々考慮して1年越しに実現を可能としてくれた工藤さん、イベントを提案してくださったますぴーさん、絶望していた私を励ましながら一緒に準備をしてくれたあやのんさん(@ayama007)にスペシャルサンキューーー🫵(尾形風に読んでくださいネ)

ここからは私のぼやきですが...

実はアクセシビリティチェックは、このイベントとは全く別に、1年以上前に実施の案が出ていました。が、その時はいろいろな状況を踏まえて実施は見送りに。
そこから1年以上経ってから、普段行かないアクセシビリティのイベントに参加したら、たまたま弊社CTOがイベントの方と先日話しており話が盛り上がり、意図せずアクセシビリティチェックのイベントの話が進み....。偶然に偶然が重なり実現できたイベントであり、どこで何が起こるかわからないものだなぁとしみじみ感じている2023年の秋です🐚🍂

実現したいことは、計画するのではなく、色んな新しいものを試しているうちに突然たどり着くものである、みたいなことが最近読んだ本に書いてありました(確かそんな感じ)。それを実感できたイベントになり、今後は毎日変化を大切にして生きていこう、とここで勝手に誓います👼

イベントを経て、弊社ではアクセシビリティの改善がますます行われていますが、まだまだ課題が残ってますので、あたり前田のアクセシビリティの世界に向けて引き続き頑張っていきたいと思います🌏

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