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読書を資産化するプロセスの見直し備忘録

に公開
  • 読書を散漫としている感じがする。
  • ハイライトをして読んで満足しているだけ。
  • 本に引いたハイライトを日々のタスクや、アウトプットに有効活用できていない。

といった課題感があり、読書の「資産化のプロセスの見直し」と捉え、情報の分類・蓄積・再利用の流れを根本から見直すことにしたときの備忘録。

見直しには以下の書籍を参考にしている。

https://www.amazon.co.jp/dp/4296000411

https://www.amazon.co.jp/dp/4297137194

分類方法の見直し

ここでいう分類は日々利用しているmarkdownエディタのObisidian Vaultのディレクトリ構造の変更を指している。
読書はKindleとReadwise Reader を利用しており、それぞれのハイライトをObsidianにエクスポートしていた。
KindleとReadwise Readerのハイライトをそれぞれ別ディレクトリにエクスポートしていたのだが、階層が深くなるだけで何の意味もないので廃止しようと常々思っていた。
Zettelkasten を参考にし、以下のように変更した。

Before

.
├── 読書メモ
└── Kindle
    ├── ...md
└── ReadWise
    └── Articles.md
      ├── ...md
      ...
    └── Books
      ├── ...md
      ...
├── メモ
      ├── ...md
      ...
├── Daily
  ├── 2025-10-05.md
  ...

After

.
├── 00-Literature Notes # 読書メモを集積する場所
    ├── ...md
├── 01-Fleeting-Notes # 日々のアイデアやメモを集積する場所
    ├── ...md
├── 02-Permanent-Notes 永久保存版のノートを集積する場所
    ├── ...md

Literature Notes

「読書メモ」についてだが、KindleとReadwiseで分離していたものを統一することになった。
どちらも読書メモという点で違いがなく階層別にする理由がないので、全て 00-Literature Notes に集約する。階層がフラットになりみやすくなったため満足している。

「文献メモ」を書きます。
これは、何かを読むたびにとるメモです。
忘れたくないことや、自分の思考、後で文章に使いたいことなどを書き留めます。
長さはごく短く、内容は厳選し、自分の言葉で書きます。引用する場合は、特に念を入れて選びましょう。ここで大切なのは、 読んだ言葉の意味を真に理解するために、書き写すのはやめ、自分の理解で書くことです。
引用: TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる

Fleeting-Notes

「メモ」は 01-Fleeting-Notes にディレクトリ名が変更になっただけで役割の変化はない。
元々、「アイデアや調べたいことを思いついたが時間がない時に書く」場所。という役目を引き継いでいる。

「Daily」は廃止した。
プライベートでデイリーノートを録るのは元々ハードルが高く実践できていない日々が多かった。というのも日々の仕事で一日あたり8時間が消費してしまうのだから、書いている時間がない。
ふと、思いついた出来事に対しては、 01-Fleeting-Notes に書くことにしている。

① 日常生活で、「走り書きのメモ」を書きます。
頭に浮かぶあらゆるアイデアをとらえるために、何かを書き留めるものを常にもっておきましょう。
どう書くか、何を書くかはあまり気にしなくてかまいません。
走り書きのメモは、頭のなかに入っていることを思い出すためのきっかけにすぎません。
引用: TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる

Permanent-Notes

これまで存在しなかった役割を果たすためのディレクトリとして新たに作成した。
Fleeting-Notes に書いたメモから派生して新しいメモが格納される。
このメモが肝であり、日々のタスクやアウトプットに直結する。
このディレクトリに書かれるメモには以下のルールがある。

  • 書き終えた際に外部に公開しても問題ないほどに充足していること
  • Literature Notes を参考にし、リンクを貼ること
    途中で書けなくなったときは知識が不十分であることを指し示していることとなる。
新しい永久保存版のメモを、次のようにしてツェッテルカステンに収めます。
それぞれのメモを、関連するひとつまたは複数のメモの後ろにしまいます(コンピューターのプログラムを使えば、ひとつのメモを複数のメモの「後ろ」に配置できます。
ルーマンのように紙とペンを使う場合は、いちばん適切と思われる場所を決めて、番号を振ります)。
引用: TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる

Zettelkasten では紙を利用していたため、番号を振っていたが、Obsidianには [[ノート名]] とすることでリンクを貼ることができる。

情報の蓄積方法

今までは、興味があることや、役に立ちそうな文に対してハイライトを引き、たまに感想をメモする程度にしていたが、必ず「自分の言葉で表現する」ことにした。
今回参考にした書籍では以下のように「自分の言葉」にすることの重要性が書かれている。

何かを長いあいだ学びつづけたければ、内容を書き留める必要があります。
そして、何かを本当の意味で理解したいなら、自分の言葉に直さなければなりません。
メモのポイントは、自分の言葉で書くことです。
...

私たちは、自分の言葉で書いてみるまでは、読んだ内容を理解していると思いがちですし、これを行うと、内容を明確かつ簡潔に説明する能力も磨くことができます。 
...

自分の言葉で説明するとはすなわち、読んだ内容の意味、それがさまざまな問いやトピックに与える情報、そして他の知識とどのように組み合わせることができるかをじっくり考えることにほかなりません。


引用: TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる
本を読む目的として、新しい発見を得たり、自分の仕事に活かしたり、ということを考えるのであれば、ぜひ「自分の言葉」で感想を書いてみましょう。わずか数行の読書メモでも書こうとすると大変ですが、これを繰り返すことで思考が整理されるだけでなく、本の内容を忘れにくくなります。

引用: Obsidianで"育てる"最強ノート術 —— あらゆる情報をつなげて整理しよう

これらの記述に対してハイライトし、以下のように自分の言葉に置き換えている。

  • 「引用(ハイライト)した部分が事実であり読書メモは自分の言葉で言い換えたもの」
  • 「言語化することによって、理解しているかを探る」
  • 「自分の言葉で説明することで、アイデアや情報を構造化し、把握できるようにする」

後から見返すと誤った理解のように見えるが、知識を詰め込むことが目的ではなく、自らの問いや思考を整理するといったコンテクストが存在しているので、必ずしも100%置き換えられている必要はない。

むしろ、ハイライトが事実として残っているので完璧に同じである必要もないはず。と思っている。

また、KindleとReadwiseでハイライトのエクスポートフォーマットが異なるのでKindle方式へと統一することにした。
Readwise Official Plugin > Customize formatting options の Highlight のテンプレートを以下のように変更した。

{{highlight_text}}{% if highlight_location %}
— location: [{{highlight_location}}]({{highlight_location_url}}){% endif %} ^{{highlight_id}}
{% if highlight_note %}
{{highlight_note}}
{% endif %}

---

左: Kindle、右: Readwise

このような形式のハイライトであれば [[ノート名^]] で特定のハイライト箇所にリンクできるブロックリンクを利用している。

※ ブロックリンクの例

情報の再利用

日々のアイデアは Fleeting-Notes に集積されている。
このメモは短文で構成されているがために、見返しても大した苦労にならないため、1日に一度くらいは眺めるようにしている。
もっとも興味がありそうなメモをもう一度読んでみて、Literature Notesからアイデアの補足をしたり、逆に対立する意見を書いてみたりする。
そうして、メモの内容がある程度溜まってきたら Permanent-Notesメモ化を狙ってみる。
先ほど述べた通り、途中で筆が止まるようなことがあるならば知識不足である。

ハードルを上げない自分ルール

冒頭でも記述した通り、Zettelkasten を参考にしているが、参考にしただけで「そのまま」を再現するつもりは全くない。
あくまで目的は、読書を「資産化のプロセスの見直し」と捉え、情報の分類・蓄積・再利用の流れを根本から見直すことだった。
「TAKE NOTE!」を読んで思ったが、 Zettelkastenを厳密守ろうとすると負担が大きく、読書やメモのハードルが上がる可能性があった。
また私の悪癖として、新しい知識やホットトピックに触れると、肩に力が入った知識礼賛になってしまう傾向にある。
この力みを回避するために、「参考にするだけ」とし、運用しづらければ柔軟に変更を入れるようにしている。

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