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第二種電気工事士試験に挑戦してみた

2022/08/30に公開

近年、エンジニア界隈で取得する人が増えている第二種電気工事士。

この資格を取得すれば、普段からSwitchBotやSESAMEなどを使ってやっている、おうちハック(これとかこれとか)の一環としてできることが増えるのではと思い[1]、僕も取得に挑戦することにしました。

その結果、令和4年度上期の第二種電気工事士試験に合格したので、自分でやった試験対策をまとめてみました。

第二種電気工事士試験

第二種電気工事士試験は年2回、上期(5月〜7月)と下期(10月〜12月)に実施されています。それぞれ筆記試験と技能試験(実技)があり、まず筆記試験に合格しないと技能試験を受験することができません[2]

第二種電気工事士試験に関する情報は電気技術者試験センター(以下、公式サイト)にまとまっています。公式サイトは、試験の申し込みや日程などの情報だけでなく、筆記試験・技能試験の過去問や、技能試験での欠陥例も写真付きで解説されているので、必読です。

筆記試験対策

令和4年度の上期は、受験の申し込みが3月18日〜4月7日、筆記試験が5月29日でした。筆記試験は50問出題されます(マークシート式、120分)。そのうち30問が一般問題、20問が配線図問題(配線図を見ながら解く)で、60点以上で合格となります。一般問題のうち10問程度が計算問題となっているほかは、基本的には暗記が必要となります。

僕は申し込み期間の終了間際に申し込み、Kindle版があってすぐ勉強を始められるこちらの書籍をひとまず購入しました(筆記試験まで7週間)[3]

いちばんやさしい 第2種電気工事士【筆記試験】 最短テキスト&出る順過去問集 改訂新版アソシエイトリンク

合間合間の時間にiPadで1章読んだあと、章末の過去問をスクショして写真アプリのマークアップで回答、という使い方で約1ヶ月かけて終えました。

しかしこの書籍、覚えることに特化していてあまり体系的にまとまってなく、解説がコンパクトで必要最小限になっていて、理論や背景まで把握しないと身につかない自分にはあまり合わなかったため、追加で以下の書籍を購入しました(筆記試験まで3週間)。

2022年版 第二種電気工事士試験 完全攻略 筆記試験編アソシエイトリンク

こちらの書籍は解説が丁寧で、所々に理解を助ける補助的な図や解説も挿入されていてわかりやすく、疑問のまま残るということがありませんでした。巻末には令和3年度の過去問が上期・下期のそれぞれ午前・午後で計4回分が丸ごと掲載されていたので、筆記試験直前に1回分をコピーして本番さながらに模試をしました。ここで80点以上取れたので、安心して本番に臨むことができました。

技能試験対策

筆記試験に合格すると、次は技能試験です。

筆記試験結果の発表(ウェブ)は6月中旬で技能試験は7月下旬です。筆記試験の結果を待ってから技能試験対策を始めるのでは期間が1ヶ月ほどしかありません。試験翌日の5月30日に公表された筆記試験の問題及び解答で自己採点をして86点だったので、技能試験対策を始めることにしました(技能試験まで7週間)。

工具と部材

何はともあれ、工具と練習用部材です。Amazonで検索するといくつかヒットしますが、僕はこちらのHOZANさんのものを購入しました(実際にはDK-28とDK-51のセットが売り切れだったので、それぞれ別で購入)。

ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験工具セット 基本工具+P-958VVFストリッパー DK-28 &ホーザン(HOZAN) 第二種電気工事士技能試験 練習用部材 DK-51 1回セット ハンドブック付アソシエイトリンク

この工具セットには合格クリップという圧着する電線同士をまとめて置ける便利ツールが付属しているのですが、試験会場に持ち込んで却下されたという数年前の記事を見て(実際には使えるが試験官の判断でダメだったらしい)、使わないで練習した結果その方が速くなってしまったので僕は使いませんでした。

電工試験の虎

技能試験の候補問題は例年1月に全13問が公表され、そのうち1問が出題されます。そのため、どの問題が出題されても対応できるようにすべての問題を練習しておく必要があります。

ありがたいことに、HOZANさんがYouTubeチャンネルでとてもわかりやすい第二種電気工事士試験対策の解説動画を多数公開しています[4]

ひとまずここから、2022年度版 P-958の使い方・VVFケーブルのストリップノーカット版 (2021~2017年度対応)を見て工具の使い方を覚えたあと、各候補問題の解説動画を見て練習をしていきました。

解説動画は、まず複線図パートは見ずに複線図を書き起こしたあと答え合わせをして、それから残りのパートを通して見て全体を把握したあと、実際に作業してみるという使い方をしました[5]

時間との戦い

技能試験は制限時間40分で、とにかく時間との戦いになります。そこで、候補問題の練習も時間を測ってやりました。

問題No. 1回目 2回目 3回目
1 0:54:04 0:29:07 0:23:54
2 0:46:48 0:26:51
3 0:36:03 0:27:03 0:19:30
4 0:37:00 0:28:47 0:23:47
5 0:35:27 0:25:45
6 0:36:18 0:26:00
7 0:40:29 0:28:39 0:27:07
8 0:34:32 0:22:32
9 0:29:46 0:23:40
10 0:27:57 0:26:00
11 0:34:52 0:21:34
12 0:30:13 0:22:50
13 0:25:34 0:24:13

一番初めにやったNo.1の1回目の時点では14分オーバーでこれはヤバいぞと感じたのですが、それでも練習を続けていくうちに作業にも慣れ、追加部材を購入しての2回目が終わる頃には全問30分を切れるようになっていました。最後に、余った部材で時間が長めにかかっていた問題を再度練習しました(技能試験まで2日)。

今回技能試験の本番ではNo.1が出題されたのですが、過去最速の約18分で作品を完成させることができ、残り20分強を欠陥の確認に充てることができました。

欠陥対策

制限時間と同様に技能試験で重要なのが、欠陥がないように作品を完成させることです。欠陥があると作品が完成していても、一発でアウトです。欠陥については公式サイトで公開されている欠陥の判断基準と技能試験の概要と注意すべきポイントや、HOZANさんの工具セットなどに付属しているハンドブックを参照して、練習で作品が完成したら一つずつチェックすることで間違いをなくすことができました。

技能試験のTips

そのほか技能試験で役に立ったTipsとしては以下のような感じです。

  • マスキングテープや絆創膏(念のため)を持っていく
  • 試験会場に到着したら工具を使いやすいように並べて布尺をマスキングテープで貼っておく
  • 作業開始前の部材確認の時間で部材を確認したら部材が入っていたビニール袋を屑入れとしてマスキングテープで貼っておく

最後に

こうして、筆記試験と技能試験合わせて約4ヶ月の時間をかけて対策した結果、無事合格することができました。公式サイトによると、今回・令和4年度上期の合格率は全国で、筆記試験が58.2%、技能試験が74.3%だったそうです。

ちなみに、かかった費用は総額約5万円(受験手数料9,300円+書籍、工具、練習部材費)でした。このあと免状発行に5,300円かかります。

皆さんもぜひ、挑戦してみてはいかがでしょうか。

脚注
  1. とはいえ賃貸マンションなのでできることは限られているけど。 ↩︎

  2. https://www.shiken.or.jp/flow/construction02.html ↩︎

  3. この時点での電気関係の知識はというと、学生時代は一応理系でしたが、覚えていたのはオームの法則くらい…。 ↩︎

  4. 解説のハシモトさんの声がいい。 ↩︎

  5. 候補問題の練習2周目以降は作品を完成させたあと、気になるポイントを拾って見てた。 ↩︎

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