リモートアクセスVPNを構築したいのでWireGuardを調べる
はじめに
自宅内のデスクトップに外部ネットワークから接続するためにリモートアクセス VPN を構築したい。WireGuard が便利らしいので使ってみます。
WireGuard とは?
WireGuard の詳細な説明はWireGuard 公式や他の方の説明力を多分に頼ることにします。
WireGuard の特徴はこちらによくまとまった記事がありました。
セキュリティについてはこちらにわかりやすい動画解説があります。
QuickStart
2 分半ほどの動画ですので、まずそちらから見てみてください。
ざっくり整理
画面左右の Peer A, B でやっていることは概ね同じみたいです。
Peer A に注目すると、
-
秘密鍵(及び公開鍵)を作成
-
「WireGuard 用の Network Interface =
wg0
」を作成する -
wg0
に VPN で利用する IP アドレス(10.0.0.1/24
)を指定する -
wg0
の通信で、WireGuard が利用する秘密鍵を指定する -
wg0
を起動し、wg0
に指定した IP アドレスが10.0.0.1/24
、実際の通信に利用している IP アドレスが192.168.1.1/24
であることを確認する -
Peer B との通信を設定する
6 の時に通信相手となる Peer B の「公開鍵」と「相手の実際の IP アドレス」、「相手の VPN 上の IP アドレス」を紐付けていそう。
上記の設定後、ping が走る時のイメージはこんな感じでしょうか。
元々のネットワーク(192.168.1.0/24
)の代わりに、WireGuard より構築したネットワーク(10.0.0.0/24
)を利用して通信をしているように見えます。
WireGuard の理解
WireGuard を利用することで、Peer A, B の属するネットワーク内に、独立したネットワークが作れるようです。
QuickStart では Peer A の設定に Peer B の実際の IP アドレスを、Peer B の設定に Peer A の実際の IP アドレスを指定していましたが、どうやら片方の方向、例えば Peer A -> Peer B さえわかっていれば、WireGuard はいい感じに Peer B -> Peer A も実現してくれるみたいです。
ただしNAT等を利用している場合は特別な設定が必要とのことご注意ください。
まとめると、WireGuard とは
Peer A -> Peer B の接続が可能なとき、Peer A <-> Peer B の通信が可能なネットワークを構築できるツール
と解釈してもよさそうです。
リモートアクセス VPN
WireGuard を利用すれば Peer A -> Peer B を Peer A <-> Peer B にすることができます。
今回リモートアクセスしたい機器は、どちらも異なる LAN に接続されている想定です。したがって両者からアクセスできる Global IP をもつサーバが 1 つ必要になります。
次の図のイメージです。
単純な手を使えば Peer A -> Peer C -> Peer B と SSH を繋げて行けばよいでしょうし、iptables
などをいじれば Peer A (-> Peer C) -> Peer B も実現できそうです。
おわりに
WireGuard の QuickStart から、WireGuard の役割を整理しました。
VPN という言葉の定義が私の中で曖昧だったですが、
WireGuard を利用すればモダンな VPN の構築ができ、これを応用すればリモートアクセス VPN を構築できる
ということでよさそうです。
もし余裕があれば、 WireGuard と AWS EC2 を利用して、実際にリモートアクセス VPN を構築する手順も整理したいと思います。
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