Romaを用いてカスタマイズしたrngファイルを作成する:使用するTEIタグを限定する
概要
本記事では、Romaというウェブアプリケーションを用いて、 TEI ODD (One Document Does-it-all) のカスタマイズを試みます。
TEI ODDについては、以下の公式サイトをご確認ください。勉強不足により、私自身も十分に理解できておりません。
ただ一つの用途として、TEIを用いたプロジェクトにおいて、使用する(具体的には、補助や検証を行う?)タグを限定することができます。
これにより、大量に用意されたTEIのタグに悩んでしまう、といった課題を軽減することができそうです。
今回は、以下で紹介した、ExcelからTEI/XMLを作成するフローで使用するタグを想定して、Romaを用いたodd/rngファイルのカスタマイズを行ってみます。
使用するタグ
本ユースケースでは、以下のタグを使用します。
-
テキスト関連
- pb
- ab
- lb
- seg
- choice
- orig
- note
- reg
-
画像関連
- facsimile
- surface
- label
- zone
上記のタグに限定したodd/rngファイルを作成します。
Romaの使用
Romaにアクセスします。
「SELECT ODD」において、「TEI Minimal」を選択してみます。
設定画面において、Titleなどを修正します。特に、Language関係の2項目を日本語に設定することをお勧めします。
例えばab
タグなど、各プロジェクトで使用するタグのみを選択していきます。
編集が完了したら、「RelaxNG schema」を選択してダウンロードします。
合わせて「Customization as ODD」もダウンロードしておくことをお勧めします。このODDファイルをRomaのトップ画面のフォームからアップロードすることにより、追加の編集ができました。
XMLファイルへの追加
ダウンロードしたtei_excel.rng
ファイルを、編集対象とするXMLファイルと同じ階層に置いた場合には、以下のように<?xml-model ... ?>
を追記します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<?xml-model href="tei_excel.rng" schematypens="http://relaxng.org/ns/structure/1.0" type="application/xml"?>
<TEI xmlns="http://www.tei-c.org/ns/1.0">
<teiHeader>
...
</teiHeader>
...
</TEI>
一方、githubなどのサーバにアップロードした場合には、以下のように、URLの形式で指定することもできます。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<?xml-model href="https://raw.githubusercontent.com/nakamura196/test2021/main/tei_excel.rng" schematypens="http://relaxng.org/ns/structure/1.0" type="application/xml"?>
<TEI xmlns="http://www.tei-c.org/ns/1.0">
<teiHeader>
...
</teiHeader>
...
</TEI>
XMLファイルの編集
この状態で、body
タグの直下で<
を入力すると、以下の選択肢が表示されました。Romaで選択したタグのみが表示されています。
参考までに、tei_all.rng
を設定した場合の選択肢の例を示します。addSpan
やalt
タグなど、より多くのタグが表示されています。
このように、Romaを用いて各プロジェクトで使用するタグを限定することで、タグ入力の煩雑さを軽減することができそうです。
まとめ
ODDおよびRomaではより多くのことができるはずですが、とりあえず、プロジェクトで使用するタグのみに限定したODD/rngファイルを作成することができました。
ODDファイルのカスタイズ方法やRomaの使い方などにおいて、本記事が参考になれば幸いです。
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