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情報の再定義

2023/12/31に公開

目的

情報の定義が定まっていないようなので、定義を追加する。

情報

背景世界 (\mathcal{C}, U, s)

情報がやり取りされる世界(現実世界?)を表現するため以下の事項を考える。

  • s ・・・(気持ち:世界の状態を表すもの)
  • U ・・・s\in U(気持ち:世界の可能な状態の集合)
  • \mathcal{C} ・・・対象が集合である圏。U \in \mathcal{C}(気持ち:情報を表現する圏。状態の集合を表すものが対象で、射は状態の一部を切り出す操作。)

(\mathcal{C}, U, s) を背景世界と呼ぶことにする。

情報存在 (R, r)

人間などの情報を保持してやり取りするような存在を表現する。それは、背景世界を投影したものと考える。つまり、r: U \rightarrow Rを考える。この(R, r)を(背景世界(\mathcal{C}, U, s)の)情報存在と呼ぶことにする。

情報 \iota(r(s))

背景世界(\mathcal{C}, U, s)の情報存在(R, r)からの情報を定義する。

\iota: R \rightarrow I\iota(r(s)) を考える。Iを情報表現空間、\iotaを情報射影、\iota(r(s))を(背景世界(\mathcal{C}, U, s)の情報存在(R, r)からの情報射影Iによる)情報と呼ぶことにする。

情報は、多様な表現方法・範囲があり、定義を困難にしていると考えれる。逆に、そのような多様な表現が情報の背景にあると考え、世界を切り出した一部分をある形式で表現したものが情報だと解釈した。それが上記の定義である。

id_{R}も情報射影と見なせる。もっとも、Rが複雑な情報存在の場合、その情報も複雑で扱いにくい。適切な情報表現空間の情報を扱うのがよい。
逆に、(I, \iota\circ r)も情報存在である。情報存在(R, r)Rも情報表現空間と呼ぶことにする。

関係概念

コミュニケーション

情報存在同士のコミュニケーションを定義する。コミュニケーションは複数の情報存在で同じ情報を扱うことである。

情報存在の集合\{(R_\lambda, r_\lambda)\}_{\lambda\in\Lambda}を考える。共通の情報表現空間Iへの情報射影の属(\{\iota_\lambda: R_\lambda \rightarrow I\}_{\lambda\in\Lambda})で、\iota_\lambda\circ r_\lambda: U\rightarrow I\lambdaに寄らないものを考える。このときの、\{\iota_\lambda: R_\lambda \rightarrow I\}_{\lambda\in\Lambda}をコミュニケーションと呼ぶことにする。

このような社会的な事項を表現しやすいように情報存在という概念を導入した。

コミュニケーションの解釈

通常、コミュニケーションは齟齬が発生する。それは、各々が考えている情報に対してコミュニケーションで実際に伝わった情報が一部でしかないためある。

コミュニケーション\{\iota_\lambda: R_\lambda \rightarrow I\}_{\lambda\in\Lambda}を対して、\iota_\lambda = \kappa_\lambda\circ\iota'_\lambdaのように分解を考える。
この\iota'_\lambdaは情報射影である。

コミュニケーションの齟齬は、\iota_\lambda(r(s))\iota'_\lambda(r(s))の違いにより発生すると解釈できる。

情報表現空間の構造

上記の情報の定義は、世界から情報を切り出して情報表現空間の要素に落とし込むのが特徴である。これにより、情報が潜在的に持つ構造を情報表現空間の構造で表すことができる。

時系列構造

時系列構造を情報表現空間の構造で表現する。

例えば、Tを集合とし(時刻を表す\mathbb{R}等)、情報表現空間II=\prod_{t\in T}I_tのように分解できる場合が考えられる。これを緩めて、\coprod_{t\in T} I_t のような分解方法も考えられる。これらの例だと、時刻の分だけ情報表現空間が広くなる。

次のような構造も考えられる。Tは順序集合とする。t \in Tに対して、t以後への射影p^+_t: I\rightarrow I^+_tt以前への射影p^-_t: I\rightarrow I^-_tを考える。s<ts,t \in T)に対して、p^+_{s,t}: I^+_s\rightarrow I^+_tp^-_{s,t}: I^-_t\rightarrow I^-_sがあって、

  • p^+_t=p^+_{s,t}\circ p^+_s
  • p^-_s=p^-_{s,t}\circ p^-_t
  • p^+_{t_1,t_2}\circ p^+_{t_0, t_1} =p^+_{t_0, t_2}
  • p^-_{t_0,t_1}\circ p^-_{t_1, t_2} =p^-_{t_0, t_2}

を満たすとする。この構造を使うと、時刻tピッタリに発生したイベントに対する内容を記載するのを回避できる。

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