CMYKカラーの画像から色を反転させないconvertの方法
概要
例えばIIIFを用いた画像配信において、CMYKカラーの画像に対して、ImageMagickで以下のような変換処理を行うと、色が反転するケースがありました。
convert source_image.tif -alpha off -define tiff:tile-geometry=256x256 -compress jpeg 'ptif:output_image.tif'
元画像
(布LAB.で公開されている画像を利用させていただいています。)
Image Annotator(神崎正英氏作成)での表示例
これは、Cantaloupe Image ServerやIIPImageなどのイメージサーバ、および、Image AnnotatorやMirador, Universal Viewerなどのビューア側の問題ではなく、作成されるtiled TIFFs画像に問題があるようです。
本記事では、この問題への対応方法について説明します。
背景
同様の不具合は、以下の記事など、いくつかの場所で報告されていました。
解決策として、今回は以下を参考にしました。
-colorspace sRGB
を追加するようです。
変換
tiled TIFFsを作成するコマンドは以下を参考にします。
具体的には、以下です。
convert source_image.tif -alpha off -define tiff:tile-geometry=256x256 -compress jpeg 'ptif:output_image.tif'
上記をCMYKカラーの画像に対してそのまま実行すると、冒頭で紹介したように、反転した画像が表示されました。
なお、Image ServerにはCantaloupe Image Serverを使用していますが、IIPImageなどでも同様の事象が確認されました。
修正した変換コマンド
以下のように、-colorspace sRGB
を追加します。
convert source_image.tif -alpha off -colorspace sRGB -define tiff:tile-geometry=256x256 -compress jpeg 'ptif:output_image.tif'
結果、以下のように、色が反転せずに、Image AnnotatorなどもIIIF対応ビューアでも表示されるようになりました。
参考
画像表示の確認にあたり、MiradorやUniversal Viewerでは、IIIFマニフェストファイルのURLを入力することが一般的ですが、Image Annotatorでは、画像のURIを入力することができます。
以下のサイトにアクセスして、
https://www.kanzaki.com/works/2016/pub/image-annotator
以下のような画像のURIを入力してみます。wellcome collectionの画像を利用させていただいています。
https://iiif.wellcomecollection.org/image/b20432033_B0008608.JP2/info.json
結果、以下のように、画像表示を行うことができます。
まとめ
IIIFを用いた画像配信にあたり、参考になりましたら幸いです。
Discussion