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生成AIのユースケースをまとめる

Tanner / テナーTanner / テナー

背景と目的

背景

  • 生成AIの活用を行っていく兆しは様々な企業で存在しているが、どのように使うことが効果的であるかが分からないことが多いのが現状
    • GPT-4リリース当初に頻繁に企業にて導入された「社内利用環境の構築」は範囲に含めずに業務効率化の施策や新規サービスの構築などを焦点とする

目的

  • 画像生成AIや文章生成AIの活用を中心に、各企業がどのような活用を行っているかを知ることで今後の活用イメージを持てるようにする

文章生成AIのユースケース

法務業務

Klarnaの法務部門がChatGPT Enterpriseで業務効率化

Klarnaの法務部門は、生成AIの力を最大限に活用して、業務効率を大幅に向上させています。具体的には、ChatGPT Enterpriseを使用して一般的な契約書の初稿を作成することで、契約書作成にかかる時間を劇的に短縮しています。

KlarnaのシニアマネージングリーガルカウンセルであるSelma Bogren氏は、「大手法律事務所は一般的な契約書のテンプレートを提供するだけで非常に良いビジネスを展開してきました。しかし、ChatGPTはテンプレート以上のもので、かなりカスタマイズされた契約書を作成することができます」と述べています。

従来、契約書を一から作成するかテンプレートを使用しても、1時間程度の時間がかかっていました。しかし、ChatGPTを活用することで、初稿をわずか10分で微調整することが可能になりました。もちろん、特定のケースに合わせた調整は必要ですが、それでも1時間かかる作業が10分に短縮されるのは大きな効率化です。

このように、Klarnaの法務部門は生成AIを活用することで、時間とリソースを節約し、より戦略的な業務に集中できるようになっています。これは、AI技術が法務分野においても革新的な変化をもたらしている好例です。

営業支援業務

Sansanによる商談相手リサーチ機能のリリース

Sansanは、営業DXサービス「Sansan」内の「Sansan Labs」に、GPTを活用した新機能「AI人物プロフィール」を実装しました。この機能は、商談相手の企業名と氏名を入力するだけで、AIがウェブ上の情報を収集し、相手の経歴や仕事内容を要約します。

従来、営業担当者は商談前に相手の経歴や仕事内容を調べるため、多くの公開情報から必要な情報を収集する必要がありましたが、このプロセスは時間と労力を要していました。「AI人物プロフィール」は、この負担を軽減し、最新かつ必要な情報を迅速に提供することで、営業活動の効率化を図ります。

Sansan Labsは、名刺データや企業情報を活用し、営業活動の効率化や社内コラボレーションの活性化を支援する実験的な機能を提供しています。この新機能により、商談相手の情報を網羅的に把握し、効果的な営業活動を支援します。

マーケティング業務

KlarnaのコミュニケーションチームがChatGPTを活用して業務効率化

Klarnaのコミュニケーションチームは、生成AIを活用して業務の効率化を図っています。具体的には、ChatGPTを使用して、Klarnaについて書かれたプレス記事が会社にとってポジティブかネガティブかを公平に評価しています。

Klarnaのコミュニケーション部門責任者であるFilippa Bolz氏は、「メディアモニタリング会社は少なくとも15年間、『感情』分析を自動化しようとしてきましたが、しばしば盲目のサルがダーツを投げるよりも良い結果を得ることができました。しかし、ChatGPTを使用して構築したツールは私たちの期待を超えました!数秒で各記事の本当に客観的な分析を提供し、ターゲットオーディエンスそれぞれに対して明確に理解され、共感されるようにコミュニケーションを行うのに役立っています」と述べています。

このように、Klarnaのコミュニケーションチームは、生成AIの活用により、迅速かつ正確な記事分析を行うことができ、各ターゲットオーディエンスに適切なメッセージを届けるための強力なツールを手に入れています。これにより、コミュニケーションの質と効果が飛躍的に向上しています。

Klarnaのコピーライティング業務における活動

生成AIはマーケティングコピーの作成にも節約をもたらしています。KlarnaはAIを活用したコピーライティングツール「Copy Assistant」を構築し、すべてのコピーライティングの80%をAIで行っています。

講談社現代新書による生成AIの書影作成

  • PR施策の実施として、ユーザーがオリジナルな書影を作成することができるWebサービスの作成
  • SNSでも話題になり、公開から約2週間で17万件の書影が作成されていて、ハッシュタグへの投稿者は約3万人に到達しているとのこと。

ジョージアによる画像から音楽を作成するPR施策

日本コカ・コーラは、コーヒーブランド「ジョージア」の新キャンペーンを2024年2月26日から開始しました。このキャンペーンでは、PETボトルコーヒーのラベル裏にメッセージが隠されたデザインにリニューアルされ、「香りに癒やされたら、景色が変わって見えた。毎日って、けっこうドラマだ。」をテーマにしています。

さらに、新機能「AIソングメーカー」を「毎ドラ部」でローンチ。写真をアップロードすると、AIが歌詞とジャケット画像を生成し、オリジナルソングを楽しめます。これは、ユーザーが日常の一瞬を音楽として残す新体験です。

また、「うさまる」とのコラボLINEスタンプの無料配布や豪華賞品が当たるキャンペーンも実施します。今回の取り組みで、「ジョージア」はコーヒーを通じて五感を刺激し、日常にワクワクをもたらす体験を提供します。

Suzuriによる生成AIデザインTシャツの作成機能

GMOペパボは、オリジナルグッズ作成サービス「SUZURI byGMOペパボ」に、新機能「スリスリAIラボ」を導入しました。この機能は、画像生成AI「Stable Diffusion」を使って簡単なテキストから画像を生成し、そのままグッズを作成できるというものです。これにより、ユーザーは自分のアイデアを簡単にグッズにする楽しさを体験できます。

「SUZURI byGMOペパボ」は、これまでにも多様なクリエイターに支持されてきましたが、画像の用意が難しいという声もありました。そこで、テキストを入力するだけで画像を生成し、アイデアをグッズにできる「スリスリAIラボ」を提供することで、画像制作のハードルを下げ、より多くの人々が「ものづくり」の楽しさを感じられるようにしています。

今後も生成AIを活用して、クリエイターの創作活動を支援し、作品を広く届けることを目指しています。著作権侵害への懸念にも対応し、通報制度を設けるなど不正対策も強化しています。これからも新機能やコラボレーションを通じて、誰でも簡単に創作を楽しめる環境を提供していきます。

人事業務

ECサイトにおける活用

メルカリの類語検索支援

例えば、「LOUIS VUITTON」というブランドは、日本語においては「ビトン」「ルイヴィトン」「LOUIS VUITTON」などで検索されている。

もともとは、**ひとつひとつの呼称を「CSVに単語を登録」して検索の意図を判定していた。**これをAIで「このキーワードはそのブランドを表す単語か?」を自動判定できるようにしたと。

じゃらんの生成AIチャットボットによる旅行プラン提案

ユーザーが自然言語で入力した文章をもとに最適な旅行先やホテルを提案する。「東京から電車で2時間で行けて。。。」のような曖昧な検索が可能。2024年4月時点で数万人が利用しているらしいが売上情報については不明

ミス・パリの生成AIチャットボットをECサイトに導入

商品データを与えた生成AIを活用することによって、ユーザーのニーズをもとに最適なメニューの提案ができる体験を構築。

自社の商品データを事前に与えたAIシステムを構築している。

クラウドファンディングのReadyForによる「過去の支援履歴に基づいたおすすめプロジェクト」レコメンド配信

OpenAIの埋め込みモデルでプロジェクト類似性を判定し「過去の支援履歴に基づいたおすすめプロジェクト」をメルマガで配信し、CVRが通常メルマガの2〜17倍

グロービスが提供する「学び放題プラン」の利用者に対するコースの提案

グロービス・デジタル・プラットフォームは、ユーザーの曖昧な学習ニーズに応じて最適な学習コースを提案するAIチャットボット「学びナビ(β)」を開発しました。ユーザーは、漠然とした学びの目標や不安を自由に入力するだけで、AIとの対話を通じて自分にぴったりのコースを見つけることができます。

例えば、「独立しても困らないスキルを身に付けたい」と入力すると、AIがその意図を解釈し、適切なコースを推薦します。さらに、推薦理由を尋ねると、AIが詳細に説明してくれるため、納得して学習を始められます。

リリース後、ユーザーはトップページや検索ページから簡単にチャットボットを利用でき、特定のタイミングでチャットボットからのメッセージが表示されるなど、自然な対話体験が設計されています。利用者からは「AIの推薦で興味を持った」「推薦理由が分かると安心」といった好意的なフィードバックが寄せられています。

このAIチャットボットは、対話を通じてユーザーの学びをサポートし、より具体的な学習計画を立てる手助けをする、新しい学習体験を提供します。

Amazonの対話型チャットボットで購入や検索、購入履歴についての質問などができるRefusのリリース

アマゾンは、生成AIを搭載した会話型ショッピングアシスタント「Rufus」を全米のAmazonショッピングアプリの顧客に拡大提供すると金曜日に発表しました。Rufusを使用することで、顧客は過去の注文を確認したり、商品のアップデートについて尋ねたり、アイテムを比較したり、商品の詳細をレビューしたりすることができます。同社によると、これまでにRufusには「数千万件の質問」が寄せられているとのことです。

参考:

https://www.aboutamazon.com/news/retail/how-to-use-amazon-rufus

WalmartがECサイトにおいて、検索精度の向上を目的に生成AIを活用

WalmartはGenerative AIを活用し、顧客が希望の商品を迅速に見つけ、確信を持って購入決定を下せるよう支援しています。長年にわたるAI/MLの利用により、自然言語処理(NLP)モデルを構築し、小売業界、特にWalmart独自のニーズに対応する能力を持っています。Generative AI検索を導入することで、顧客の意図を深く理解し、個別化された商品提案を提供します。

新しい検索機能により、顧客は「フットボールの観戦パーティーを計画するのを手伝って」などの自然言語で入力するだけで、関連商品のリストを瞬時に生成し、効率的に商品を選べます。これにより、検索や計画に費やす時間を節約し、顧客の生活を豊かにすることが可能となります。

DayDreamというスタートアップが対話型の検索システムを提供する事業を開始し、5000万ドルの調達を実施

Prestiというスタートアップが家具向けの背景画像生成サービスを提供

カスタマーサクセス

AI活用でメルカリの規約違反商品を効率的に検出

メルカリは、出品物が利用規約に違反していないかを判断するためにAIを活用しています。ユーザーが商品を出品すると、その商品情報はまずAIによって解析され、「違反スコア」が計算されます。このスコアが高い場合、AIが「これちょっと怪しいかも」と判断し、カスタマーサポート(CS)に情報が送られます。その後、CSが最終的に商品の内容をチェックする仕組みです。例えば、ゲームアカウント、偽造品、医薬品などが規約違反として検出される可能性があります。このシステムにより、メルカリは規約違反の商品を効率的に発見し、ユーザーに安全な取引環境を提供しています。

画像生成AIのユースケース

画像制作費用の大幅な削減(Klarna

キャンペーン数を増やし、画像の作成数を大幅に増やしたにもかかわらず、画像制作費用を6百万ドル削減しました。Midjourney、DALL-E、Fireflyなどの生成AIツールを使用し、最終調整にはTopaz GigapixelやPhotoroomを利用することで、2024年第1四半期だけで150万ドルを節約しました。2024年の最初の3ヶ月間で生成AIを使用して1,000以上の画像を作成し、画像開発サイクルを6週間からわずか7日に短縮しました。この加速には、ブランドの一貫性、画像の品質、法的コンプライアンスのチェックも含まれています。

ゲームキャラクター作成においての生成AI活用事例(pixel *game)

画像生成系

Remini

  • 自分の顔写真をアップロードすると、様々なセルフィーが作成できる機能を提供
  • その結果、DL数は約5億回、MAUは1億人