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エンジニアとしてのキャリアのVSOP

2022/12/06に公開約5,900字

はじめに

こんにちは、nacalです。

この春、GMOペパボ株式会社でキャリアをスタートさせたピカピカの新卒エンジニアです。
社内での研修を夏に終え、事業部に配属されてから早くも3ヶ月が経ってしまいました。

今回、エンジニアとしてのアドベントカレンダーで何を書こうかと考えた時に、キャリアのVSOPを紹介しながら、エンジニアのキャリアとしてこれを捉えたときにどう考えたのかみたいな話を書きたいと思います。

エンジニアとしてのキャリアをスタートさせたばかりの方だけでなく、既にキャリアを形成された方達にもぜひ読んでいただけたらと思います。

キャリアのVSOP

キャリアのVSOPとは、以下のように定義されています。

V: 20代 バラエティ = いろいろなことをやってみよう
S: 30代 スペシャリティ = 専門性を磨こう
O: 40代 オリジナリティ = 自分らしさを確立させよう
P: 50代 パーソナリティ = 人としての魅力、人間力を身につけよう

出典はとある書籍だそうなのですが、ちきりんさんのブログでこれについて読んだことがある方も多くいらっしゃるかもしれません。
https://chikirin.hatenablog.com/entry/20120414

実際に僕がこの考え方を知ったのも、研修を終えて配属される事業部へ配属となった時に、上長からちきりんさんのブログを教えていただいたのがきっかけです。

当時、エンジニアとしてのファーストキャリアをスタートさせた僕が、「エンジニアとして将来どうなって行きたいのか」という質問に対して、明確なビジョンは見えていないという曖昧な回答から、キャリアのVSOPについての話になったと記憶しています。

自分はどちらかと言うと学生時代にはwebフロントエンドという技術領域を中心に好んで開発をしており、入社してからは「webフロントエンドをやっていきたいけど、他の領域もある程度は知っておきたいし、でもあんまり広範囲すぎても全部中途半端になりそうだし...」という将来のエンジニア像が定まりきっていない状態でした。

そんな時にキャリアのVSOPを知り、エンジニアとしてのキャリアプランとしても同様なことが言える、もっというとエンジニアであるからこそより納得ができるものだと感じたのでアウトプットとして紹介をしたいと思います。

エンジニアとしてのキャリアのVSOP

キャリアのVSOPはエンジニアに限らず全ての職種、また職に限らず人生においての考え方のようなものですが、エンジニアとしてどう捉えるかという話をします。

まず前提として、VSOPはそれぞれ20代-50代での話をしていると思いますが、エンジニアとしてこれを置き換えると必ずしも年齢で分けられるものではないと考えられます。

転職等により、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせるのが30代だとしてもバラエティを広げることから始めるのが大切だと思いますし、何も知らない状態からいきなりスペシャリティから身につけられる訳ではありません。(本来のキャリアのVSOPでもそうかもしれませんが)

なのでエンジニアとしてのキャリアのVSOPとしては20代-50代で分けるのではなく、エンジニアとしての等級としてジュニア、アソシエイト、シニア、プリンシパルと置き換えることにします。

また、一般的なエンジニアとしてのキャリアパスとして、特定の分野に対して専門的な知識を有している「スペシャリスト」、一つの分野だけではなく複数の知識や技術を有しており、幅広い業務にも対応ができる「ジェネラリスト」、エンジニアリングの枠を飛び越えた「マネジメント」への転向など、既にある程度確立されたものがいくつか存在します。

更には、学生時代から多くの開発経験を有しており、既にキャリアをスタートさせる段階で何かしらのスペシャリティを身につけている人もいますし、企業の規模などによってはひたすらにスペシャリティを磨くところから始めて、スペシャリストへの道を着実に進み続けるという人も少なくないでしょう。

なので、ここにおいてエンジニアとしてのキャリアのVSOPはあくまでも全員に当てはまる絶対的なものではなく、エンジニアとしてどうなりたいのか明確ではない人たちのキャリア形成の1つの選択肢と捉えてください。

V: ジュニアエンジニア バラエティ

キャリアのVSOPのファーストステップはバラエティです。これは、若いうちに色々なことを経験して、自分が何に向いているのか、何をしているときに喜びを感じられるのかを見つけ出そうという考え方です。

これをエンジニアとして考えたとき、「色々なこと」は各技術領域に置き換えられ、「特定の技術領域に囚われず、様々な分野の開発に触れよう」といったものになると思います。

エンジニアとしてのキャリアをスタートさせる前に、既に自分の適性や一番喜びを感じられる分野を把握できていると思っていたとしても、それは個人開発の範疇を超えずまだ見ぬ自分に出会えていないかもしれません。

例えば、個人開発で触れる範囲では今まであまり興味がなかったとしても、多くのユーザーを抱えるサービスのフロントエンド開発を行うことで新しい喜びを感じられるかもしれませんし、CRE(Customer Reliability Engineering)のような企業でないとなかなか経験できないような開発に興味を持つかもしれません。

ここで言えるのは、エンジニアとしてキャリアをスタートさせるまでの経験に囚われすぎずに、まずは一通りの領域を体験してみようということです。

また、元々のキャリアのVSOPにおいては、職種に囚われていない都合上バラエティ = 人生としての経験が重要であるとされていますが、エンジニアとしては経験のみでなく、知識も今後のキャリアにおいて重要になってくると感じます。

つまり、様々な経験をすることで自分自身の適性を知るだけでなく、各分野における基礎的な知識を蓄えることでシステムの全体像やそれぞれの関係性を知り、よりエンジニアとしての基礎能力を高めることができると感じます。

バラエティは、「様々な技術領域を一通り経験することで、横断的な基礎知識を身につけながら、自分がもっとやっていきたいと思えるものを見つけることに力を注ぎましょう」という風に捉えました。

S: アソシエイトエンジニア スペシャリティ

バラエティを身につけ、横断的な経験と知識を身につけることができた次のステップは、何か1つの領域を極めて専門性を磨くスペシャリティです。

これをエンジニアとして考えると、何かの領域においてなんでも知っている状態で、その技術を利用した問題解決をスムーズに行うことができる状態であると捉えました。

具体的に言えば、ある言語の仕様を完全に理解できている状態や、特定の領域においての判断を技術的根拠を持って行うことができる状態であると考えます。

スペシャリストという存在がいるように、ほとんどのエンジニアがゴールであると最初に考えるのはこの状態ではないでしょうか。(自分もキャリアをスタートさせる前はそのイメージでした)

しかしこれは、エンジニアとしてのキャリアのVSOPにおいてはゴールではなく、逆に言うとアソシエイトエンジニアになるくらいではできていて当たり前という風に捉えられます。

自分なりのスペシャリティを身につけ、現場でも1人の立派なエンジニアとして開発をリードする立場になることがキャリアを進めるための次のステップであると感じます。

また、ここで大切だと感じたのは、バラエティを経験した上でのスペシャリティであるということです。

前項で書いたように、エンジニアとしてのキャリアのVSOPにおいて、バラエティを経験することの重要性は「経験と知識」です。

何かの領域のスペシャリティを身につけようと思ったときに、その領域が本当に自分が人生をかけてやりたいものなのかの判断はバラエティの経験によって発見することができます。

これから先のキャリアを考えたときに、例えスペシャリストという道を目指したとしても、1つの領域以外は専門外なので何も分からないという状態ではなく、他の分野についてもある程度知識を有した上で、特化した分野があるというエンジニアの方が価値があると思いますし、実際にもそういったエンジニアの方が多いと感じます。

スペシャリティは、「特定の技術領域の仕様や活用方法を完全に理解し、それを利用した課題解決を行うことができる状態になりましょう」という風に捉えました。

O: シニアエンジニア オリジナリティ

バラエティ スペシャリティを身につけ、既に仕事をする上では立派なキャリアを積んだ次のステップは自分らしさであるオリジナリティです。

エンジニアとしてのオリジナリティとは何であるのかと考えたとき、技術を用いた新しい価値を生み出すことができる状態であると考えます。

具体例を挙げると、プログラミング言語のコミッターなんかはオリジナリティがあってこそできるものだと感じます。

例えスペシャリティを身につけ、特定の技術領域のことならなんでもわかる状態になっていたとしても、それを活用した新しい価値を生み出すことができないと、これからスペシャリティを身につけていく次の世代との差別化ができません。

エンジニアとして、既存の技術をただ利用するだけではなく、技術そのものの発展に寄与することによって、自分としての価値もあげることができるのではないでしょうか。

ここでもやはり、エンジニアとして新しい価値を生み出すためにはその領域についての深い理解が必要でありスペシャリティを身につけていなければ達成できないものであると感じます。

オリジナリティは、「身につけた技術的な得意分野において、それを課題解決の手段として利用するだけでなく、発展させることで自分にしかない価値を産み出しましょう」という風に捉えました。

P: プリンシパルエンジニア パーソナリティ

ここまででバラエティ スペシャリティに加え、オリジナリティまでに身につけた最強状態になった訳ですが、最後のステップは人格や人間としての魅力となるパーソナリティです。

これに対しては、エンジニアだから特別こういうことが考えられるというものは思い浮かばなかったのですが、どれだけ技術力があるエンジニアだとしても、人間力がないと他のエンジニアをリードして企業を発展させていくことができないということでしょうか。

実際自分の周りにいるプリンシパルと言えるようなポジションのエンジニアは、全員このパーソナリティを持っていると感じます。

技術的な専門性やそれから産み出される新しい価値に対する説得力を持たせるためには、人間としての魅力が必要であり、企業をエンジニアリングでリードする立場であれば尚更それが重視されると感じます。

実際に僕がこのキャリアのVSOPについて納得することができたのも、パーソナリティを持った上長からの言葉であったことが大きかったのかもしれません。(逆に言えばこの記事を読んでくれてる方たちはまだパーソナリティを充分に持っていない自分の言葉ではあまり響かないかもしれません。)

最後の項目でキャリアのVSOPと同じような定義になってしまいましたが、ちきりんさんのブログにも書かれているように「あの人と仕事がしたい」と思ってもらえるようなエンジニアになることが、キャリアとしてのゴールに近いのかもしれません。

パーソナリティは、「エンジニアに限らずどんな職種であっても、一番大切で難しいのは人間力であり、専門性や自己を確立させた上で初めて身につけることができるもの」という風に捉えました。

まとめ

ここまでで、キャリアのVSOPについて、エンジニアとしてどう捉えることができるかにフォーカスして自分なりの解釈をつらつらと書かせていただきました。

その結果、自分の中でのエンジニアとしてのキャリアのVSOPの定義は以下のようになりました。

V: ジュニアエンジニア バラエティ = いろいろ技術領域の知識・経験を身につけよう
S: アソシエイトエンジニア スペシャリティ = 特定の技術領域をマスターし、課題解決ができる状態になろう
O: シニアエンジニア オリジナリティ = 自分だけの発想で技術自体に新しい価値を産み出そう
P: プリンシパルエンジニア パーソナリティ = 確立した専門性や独自性の上に人間力を積み上げよう

この考え方がキャリアに悩む、新米エンジニアの方々への一つの指針になってくれれば嬉しいです。

思ったよりもボリュームいっぱいになってしまいましたがここまで読んでいただきありがとうございました!

🎅GMOペパボエンジニア Advent Calendar 2022 8日目の明日はyanagiさんの記事が公開されます。
こちらも併せて楽しみにお待ちください!

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