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面倒なCMS投稿はAIにおまかせ。MCPを使ったコンテンツ投稿

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前回は、複数のMCPサーバー(Serena,Context7,Playwright)を連携させ、AIと共にTODOアプリを開発するプロセスを紹介しました。

https://zenn.dev/n_san/articles/f432e910c797cf

今回は作成したTODOアプリのユーザー向けマニュアルを作成し、その内容をMCPサーバーを利用してAIに投稿してもらうところまで実践してみます。

準備:投稿するコンテンツの用意

まず、投稿の題材として、簡単なTODOアプリのユーザーマニュアル(USAGE.md)を用意します。

今回はこのユーザーマニュアル作成もAIに依頼しました。README.mdだけでなくプロジェクト全体のソースコードをAIに読み込ませることで、より正確なドキュメントを生成させます。
以下に、実際に使用したプロンプトの例を示します。

プロンプト例:ユーザーマニュアルの作成

このプロジェクトのソースコード全体と`README.md`の内容を解釈し、アプリケーションの全機能を正確に把握してください。
その上で、技術的な知識がないエンドユーザーを対象とした、以下の要素を含むユーザーマニュアルを作成してください。

- このアプリで何ができるかの簡単な紹介
- 各画面要素の役割がわかる説明
- タスクの追加、完了、削除を行うための、ステップ・バイ・ステップ形式の基本的な使い方
- 想定される「よくある質問」とその回答

全体を通して、専門用語を避け、親しみやすい丁寧な言葉で記述してください。

このように、AIを使えばドキュメント作成自体も効率化できますが、今回の記事の主題は、この次に続く「MCPによる投稿の自動化」です。
このプロンプトによって生成された USAGE.md を使って、次のステップに進みます。

MCPによるCMSへの投稿自動化

それでは、本題であるMCPを使った投稿プロセスを見ていきましょう。
ここでのゴールは、先ほど用意した USAGE.md を、コマンドラインから対話形式でCMSに投稿することです。
今回はヘッドレスCMSのNILTOを利用します。

https://www.nilto.com/ja?utm_source=zenn&utm_medium=social&utm_campaign=n_san

MCPアクセストークンの取得

NILTOのMCPサーバーを利用するにはアクセストークンが必要になります。
スペースのサイドメニューからMCPアクセストークンを選択し、MCPサーバーを有効にするボタンを選択します。

するとアクセストークンが生成されるため、トークンをコピーします。

環境構築:MCPサーバーの設定

次に、今回利用するMCPサーバーをGemini CLIに認識させるための設定を行います。
プロジェクトのルートディレクトリにある .gemini/settings.json ファイルに以下の内容を記述します。
<YOUR_ACCESS_TOKEN>と書かれている箇所には、先ほどコピーしたトークンを貼り付けます。

{
  "mcp_servers": {
    "nilto": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "mcp-remote",
        "https://mcp.nilto.com/mcp",
        "--header",
        "X-NILTO-MCP-ACCESS-TOKEN: <YOUR_ACCESS_TOKEN>"
      ]
    }
  }
}

MCPサーバーの起動確認

MCPサーバーの設定が完了したら、Gemini CLIを起動し、サーバーが正しく認識されているかを確認します。
プロジェクトのルートディレクトリで、Gemini CLIを起動してください。

gemini

起動後、チャット内で以下のコマンドを入力します。

/mcp list

このコマンドにより、.gemini/settings.jsonに設定したサーバーの一覧が表示されます。niltoが表示されれば、正しく設定が読み込まれています。

Gemini CLIからNILTO MCP経経由で投稿する

Gemini CLIにNILTO MCPサーバーの情報を設定すると、nilto_create_contentというツールが利用可能になります。これを使って、AIに投稿を依頼します。

プロンプト例

USAGE.mdのファイルを読み込んで、NILTOに投稿してください。

すると、AIはnilto_create_contentの使用許可を求めてくるので許可します。

その後以下のように必要な情報を対話形式で尋ねてくるので、それに答えるだけで投稿は完了します。

これで投稿が完了しました。

実際にNILTOの管理画面を確認してみます。

無事投稿できていますね。

おわり

この記事では、NILTO MCPを使い、AIエージェントからCMSへのコンテンツ投稿をするプロセスを紹介しました。

MCPを活用することで、システムごとのAPI仕様の違いを意識することなく、統一されたインターフェースでコンテンツを操作できます。これにより、手作業によるミスや、システムごとに専用スクリプトを開発・保守するコストは削減されます。

これまで人手がかかっていたCMSへの投稿作業や、既存の複数コンテンツ内文章の一括置換など、MCPサーバーとAIエージェントを組み合わせることで、面倒なCMS作業をAIにおまかせできるようになります。

業務に同様の定型的な投稿作業があれば、MCPによる自動化を検討してみてはいかがでしょうか。

参考文献

https://www.nilto.com/ja/lp/mcp?utm_source=zenn&utm_medium=social&utm_campaign=n_san

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