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AIのUIについて その1 「なぜAIという括りでUI/UXを考える必要があるのか」

2024/10/21に公開

はじめに

  • 自社のプロダクトに AI 機能があるので、一回全体的に考えたいという経緯でこの記事を書き始めた
  • 構成としては、以下のような形式でシリーズ化していく
    • なぜ AI という括りで UI/UX を考える必要があるのか(今回はこれ)
    • AI 機能を大別し、それぞれの UI/UX について詳細に考える
    • 今後生まれるであろう AI による新しい UI/UX

概要

理想的には、AI による機能であることはユーザーに意識させる必要はない

  • ユーザーがアプリケーションを通して目標を達成する際に、それが AI かどうかはどうでも良いから

ただ、現実的には、以下の理由からユーザーに AI による機能であることを意識してもらわなければならない

  • AI による精度の問題

    • AI による出力は、システムとして正しい挙動をしていたとして、「100%正しい(ユーザーが期待する)出力が行われるわけではない」
      • これが AI が台頭する以前との明確な違いで、ユーザーは柔軟なタスクの処理をシステムに任せることができるようになった反面、出力の正確性を意識することが必要になった
  • どうやってユーザーに出力の正確性を意識させるか

    1. コンテンツによって表現する
      • Claude
      • Attio
    2. ユーザーがレビューするフローを作る
      • freee 会計
      • GitHub Copilot

本記事での AI

IBM の記事によると、AI(人工知能)とは「人間が知能によって遂行している問題解決や意思決定といった能力を、コンピューターをはじめとする機械を用いて模倣および再現するもの」とある。

ただ少し広義なので、今回でいう AI とは「出力の根拠を統計的な処理に求めるもの」とする。
(機械学習の方が言葉としては近いかもしれないが、「AI の UI」と言いたいので我慢してほしい)

AI が UI/UX に与える影響

前項で述べた「出力の根拠を統計的な処理に求めるもの」というのが重要で、AI による出力は、
システムとして正しい挙動をしていたとして、「100%正しい(ユーザーが期待する)出力が行われるわけではない」。
よって、AI は情報の正確性を担保できないということを、何かしらの形でユーザーに理解してもらうことが必要になった。

では、どういう UI/UX にすべきか

じゃあ出力が 100%正しいわけではないことを理解してもらいましょう。で終わるのは流石に味気ないので、それをどう UI/UX に落とし込むか、実例を交えながら考えてみる。

コンテンツによって表現する

画面上にコンテンツを配置して、ユーザーに AI による機能であることを意識してもらう方法。

ChatGPT の例
chatgpt
AI によるサービスの先駆けになった ChatGPT は、まだ AI リテラシーの低いユーザーに AI の性質をしっかり理解してもらうために、テキストでの表示を行っている

弊社で利用している CRM ツール「Attio」の例
attio
会社名を入力すると、会社のカテゴリや LinkedIn のアカウントの URL などを自動で取得する機能。最近のサービスでは キラキラ(sparkle)アイコンが AI のメタファーとして定着しつつある

ユーザーがレビューするフローを作る

コンテンツではなく、ワークフローによってユーザーに正確性を確認してもらう方法。

GitHub Copilot の例
github-copilot
開発業務では、ユーザーが絶えずコードの正誤を確認するため、AI による機能であることは明記していない(エンジニアの AI に対するリテラシーの高さも背景にありそう)

freee 会計 の例
freee
OCR によって、領収書の項目を自動入力する機能。画像アップロード → 項目の入力 → 登録のようにユーザーがレビューするフローが組まれている際は、AI による機能であることを明記しない場合がある

参考になった記事、サイトなど

https://www.ibm.com/jp-ja/topics/artificial-intelligence
https://note.com/kajiken0630/n/ne7ee89af5162
https://comemo.nikkei.com/n/n72374ef7b2d9

さいごに

今回は「なぜ AI という括りで UI/UX を考える必要があるのか」について書きました。

結論としては当たり前なものになったが、AI 機能における UI を考える上で必ず考えなければならない部分なので、シリーズの序章として残しました。

次のチャプターではより詳細な機能に焦点を当てた記事を書く予定です。

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