4o → 5 の料金比較
導入:なぜ料金比較が必要なのか
多くの企業がChatGPTが登場した頃から生成AIを業務に取り入れ始めました。しかし「企業データが外部に残るのでは」という懸念もあり、透明性が高く制御しやすいAOAI(Azure OpenAI Service)を採用する動きが広がりました。
弊社が参画した案件でも、コスト面を重視してGPT-4oや4o-miniを選択するケースが多くありました。また埋め込みモデルについても、当初はadaを使っていた企業が、現在はtext-embedding-3系に移行しています。
そして現在、GPT-5が登場し「切り替えるべきかどうか」が再び議論されています。単純なチャットやプロンプティングだけであれば従来モデルでも十分ですが、AIエージェントなど高度な推論が必要な場面ではGPT-5への移行検討が現実味を帯びています。
こうしたモデル選定において、最も大きな論点のひとつが「コスト」です。そこで弊社ではGPT-4o系とGPT-5系の料金を比較しました。
比較対象となるモデルの整理
GPT-4o、4o-miniは2024年5月13日に登場し、速度・コスト・精度のバランスの良さから広く導入が進みました。
一方、GPT-5は、サム・アルトマンCEOが
「GPT-3は高校生、GPT-4は大学生、GPT-5は博士号レベルの専門家」
と例えたように、推論能力がさらに向上しています。これに加えて、4o-miniの後継としてGPT-5-miniも提供されています。
そこで本記事では、「GPT-4o/ 4o-mini」と「GPT-5/ GPT-5-mini」の料金を比較し、導入検討の参考になる情報を整理します。
金額比較(イメージ)
入力/出力トークン単価(1M tokensあたり)
| モデル | 入力 (1M tokens) | 出力 (1M tokens) |
|---|---|---|
| GPT-4o | $2.50 | $10.00 |
| GPT-4o-mini | $0.15 | $0.6 |
| GPT-5 | $1.25 | $10 |
| GPT-5-mini | $0.25 | $2 |
※2025年9月28日時点(AOAI)
利用シナリオ別コスト試算(例:月間 10M tokens利用時)
| モデル | 入力 (10M tokens) | 出力 (10M tokens) | 合計コスト |
|---|---|---|---|
| GPT-4o | $25 | $100 | $125 |
| GPT-4o-mini | $1.5 | $6 | $7.5 |
| GPT-5 | $12.5 | $100 | $112.5 |
| GPT-5-mini | $2.5 | $20 | $22.5 |
※2025年9月28日時点(AOAI)
実務上のインパクト
小規模利用(PoCや部署単位の利用)であれば、GPT-5やGPT-5-miniに変えてもトークンあたりの金額差は大きくなく、影響は限定的です。
一方、FAQシステムやコールセンター連携など大規模に利用している場合は注意が必要です。
GPT-4oを利用している企業は、GPT-5に変更した場合、入力単価は下がり、出力単価は変わらないため、システム上の影響がなければコストメリットを得られる可能性があります。
しかし、miniモデルについては入力・出力ともに単価が上昇するため、簡単なタスクで4o-miniで精度が十分な場合は、そのまま使い続ける方が賢明です。
導入判断のポイント
-
GPT-4o → GPT-5
精度検証を行い、期待する結果に問題がなければ、むしろコスト削減につながるため切り替えを検討する価値があります。 -
GPT-4o-mini → GPT-5-mini
コストは上がってしまいます。そのため、例えば「4o-miniでは10件中8件失敗してしまう」ようなケースで精度改善を狙う場合には、追加コストを許容して切り替える意味があります。
まとめ
-
通常モデル(4o → 5):精度に問題がなければ移行を検討するのが望ましい。
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miniモデル(4o-mini → 5-mini):コストが上がるため、精度改善ニーズがなければ現状維持がおすすめ。
今後も生成AIの動向や実務活用の観点を発信していきたいと思います。ご精読ありがとうございました。
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