Nutanix CE 2.1(Community Edition 2.1)用のPC選び
きっかけ
BroadcomによるVMWARE買収により2024/5月から最低でも3年縛り、顧客ランク次第で決まるサブスクリプション、CPUのコアライセンスの変更により最低でも2倍~最高で20倍くらい料金が跳ね上がるらしく、3年以内で仮想基盤の移行が進みそうです。ESXiの移行候補で上位に出てくるのがNutanixということで無償で使えるNutanix CE2.[01]を学習する。
システム要件確認
まずはNutanix CEの要件から調べ始めました。
ce 2.0 システム要件のページ
ce 2.1 システム要件のページ
記載内容が2.1で変わってますが以下の記述は2.0の要件で記載していますのでご注意ください。
まずは一見分かりにくいディスク要件だけ軽く抜粋
Head | 要件 | 用途 |
---|---|---|
Hypervisor Boot Device | 32GB | AHV(Hypervisor用) |
Storage devices, Hot Tier Flash | SSD 200GB以上 | CVM(Control VM用) |
Storage devices, Cold Tier | 500GB | DATA |
じゃあどういうPCを選んでいくかですが、(非?)公式なリストが存在します。
NutanixCE-Community-HCL.csv
半分はサーバー機、残りは一般向けのIntelとAMDです。コメントに重要なこと書いているので目を通しておくとトラブル回避できます。私はサーバーは大きくて騒音の元になるので、普通のPCで探し始めました。
自分がいろいろとHWを探していたときのポイント
Device | 選び方 | 備考 |
---|---|---|
CPU | 論理コアが多いモデル推奨(VMware Workstation使う想定なら) | Prism CentralはAMD系非サポート(公式リンク) Intel12世代以降のE-coresは無効にする必要あり |
MEMORY | 最低32GBだが可能な限り積みたい できれば128GB | 128GB積んだPC1台でVMware Workstation使って3台クラスターが組む荒業ができる。多ければ多いほど構築難易度が下がるので金を惜しまず使うところ |
NIC | MinisforumのようなミニPC選ぶとここでつまずきます | 動作リストにあるNICを標準で積んでいるものを選ぶか、PCIEスロットが空いていているPCにIntel系等のカードを差す |
DISK(AHV) | 120GBくらいのSSDで十分 | AHV、CVM、DATAを含めて最小のディスクである必要(reddit)がある |
DISK(CVM) | NutanixCEの核となる部分なのでできれば500GB以上のNVMeを使いたい | NVMeは相性問題がありそうなので注意。Nutanixのムック本にNVMeはPCIeパススルーなので性能いいと書いてあった(今はどうなのか不明) |
DISK(DATA) | 500GB以上のHDD | 最近は2.5インチSSDよりNVMeの方が安かったりします |
インストーラデバイス | USBメモリ、USB-SSD等 | RUFUS使ってブートメディアを作る。120GBのSSDは中古1000円が相場なのでUSBメモリの値段とさほど変わらない |
CVM ディスクはストレージに貢献していますか、それとも大部分が無駄になっていますか?
→CVMを大きくしても無駄にはならない
Prism Centralについて
vCPUが6、メモリ28GB、500GBのディスクという制約がある。(X-Smallは現状CE2.0では使用不可)。CVMでメモリ20GB使うのでPrism Centralも足すと1ノードで48GB使用が確定する。
acliコマンドでCPU、メモリを小さくすることは可能で、Prism Element上では減っているように見えるが、内部ではSmall PCのリソースをチェックしているらしく、ncc health_checksでエラーが出ます。
x-smallの記事が書かれたのは2024年5月
Prism Element上では 4コア20GBメモリにはできる
・メモリとCPUの値をデフォルトから変更
nutanix@NTNX-b511de7c-A-CVM:192.168.0.21:~$ acli vm.update NTNX-PC01-PCVM memory=20G
nutanix@NTNX-b511de7c-A-CVM:192.168.0.21:~$ acli vm.update NTNX-PC01-PCVM num_vcpus=4
nutanix@NTNX-192-168-0-23-A-PCVM:~$ ncc health_checks system_checks run_all
~省略~
Detailed information for pc_vm_resource_resize_check:
Node 192.168.0.23:
WARN: PC Type: Small.
Resources for PC VM with following ips are inadequate:
Current memory is 20.0GB while required memory is 26GB.
Current vCPU count is 4 while the required vCPU count is 6.
・ディスクサイズ
nutanix@NTNX-192-168-0-23-A-PCVM:~$ df -m
Filesystem 1M-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sdb1 9951 6930 2903 71% /
/dev/sdb3 50268 6807 42934 14% /home
/dev/sdc1 502941 142 497664 1% /home/nutanix/data/stargate-storage/disks/NFS_2_0_267_a9f454b0_730d_41dc_81d8_3d90dde4a6b2
→500GB取ってる・・・🫣
実際に買ったPCその1(7万円)
- DELL Optiplex 3080 SFF (中古3万円くらい)
- CPU Core i5-10505(6C12T)
- メモリ MAX64GB
- ディスク NVMeスロット☓1個、SATA☓2個(DVDドライブ用のSATAは外す)
- NIC Realtek RTL8111HSD-CG Ethernet LAN
最初に選んだPCだったので詰めが甘い部分が合った。問題なくCEはインストールできるが、メモリ64GBだと1ノードのみでPrism Centralはぎりぎり入れられるかといったところ。
CEをインストールを行うには、UEFIからセキュアブートをオフ、NVMeを認識させるためには、SATAモードをAHCIに変更する必要がある。RAID ModeのままだとNVMeをNutanix CEのインストール画面上で認識できません。
実際に買ったPCその2(10万円)
- DELL Optiplex 7080 SFF(中古5万円くらい)
- CPU Core i7-10700(8C16T)
- メモリ MAX128GB
- ディスク NVMeスロット☓2個、SATA☓3個
- NIC Intel i219-LM
メモリ128GBだとVMwareWorkstationでNestedなマルチノード構築できます。
勉強メインであればこの1台用意すればいいです。私は2台入手しましたので片方はベアメタルで、もう片方は予備機兼 VMware Workstationでの検証用にするかと思案しています。
Nutanix CE 2.0 マルチノード on VMware Workstation 17 Pro
本機はPCIEスロットが2個使えるのでLANカードを挿すことができます。
NVMeが2個、SATAが3個あるのでこちらで試してる1台RF2のFilesができるのでは🤔と思ってます。
メモリの載せ方
自作ユーザなら知っているはずですが、参考までに4スロメモリの載せ方です。画像①③各8GB、②④各32GBでデュアルチャネルのセット構成で合計80GBです。種類の同じメモリはこういう感じで奇数セット、偶数セットで積む必要があります。
CVM用のNVMeについて
当たり外れのあるNVMeについてですが、自分はSN770MだけCVMの起動ができなかった🤔
このSN770MはAHVなら動くこと確認しています。
一時はCPUの対応しているPCIeのGenと、NVMeのGenの組み合わせかと思っていた時がありましたがそうではなさそう。
■CVM起動確認したNVMe
メーカー | 型番 | Gen | 備考 |
---|---|---|---|
KIOXIA | KGB40ZNS | 3 | Optiplex 7080 SFFで確認 |
KIOXIA | EXCERIA G2 | 3 | Optiplex 7080 SFFで確認 |
CORSAIR | Force MP600 | 4 | Optiplex 7080 SFFで確認 |
SANSUNG | M2VLQ | 3 | Optiplex 7080 SFFで確認 |
KINGMAX | QP3480 | 3 | NutanixCE-Community-HCL.csvより |
■CVM起動しないNVMe(他のパーツとの相性が悪いだけの可能性あり)
メーカー | 型番 | Gen | 備考 |
---|---|---|---|
Western DIGITAL | SN770M | 4 | Optiplex 7080 SFFで確認 |
ADATA | LEGEND700 | 3 | NutanixCE-Community-HCL.csvより |
PCを探すサイト
HP、DELとかの企業に納入されているモデルなら横川レンタ・リースのQUALITみたいなところにリース返却品が流れていくのでお得なモデルを探してみるのが手です。Intel CPUであれば10世代辺りがi5,i7のCPUコア数が多いのでそこから探していくのが良いと思います。12世代以降はEコアの影響で下手すると論理CPU数が10世代より減るのでおすすめしません。また、13世代14世代のIntel CPUは不具合があるので慎重に選んでください。
Intel CPU 各世代の仕様を確認するページ
パーツの購入
私はワイモバイルを契約している都合、PayPay経済圏の人なので
Yahooショッピングのセール日にメモリやNVMe等のパーツを購入しています。
上記で出したQualitもYahooショッピングに出店している(Qualit Yahoo!店)のでセール日はPCも安くなります。他には楽天経済圏の人とか、AmazonPrimedayとかいろいろありますよね。
Nutanix CE インストール等の失敗パターン
直近 Discussion Forum や、Redditなどで見たインストール等のトラブルをちょっとだけまとめます。
カテゴリ | 事象 | 解決策 |
---|---|---|
BIOS/UEFI | セキュアブートが有効 | 無効化 |
BIOS/UEFI | ディスクのモードがRAIDになっている | AHCIに変更 |
BIOS/UEFI | 仮想化機能(VT-x)が無効 | 有効化 |
CPU | Skylake世代のCPU使っていると、WindowsVMインストール時にLoadingを繰り返す | cpu_paththrue設定で回避可能 |
Memory | 要件満たしていないサイズ | 要件を確認 |
Memory | デュアルチャネルの組み方を間違えている | 正しく組む |
Disk | CVMにHDDを使用 | SSDかNVMeを使う |
Disk | RAIDを組んでいる | RAID構成組まない |
Disk | Windowsのパーティションがディスクに残っている | Diskpartでcleanする参考 |
NIC | 稼働リストに含まれていない | ただNICの問題はここ を見れば解消できる気がする |
Install USB | USB3.0より遅い、インストールがタイムアウトする | 速いUSBメモリや、USB-SSDを使う。一応タイムアウトを延長する方法はある |
Install USB | Rufusで適切なパラメータでブートディスク作成できていない | DellはBIOSっぽいUEFIだったので自分は総当たりした |
CVM起動しない | NVMeを使っている | 相性の可能性・・・ |
Prism Elementログインできない | Roll(権限)が付与されていない | Nextアカウント作成間もないとNG。自分は2つ目のアカウントを個人メールアドレスで作成した後、構築したところRollのエラーが発生した。基本は付与待ちでいいと思う |
Prism Elementログインできない | インターネットに繋げない環境 | インターネットに繋げる |
Prism Centralデプロイできない | 初期のネットワーク設定が終わっていない | vlan設定する |
Prism Centralデプロイがタイムアウトする | ディスクIOパフォーマンスの問題 | Forumにタイムアウト値を伸ばす書き込みあるのでどうしようもなく困ってる人は探してください |
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