Zenn
📌

Adam 最適化アルゴリズムとは?

2025/03/03に公開

1. Adam の概要

Adam(Adaptive Moment Estimation) は、機械学習や深層学習で広く使われる最適化アルゴリズムです。簡単に言うと、

勾配の移動平均を活用して、学習率を自動調整する方法 です。

通常の勾配降下法(SGD)は一定の学習率を使いますが、Adam は各パラメータごとに最適な学習率を決めて更新します。これにより、収束が速くなり、調整が少なくて済む というメリットがあります。


2. Adam の仕組み(直感的な説明)

Adam は 「勾配の平均」「勾配の大きさの平均」 を計算し、これを基に重みを調整します。

🔹 具体的に何をしているの?

  1. 過去の勾配の平均を計算(1次モーメント) → 「どの方向に動くべきか」
  2. 過去の勾配の大きさの平均を計算(2次モーメント) → 「どれくらいの大きさで動くべきか」
  3. これらを使って、学習率を調整しながらパラメータを更新

つまり、小さな変化なら少しずつ、大きな変化なら素早く動く という特徴を持っています。


3. Adam の特徴(メリット・デメリット)

メリット

  • 学習率を自動で調整 → 最適な値を見つけやすい
  • 収束が速い → 大規模なモデルに向いている
  • 勾配が不安定でも安定して学習可能

⚠️ デメリット

  • 収束後、最適な値に落ち着かないことがある
  • 余計な振動を起こすこともある(対策: AdamW などを使う)

4. 実装例(Python / PyTorch)

簡単なコードで動作を確認しよう!

import torch

# 1つの学習パラメータ W を用意
W = torch.tensor(2.0, requires_grad=True)

# Adam を設定(学習率 lr=0.01)
optimizer = torch.optim.Adam([W], lr=0.01)

# 損失関数(例: W を 3 に近づける)
loss = (W - 3) ** 2

# 勾配を計算し、重みを更新
loss.backward()  # 逆伝播
optimizer.step()  # パラメータの更新
optimizer.zero_grad()  # 勾配をリセット

ポイント:

  • loss.backward() で勾配を計算
  • optimizer.step() で Adam を使って重みを更新
  • optimizer.zero_grad() で次のステップのために勾配をリセット

5. 改良版の AdamW

Adam の問題点(過学習しやすい)を改善したのが AdamW です。

optimizer = torch.optim.AdamW([W], lr=0.01, weight_decay=0.01)

これを使うと、より一般化しやすいモデルを作れます!


6. まとめ

手法 学習率を自動調整 収束が速い 安定した学習
SGD(通常の勾配降下法)
Adam
AdamW

Adam は深層学習の最適化で非常に使いやすい方法ですが、より精度を求めるなら AdamW などの改良版も試してみると良いでしょう!

最適化手法を理解して、より良いモデルを作りましょう! 🚀

Discussion

ログインするとコメントできます