Open50

Linuc システムアーキテクト SA02

Katsuya MuraokaKatsuya Muraoka

SA.05.1 仮想マシンの設計と管理
重要度 3

概要

  • 仮想化の基本技術を理解し、性能検討やトラブルシューティングができる。
  • 仮想マシン及び仮想ディスクの移行など、仮想環境の管理ができる。

詳細

  • 仮想マシンの動作や性能に関わる要素を理解している。

    • オーバーコミット
    • NUMA
  • 仮想マシンのリソース割り当てに関する手法のメリット、デメリット、制約を理解し、有効利用する。

    • pinning (ピニング)
    • スケジューリング、レイテンシ設定、優先順位設定
  • 仮想化支援技術や仮想デバイスについて理解し、性能検討やトラブルシューティングに役立てる。

    • x86 アーキテクチャによる仮想化支援技術 (Intel VT-x、AMD-V) を利用する Linux の機能
    • x86 アーキテクチャにおける OS レベルのプロセス保護機能 (リングプロテクション)
    • virtio の動作方法及び利点欠点
    • 仮想ディスクの主要な形式 (QCOW2、RAW) の特徴
  • 目的に合わせて既存資産を移行する。

    • 物理環境から仮想環境への移行: virt-p2v
    • 仮想環境間の移行: virt-v2v
    • 仮想ディスクのサイズ変更
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NUMA(Non-uniform memory access):複数のCPUによって構成されるアーキテクチャ。CPUによってメモリ性能が異なるものをNUMAと呼ぶ。単一バスだとスケーラビリティがないための対策。

pinning:仮想マシンのvCPUを、物理コアに固定する方法。

リングプロテクション:

  • オペレーティングシステムやドライバ、その他のアプリケーションを権限分けして動作させるための仕組み
  • カーネルがリング0、その他のプログラムはリング3。(リング1,2も存在するが使っているOSはほとんどない)
  • 仮想マシンの場合にリングをどう扱うか
    • バイナリトランスレーション:仮想マシン上で実行されるプログラムを逐一変換しながら実行するといった手法。センシティブ命令がほかの命令に置き換えられて実行されまる。
    • センシティブ命令:そのシステムの状態を変更したり、もしくはそのシステムの状態によって挙動が変わったりする命令
      参考:https://gihyo.jp/dev/serial/01/vm_work/0004

KVM:

  • カーネルモジュールとして提供される。
  • CPUがサポートする仮想化支援機能 (Intel VT-x、またはAMD AMD-V)をQEMUに対して提供する。
  • 仮想メモリ、物理メモリアドレス変換のCPUハードウェア処理化 (EPT機能、VT-d機能)。
  • KSM (Kernel Samepage Merging):内容が重複するメモリ上のデータを集約し、複数インスタンスで再利用する技術

QEMU:エミュレーション機能を提供。

libvirt:仮想化アプリケーションやハイパーバイザを操作するための抽象化レイヤーを提供するソフトウェア群。

Virtual Machine Manager(virt-manager):QEMU+KVMを操作できるGUIプログラム。裏ではlibvirtが提供するAPIを介してQEMUコマンドを発行している。

virtio:仮想I/Oデバイス (ディスク、ネットワーク、サウンド、ディスプレイ、キーボード、マウスなど) の準仮想化ドライバ機能を提供するAPI群。統一されたインターフェースを提供することで、仮想化アプリケーション開発者の負担を減らすことができる。
参考:https://endy-tech.hatenablog.jp/entry/kvm_introduction

QCOW2:

  • sparseファイル
  • スナップショットを取れる
  • ディスク領域を拡張する際、IO性能が極端に劣化。

RAW(sparse)

  • sparseファイル
  • スナップショットは取れない
  • ディスク領域を拡張する際、IO性能が劣化。(qcow2ほどではない)

RAW(non-sparse)

  • non-sparseファイル(あらかじめ領域確保)
  • スナップショットは取れない

virt-p2v:対象マシンのハードディスクからデータを吸い上げ、ssh経由で他のマシン上に仮想マシンイメージファイルを作成。
virt-v2v:外部のハイパーバイザ(主にVMware ESXi)上にある仮想マシンをKVM上で使用するためのツール。ゲストOSの種類、バージョンによりサポートされるもの、されないものがある。

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SA.05.2 コンテナの設計とビルド
重要度 3

概要

  • コンテナに対する詳細な設定 (連携情報、リソース割り当てなど) の仕組みと方法を理解している。
  • コンテナイメージの構造について理解し、適切にビルド、更新、管理できる。
  • コンテナの用途に応じて適切なボリュームを使用できる。

詳細

  • コンテナのリソース割り当てや権限設定の仕組みを理解している。

    • 設定対象: CPU、メモリ、I/O、プロセス ID
    • これを実現する Linux カーネルの機能
  • コンテナイメージの構造について理解している。

    • イメージレイヤ、コンテナレイヤ
    • 複数コンテナにおけるイメージの共有
    • イメージとホストのファイルシステムとの関係
  • サイズやセキュリティが考慮されたコンテナイメージをビルドする。また、これらを実現する

    • Dockerfile の記載方法を理解している。
    • 必要十分な親イメージの選択: scratch、distroless
    • 構成物 (apt/yum/dnf パッケージなど) のバージョン指定
    • 不要ファイルの除外: ダウンロードキャッシュのクリア、マルチステージビルドなど
  • コンテナに対して外部ボリュームをマウントし、目的に合わせて複数コンテナ間やホスト間でのデータを共有・永続化する。

    • bind mount
    • tmpfs
  • Docker における詳細なコンテナ操作を理解している。

    • 起動時の環境変数割り当て
    • 複数コンテナの一括管理: docker compose
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cgroup:CPU、メモリ、I/Oデバイスなどのリソースを管理し、特定のグループに割り当てることができます。これにより、コンテナごとにリソースの使用量を制限する。

namespace:リソースの分離技術。PID以外にもIPC、Network等色々な種類がある。

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コンテナレイヤ:コンテナ上の読み書き可能なレイヤ
イメージレイヤ:イメージを構成する読み込み専用レイヤ
参考:https://www.techscore.com/blog/2018/12/10/docker-images-and-layers/

複数コンテナにおけるイメージの共有:

  • イメージレイヤは読み取り専用なので複数コンテナで利用する場合でもイメージ(レイヤ)は一つで、利用するコンテナで共有する。
  • コンテナ内でイメージレイヤ部分を更新する場合、コピーオンライトによって実現する。

コピーオンライト:イメージレイヤに存在するファイルを更新する際、データをコンテナレイヤにコピーして変更を反映する。ストレージドライバによって実装が異なる。aufsドライバではファイルがコピーされるが、devicemapperドライバでは64Kバイトのブロック単位でコピーされる。

イメージとホストのファイルシステムとの関係:
OverlayFS:レイヤーを重ね合わせて結合してできるファイルシステム
参考:https://tech-lab.sios.jp/archives/21103

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Dockerfile の記載方法:
FROM、RUN(レイヤを作る)、CMD(レイヤを作らない)、COPY、ENV、WORKDIR

必要十分な親イメージの選択:

  • scratch:Docker が規定する最小イメージ
  • distroless:不要なファイルを削除しアプリケーションの実行に必要な最小限のファイルのみを含んだコンテナイメージ。もしくはGoogleが配布している上記を実装したイメージ。

構成物 (apt/yum/dnf パッケージなど) のバージョン指定

ダウンロードキャッシュのクリア:apt updateコマンド等でpackageリストを更新すると/var/cache/apk配下にキャッシュが作成される。コンテナ肥大化の要因となるので、実行時に「--no-cache」を付与する等、キャッシュがコンテナに含まれない様に配慮する。

マルチステージビルド:

  • ビルド用のイメージでアプリケーションをビルドする
  • ビルドした成果物のみをデプロイ用イメージにコピー
  • デプロイ用イメージはランタイムと成果物のみを格納
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bind mount:「ホストマシン」上のファイルやディレクトリがコンテナー内にマウントされる

tmpfs:tmpfsマウントは一時的なものであり、ホストマシンのメモリ上にのみ存在。 コンテナーが停止されるとtmpfsマウントは削除されるため、そこに書き込まれたファイルを保持し続けることはできない。

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起動時の環境変数割り当て:

  • docker run -e ENV=VALUE
  • docker run --env-file envfile.txt
  • DockerFile内のENV
  • 起動時のshellで指定

複数コンテナの一括管理:
docker compose:

  • 複数コンテナの Docker アプリケーションを定義・実行するツール
  • コンテナ間でデータを共有するために必要なボリュームや内部通信のためのネットワークを提供
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SA.05.3 コンテナオーケストレーション
重要度 3

概要

  • コンテナオーケストレーションの基本動作を理解し、コンテナベースのシステム構成を計画できる。

詳細

  • オーケストレーションエンジンによるコンテナ制御の基本動作とそのユースケースを理解している。

    • 宣言的 API、突き合わせループ
    • 障害時の再スケジューリング
    • オートスケール
  • オーケストレーションエンジンと各種リソースを結びつけるインターフェースの構成を理解している。

    • CRI、CNI、CSI
  • Kubernetes の動作と管理に関わる構成要素の概要を知っている。

    • Pod、および Pod を管理するワークロードリソース: Service、Deployment、StatefulSet
    • コントロールプレーン: kube-apiserver、kube-scheduler、etcd
    • データプレーン (ノード): kubelet、kube-proxy
    • コマンド: kubectl、kubeadm
  • サービスメッシュに関わる主要な OSS について、基本動作やオーケストレーションエンジンとの連携の概要を理解している。

    • Envoy
    • Istio
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宣言的 API:サービスに実行すべき命令を伝えるのではなく、サービスのあるべき状態を指示できるAPI
突き合わせループ:k8sのReconciliation Loop

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CRI(Container Runtime Interface):

  • kubeletとコンテナランタイムが通信するためのインターフェースを規定したもの
  • CRIはプロトコルバッファ、gRPC API、およびランタイムで構成されている
  • CRIをサポートするコンテナランタイム:Docker(dockershim + containerd),containerd,CRI-O

CNI:

  • コンテナがネットワークに接続するインターフェースの標準仕様とリファレンスプラグインを提供
  • CNIは、コンテナのネットワーク接続と、コンテナが削除されたときに割り当てられたリソースの削除の役割を担う
  • 代表的なプラグイン:falnnel ,Calico,Canal,Weave Net

CSI(Container Storage Interface):

  • コンテナオーケストレーションツールとストレージとの間のインターフェースの標準仕様
  • CSIでは、Kubernetes(コンテナオーケストレーションツール)側が、以下の3つのサイドカーコンテナを提供することになっています。
    • external-attacher: VolumeAttachmentオブジェクトを監視し、CSIエンドポイントに対してボリュームをノードにアタッチする命令を行います
    • external-provisoner: PersistentVolumeClaimオブジェクトを監視し、CSIエンドポイントに対してボリューム作成や削除の命令を行います
    • driver-register: CSI driverをkubeletに登録します
  • また、ストレージベンダー側は、以下の3つのサービスを実装する必要があります。
    • Identity Service: コンテナオーケストレーションツールがプラグインに対してCapability/Health/その他メタデータなどを問い合わせるために実装します。
    • Controller Service: ボリュームやスナップショットの作成・削除・一覧表示を行う機能を実装します。
    • Node Service: コンテナオーケストレーションツール側からボリュームをマウントする際に呼び出される機能を実装します。

参考:https://qiita.com/mamomamo/items/448a8edf6d4ccfc22bbd
   https://qiita.com/suzukihi724/items/7cb57eade2823e4a344f

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Envoy:

  • L4/L7プロキシ
  • コンテナにインジェクションすることで、サービス間の通信をEnvoyが媒介しサービスメッシュを構成。(アンバサダーパターンとも)
  • iptablesで出入りするトラフィックをEnvoyに吸い込む

参考:https://speakerdeck.com/kurochan/ru-men-envoy

Istio:

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SA.06.1 認証認可とアクセス制御
重要度 3

概要

  • 外部を含む複数サービス間や異種 OS 間での一元的な認証・認可や多要素認証について、適切な方式を選択できるとともに、OSS を用いて具体的に設定・構築できる。
  • アクセス制御の種々の方式を比較でき、Linux におけるアクセス制御機能を適切に設定できる。

詳細

  • シングルサインオンの実装方式の違いを理解している。

    • フェデレーション方式: OAuth、OpenID Connect、SAML
    • リバースプロキシ方式
    • 代理認証方式
  • 多要素認証や多段階認証の主要な実装例を理解している。

    • ワンタイムパスワード: Time-Based One-Time Password (TOTP)
  • パスワードレス認証、FIDO認証の仕組みを理解している。

  • Linux サーバーを用いた認証システムを構築・運用する。

    • ワンタイムパスワードの生成と管理
  • Samba を用いて Active Directory と連携する。

    • Linux 上での Active Directory サーバーの構築
    • Linux マシンの Active Directory への参加
  • アクセス制御の種々の方式の特徴を理解している。任意アクセス制御 (DAC) との比較を含む。

    • 強制アクセス制御 (MAC)
    • ロールベースアクセス制御 (RBAC)
    • 属性ベースアクセス制御 (ABAC)
  • Linux のアクセス制御の機能を目的に応じて使い分ける。

    • SELinux
    • AppArmor
    • seccomp/bpf
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フェデレーション方式:

  • OAuth:
    • 概要: リソース所有者(ユーザー)がリソースサーバー(サービス)にアクセスするためのアクセス権をクライアント(アプリケーション)に付与するためのプロトコル。
    • 用途: 主にAPIアクセスの認可に使用されます。
    • 特徴: トークンベースの認可で、ユーザーのパスワードを共有せずにアクセスを許可します。
  • OpenID Connect:
    • 概要: OAuth 2.0の上に構築された認証プロトコル。
    • 用途: ユーザーの認証と、ユーザー情報の取得に使用されます。
    • 特徴: IDトークンを使用してユーザーの認証情報を提供し、シングルサインオンを実現します。
  • SAML(Security Assertion Markup Language):
    • 概要: XMLベースのフレームワークで、認証と認可の情報を交換するための標準。
    • 用途: 主に企業内や企業間のシングルサインオンに使用されます。
    • 特徴: 認証情報をアサーションとして交換し、ユーザーが一度のログインで複数のサービスにアクセスできるようにします。

リバースプロキシ方式:

  • 概要: リバースプロキシサーバーがユーザーのリクエストを受け取り、バックエンドの認証サーバーに転送して認証を行う方式。
  • 用途: Webアプリケーションの前に配置され、認証とアクセス制御を集中管理します。
  • 特徴: ユーザーは直接バックエンドサーバーにアクセスせず、リバースプロキシを通じて認証されます。

代理認証方式:

  • 概要: 代理認証サーバーがユーザーに代わって認証を行い、認証情報をバックエンドのサービスに提供する方式。
  • 用途: 主にレガシーシステムや、直接認証が難しいシステムで使用されます。
  • 特徴: ユーザーの認証情報を代理認証サーバーが管理し、バックエンドサービスに対して認証済みのリクエストを送信します。
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多要素認証

  • 知識情報(ID、パスワード)に追加して所持情報、または生体情報を組み合わせて実施する認証
    • 所持情報:ICカード、スマートフォン、ハードウェアトークン
    • 生体情報:指紋、顔、虹彩など

多段階認証

  • 要素数ではなく、ステップ数に重点を置いた認証
  • 多要素とは異なり、知識情報で2段階の認証を行う場合もある(秘密の質問)

Time-Based One-Time Password (TOTP)

  • アルゴリズムに基づいて 30~60 秒ごとに固有のコードが生成される認証メソッド
  • スマホのAuthenticatorでよく見るやつ
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パスワードレス認証

  • パスワードを使用せずにユーザー認証を行う方法
  • 知識情報ではなく、所持情報や生体情報で認証
  • マジックリンク:「1回限り利用可能」「一定時間のみ有効」なログイン用の認証リンクの通知を行い、利用者本人が通知された認証リンクをクリックすることでユーザー認証を完了させる仕組み

FIDO認証(Fast Identity Online)

  • 標準規格団体である「FIDO Alliance」によって制定された、公開鍵暗号方式を用いてパスワードに依存しない認証方式
  • 「FIDO UAF」「FIDO U2F」という規格に加え、この2つの規格を統合・拡張した新仕様として「FIDO2」が2018年に発表
  • 。FIDO2では、FIDO2対応のブラウザと、認証器(スマートフォンやPC等のデバイス)を使用することで認証を行う。

参考:https://www.ogis-ri.co.jp/column/themistruct/c106538.html

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FreeIPA:

  • LDAPおよびKerberosによる認証基盤で、Windows環境におけるActive Directoryのような立ち位置のもの
  • 主な機能は以下のとおりです。
    • ユーザ、ホスト、サービスのIDを集中管理する
    • Kerberosでの認証によるシングルサインオン
    • Active Directoryと連携し、ADにログインしているユーザにシングルサインオンを提供する
    • 複数マシンにFreeIPAを導入し、マルチマスタレプリケーションを構成する
    • Web UIおよびコマンドラインクライアント、XMLRPC APIの提供
    • 証明書の発行
    • ドメイン内向けDNSの管理
    • 2要素認証(OTPトークンによるワンタイムパスワードも可能)
    • 接続元のシステムを考慮するホストベースアクセス制御(HBAC)
    • 従来システムとの互換性を実現するための互換LDAPツリーの提供
    • 複数FreeIPAサーバ構築時の負荷分散
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任意アクセス制御(DAC)

  • ユーザー自身が、自分が所有するリソース(ファイルやディレクトリなど)に対するアクセス権を設定。
  • 自由に設定できるため柔軟性は高いが、セキュリティリスクが高まる。また、全体としての一貫性(セキュリティポリシー)を保つのは難しくなる。

強制アクセス制御 (MAC)

  • 管理者が全てのアクセス制御ポリシーを設定し、ユーザーはこれを変更できない。
  • セキュリティレベルが設定され、ユーザーとリソースのセキュリティラベルに基づいてアクセスが許可される。
  • 高いセキュリティが求められる環境(例:軍事、政府機関)で使用される。

ロールベースアクセス制御 (RBAC)

  • ユーザーの役割(ロール)に基づいてアクセス権を設定。
  • 役割ごとに一貫した権限を付与し、管理が容易。
  • 企業や組織で広く使用され、効率的なアクセス管理が可能。

属性ベースアクセス制御 (ABAC)

  • ユーザーやリソースの属性に基づいてアクセス権を設定。
  • きめ細かいアクセス制御が可能で、複数の属性を組み合わせてポリシーを設定。
  • 動的な環境や複雑なアクセス要件に対応。
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SELinux:

  • 強制アクセス制御 (MAC) を実装し、管理者が定義したセキュリティポリシーに基づいてアクセスを制御。
  • プロセスとリソースにラベルを付け、それに基づいてアクセス権を決定。
  • 詳細な制御が可能で、特定のプロセスが特定のリソースにどのようにアクセスできるかを細かく設定
  • 高度なセキュリティが求められる環境で、システム全体のセキュリティを強化するために使用

AppArmor:

  • 名前ベースの強制アクセス制御 (MAC) を実装し、ファイルパスに基づいてアクセス制御を行う。
  • 設定が簡単で、特定のアプリケーションに対するアクセス制御をプロファイルとして定義。
  • 柔軟性があり、特定のファイルやディレクトリに対するアクセス権を詳細に設定できる。
  • システムやアプリケーションのセキュリティを簡単に強化するために使用さる。特にUbuntuやSUSEなどのディストリビューションでデフォルトで使用されている。

seccomp/bpf:

  • システムコールのフィルタリングを行い、許可されたシステムコールのみを実行可能にする。
  • 軽量なサンドボックスを提供し、プロセスの動作を制限。
  • 柔軟性があり、特定のシステムコールを許可または拒否するフィルタを設定できる。
  • コンテナやセキュアなアプリケーション実行環境で利用される。
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SA.06.2 セキュリティの予防措置
重要度 3

概要

  • システム停止や情報の盗難・漏洩・改ざんに至る主要な攻撃方法を理解している。
  • ネットワーク・アプリケーション・プラットフォーム・データそれぞれに対して多層的に診断や予防ができる。

詳細

  • 特にシステム側に被害を与える典型的な攻撃の手法について、その原理を理解している。
    • 種々の DoS/DDoS 攻撃手法: リフレクション攻撃、SYN flood、オープンリゾルバ
    • DoS/DDoS で使われるアプリケーション: Memcached、NTP、DNS
    • 不正アクセス手法: SQL や OS コマンドのインジェクション、ディレクトリトラバーサル、バッファオーバーラン、リスト型攻撃
  • 脆弱性診断ツールの動作原理や機能の違いを把握した上で、設定と実行、検出結果の解釈及び対処を行う。また、修正の要不要やタイミング、チェック頻度などを判断し脆弱性を管理する。
    • ペネトレーションテストの実施: GVM、ZAP
    • 脆弱性の報告されたパッケージ (パッチ) の検出: Clair、Katello、Vuls
    • 規格への適合確認: OpenSCAP
    • コンテナイメージのスキャン: Trivy
  • 正規の通信やアクセスのみを許可する設計を導入し、脅威を予防する。
    • WAF、DMZ、UTM
    • パケットシグネチャを使用したフィルタリング、DPI
    • 証明書を利用した認証
  • 攻撃や情報流出に対する緩和策を用意する。
    • DDoS Mitigation Device、ISP の Routing Blackhole
    • レートリミット
    • サンドボックス
    • 暗号化ファイルシステム、ストレージ: LUKS、dm-crypt、TPM
    • 外部アクセスポート/デバイスの制限 (USB ポートの利用制限など)
  • 使用しない機能や設定を削除し、潜在的な脆弱性を低減する。
    • 不要なユーザー・アクセス権の削除
    • 使用していないサービスやソフトウェアの検出
    • 仮想マシン/コンテナに対する権限、リソース設定
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リフレクション攻撃:

  • UDPのコネクションを張らない性質を利用して、インターネット上のサーバーに偽装した大量のリクエストを行い、送信元を偽装することで、大量の小さなリクエストをインターネット上の標的のサーバーに送信するサイバー攻撃
  • DNS、NTP、SSDP、SNMPなどUDPの各種プロトコルが使用される

SYN flood(ハーフオープン攻撃):

  • 最初の接続要求(SYN)パケットを繰り返し送信することにより、標的となるサーバーで利用可能なすべてのポートを圧倒し、標的となるサーバーが正当なトラフィックに応答するのを非常に遅くする、またはまったく応答しなくなるようにする。

オープンリゾルバ:

  • 外部の不特定のIPアドレスからの再帰的な問い合わせを許可しているDNSサーバーのこと
  • DDoS攻撃の踏み台として悪用されることがある

DDoS

  • Memcached:Memcached 攻撃は増幅攻撃の一種で、攻撃者はHTTP GET要求を脆弱な Memcached サーバーに送信。これらの脆弱なサーバーから目的のターゲットにUDPパケットが送られる
    https://www.akamai.com/ja/glossary/what-is-a-memcached-ddos-attack

  • NTP: 攻撃者は IP アドレスを偽って脆弱な NTP サーバーに要求を送信します。その結果、NTP サーバーは通常よりもはるかに大量の応答を返す
    https://www.akamai.com/ja/glossary/what-is-an-ntp-amplification-attack

  • DNS:

    • DNS フラッド攻撃は、膨大な数のクエリーを送信して DNS ネームサーバーのリソースを枯渇させる。(DNSサーバーを対象とした攻撃)
    • ソースIPアドレスを偽装したDNSリクエストをDNSサーバに送信し、DNSサーバから攻撃対象のサーバ(偽装したソースIPアドレスのサーバ)にDNSのレスポンスを送信させることで、攻撃対象のリソースを消費させる攻撃。
      https://www.akamai.com/ja/glossary/what-is-a-dns-ddos-attack

不正アクセス手法:

  • SQL インジェクション:脆弱性のあるアプリケーションに対して不正なSQLコマンドを注入し、データベースにアクセスする攻撃。
  • コマンドインジェクション:脆弱性のあるアプリケーションに対して不正なOSコマンドを注入し、システムにアクセスする攻撃。
  • ディレクトリトラバーサル:非公開ファイルに不正アクセスし、情報の窃取や改ざんを行うサイバー攻撃
  • バッファオーバーラン:バッファオーバーフローを引き起こすコードを悪用し、外部からわざと想定より長いデータを与えることでプログラムを異常終了させたり、攻撃用のコードを送り込んで実行させたりする攻撃手法
  • リスト型攻撃:何らかの方法で入手したアカウントとパスワードが記載されたリストをもとにウェブサービスへの不正アクセスを試みる攻撃
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  • ペネトレーションテスト

    • Greenbone Vulnerability Manager(GVM):OpenVASの進化系。セキュリティスキャンと脆弱性管理を行うためのオープンソースのセキュリティツール
    • OWASP ZAP:オープンソースのWebアプリケーションセキュリティテストツールで、脆弱性を診断するための強力な機能を提供。プロキシサーバーとして機能し、Webトラフィックをインターセプトして分析することで、脆弱性を特定。
  • 脆弱性の報告されたパッケージ (パッチ) の検出:

    • Clair:appc および docker コンテナにおける脆弱性の静的分析を通じてコンテナのセキュリティを監視するツールを提供
    • Katello:ソフトウェアライフサイクル管理を提供。
    • Vuls:脆弱性検知ツール
  • 規格への適合確認:

    • OpenSCAP:脆弱性の診断や、その修正を行えるツール。
    • SCAP:Security Content Automation Protocol:セキュリティ設定共通化手順。NIST(アメリカ国立標準技術研究所)が制定したセキュリティ関連の標準仕様。
  • コンテナイメージのスキャン:

    • Trivy:コンテナイメージの脆弱性診断ツール。yumやapt等でインストールされたパッケージを対象に診断(ソースコードからビルドされた場合は検知対象外)。動作中のコンテナも対象外。
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パケットシグネチャを使用したフィルタリング:

  • IDS/IPSで使用される検知方式。「シグネチャ」と呼ばれる不正アクセスの攻撃パターンのデータベースを用いて判断する。

DPI(Deep Packet Inspection):

  • HTTPなど最上位のプロトコルが運んでいるデータ本体部分を含めて検査を行うことで、ヘッダ情報だけでは判別できない挙動を検知することが可能。(Webアップロードを検知)
  • セキュリティ対策以外にも、通信の種類に応じてQoSを実施したり、モバイル通信で実施されている特定のSNSだけデータ量無料を実現したり、広告表示に使用したりと様々な活用が行われている。
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DDoS Mitigation Device:
- FW、UTMなどに搭載されているDDoS防御機能?
- レート制限:特定のプロトコル・ポートの通信が閾値を超えた場合に通信を遮断
- Syn flood 防御:デバイス側でSYNに代理応答(SYN/ACKを返答)。後続のACKが返ってこない場合に、Syn floodと判断。

ISP の Routing Blackhole:

  • 悪性のトラフィックまたは好ましくないトラフィックを、内部ゲートウェイ・プロトコル・ドメインを介して「ブラックホール」(null0 などの Null インターフェース)にリダイレクトし、そこで永久的に破棄する。
  • ネットワーク管理者は特定の送信元 IP アドレスからのすべてのトラフィックまたは特定の宛先 IP アドレスへのすべてのトラフィックをブラックホールにリダイレクトさせる

サンドボックス:

  • 仮想環境内でのファイルやプログラムの挙動やふるまいをもとに脅威を検知する
  • シグネチャがまだ登録されていない未知の脅威であっても、効果的に検知することができる

暗号化ファイルシステム、ストレージ:
- LUKS(Linux Unified Key Setup):ディスク暗号化仕様。バックエンドにdm-cryptを用いて実装。
- dm-crypt:Linuxカーネルの透過型ディスク暗号化サブシステム。ディスク全体(リムーバブルメディアを含む)、パーティション、ソフトウェアRAIDボリューム、論理ボリューム、およびファイルを暗号化できる。
- TPM(Trusted Platform Module):安全な暗号プロセッサの国際規格。暗号鍵をデバイスに統合することによりハードウェアを保護する専用のマイクロプロセッサ。セキュアブート、キーストレージ、乱数生成など様々なセキュリティアプリケーションで使用する。

外部アクセスポート/デバイスの制限 (USB ポートの利用制限など):

  • 外部アクセスポートを制限:iptables、firewalld等で制限?
  • usb利用制限:usb_storageカーネルモジュールをブラックリストに追加
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  • 使用しない機能や設定を削除し、潜在的な脆弱性を低減する。
    • 不要なユーザー・アクセス権の削除
    • 使用していないサービスやソフトウェアの検出
    • 仮想マシン/コンテナに対する権限、リソース設定
  • いわゆる一般的な要塞化の話かな?
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SA.06.3 セキュリティインシデントの検出
重要度 3

概要

  • システムのセキュリティ異常検知について、主要な方式の動作原理や適用可能範囲を理解している。また、これに関する Linux 機能や OSS の選定および運用方法の設計ができる。

詳細

  • Linux 監査フレームワーク (Audit) で取得できる情報の範囲や基本的な運用の流れを理解している。
    • 監視対象の選定: ファイルアクセス監視、システムコール監視
    • 監査ログのクエリ、レポート出力
  • ホスト型侵入検知システム (HIDS) の動作原理を理解しシステムに組み込む。
    • ファイル改ざん検知: AIDE、Tripwire の設定及び自動化
    • マルウェア検知: chkrootkit、rkhunter の設定及び使用
    • OSSEC の構成要素と機能
    • アンチウィルスソフトの設定 (監視対象の選定など)
  • ネットワーク型侵入検知システム (NIDS) の動作原理を理解しシステムに組み込む。
    • Snort の設定及びルール管理
    • モニタリングツールを用いて異常の詳細を分析する。
    • トラフィック分析: tcpdump、Wireshark
  • セキュリティ情報・イベント管理解析ツール (SIEM) の機能概要を知っている。
    • 複数ソースから集約したログの正規化
    • 相関分析によるインシデント判定
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Linux 監査フレームワーク

  • CAPP (Controlled Access Protection Profile) に準拠した監査システム
  • カーネルが報告するイベントを受信し、ログファイルに書き込む

ファイルアクセス監視

# -wで特定のファイルへのアクセスをログに記録。
# r:読み込み、w:書き込み、x:実行、a:属性変更、未指定は全部
auditctl -w /etc/passwd -p rwxa
auditctl -w /etc/security/

# cat /etc/audit/audit.rules 
-w /etc/audit/audit.rules -p rwxa
-w /etc/security/

システムコール監視

# -aを付けるとシステムコールを監査 chmodシステムコールを監査する例
auditctl -a entry,always -S chmod

監査ログのクエリ

# 特定のPIDに関するイベントを検索
ausearch -p 1

# 検索を容易にするためにKEYを付与(-k)すると、キーで検索可能
auditctl -w /etc/passwd -p rwxa -k KEY_pwd
ausearch -k KEY_pwd

レポート出力

# 異常なイベント(※)を素早く検知可能
# ※:ネットワークインターフェイスがプロミスキャスモードに設定された
#   プロセスまたはスレッドが ENOMEM エラーで異常終了した、など
aureport -n

参考:https://wiki.archlinux.jp/index.php/Audit_フレームワーク

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ホスト型侵入検知システム (HIDS) :

  • Host-based Intrusion Detection System
  • NIDSはネットワークを監視、HIDSはコンピュータの中を監視

ファイル改ざん検知:

  • AIDE
    • Advanced Intrusion Detection Environment
    • オープンソースの侵入検知システム
    # インストール
    dnf install aide
    
    # 初期データベース作成
    aide --init
    mv /var/lib/aide/aide.db.new.gz /var/lib/aide/aide.db.gz
    
    # 設定の変更は/etc/aide.confを編集
    # CONTENT:内容のチェックのみ実施
    # CONTENT_EX:内容はチェックするが、属性(タイムスタンプ、パーミッションなど)は除外
    # DATAONLY:データの内容だけではなく、属性の変更も検知
    # PERMS:パーミッションを監視
    # LOG:変更をログに記録する
    # LOG+ANF+ARF(Allow New Files、Allow Removed Files):ファイルの作成、削除もログに記録
    # !:監視対象から除外
    /etc/passwd$     CONTENT_EX
    /var/log/lastlog$ PERMS
    !/usr/src
    
    # チェック実行
    aide --check
    
    # データベース更新
    # /var/lib/aide/aide.db.new.gzが生成されるのでnewを削除
    aide --update
    mv -f /var/lib/aide/aide.db.new.gz /var/lib/aide/aide.db.gz
    
  • Tripwire
    • Tripwire,Incの商用製品もあるが、OSS版もある
    # インストール
    dnf install tripwire --enablerepo=epel
    
    # サイトキー、ローカルキーの作成
    tripwire-setup-keyfiles
    
    # 設定の変更は/etc/tripwaire/twcfg.txtを編集
    # 編集後、サイトキーで署名
    twadmin --create-cfgfile --site-keyfile /etc/tripwire/site.key
     --site-passphrase <サイトパスフレーズ> /etc/tripwire/twcfg.txt
    
    # ポリシーファイル(/etc/tripwire/twpol.txt)で監視対象を指定
    # 同様に署名
    twadmin --create-polfile --cfgfile /etc/tripwire/tw.cfg
     --site-passphrase <サイトパスフレーズ> /etc/tripwire/twpol.txt
    
    # データベース初期化
    tripwire --init --local-passphrase <ローカルパスフレーズ>
    
    # チェック実行
    tripwire --check
    
    # 結果確認
    twprint --print-report --twrfile <レポートファイルのpath>
    
    # データベース更新
    tripwire --update --accept-all --local-passphrase <ローカルパスフレーズ>
     --twrfile <レポートファイルのpath>
    
    # ポリシー更新
    tripwire --update-policy --site-passphrase <サイトパスフレーズ>
     --local-passphrase <ローカルパスフレーズ> /etc/tripwire/twpol.txt
    
  • 自動化: どちらもジョブ機能等はないのでcronでチェックを定期実行
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マルウェア検知:

  • chkrootkit(ルートキット検知ツール)
    # インストール
    dnf install chkrootkit
    
    # 設定ファイル(/etc/chkrootkit.conf)
    # RUN_DAILYをtrueにすると、cron.dailyで定期実行
    RUN_DAILY="false"
    RUN_DAILY_OPTS="-q"
    DIFF_MODE="false"
    
    # 実行
    chkrootkit
    
  • rkhunter(ルートキット検知ツール、ルートキット以外も検知できる)
    # インストール
    apt-get install rkhunter
    rkhunter --update
    
    # 設定ファイル(/etc/rkhunter.conf)
    LANGUAGES=en
    WEB_CMD="/bin/false" (update取得するならcurlに変更)
    UPDATE_MIRRORS=0 -> UPDATE_MIRRORS=1 (as default value)
    MIRRORS_MODE=1 -> MIRROS_MODE=0 (as default value)
    PKGMGR=NONE -> DPKG
    
    # コンフィグチェック
    rkhunter --config-check
    
    # データベース更新
    rkhunter --update
    
    # チェック
    rkhunter --check --skip-keypress
    
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OSSEC:

  • ホスト型IDSのOSS
  • 機能: ログ解析と整合性チェック、Windowsレジストリの監視、ルートキットの検出、リアルタイム警告、アクティブレスポンス(異常イベント検知時に任意のスクリプトを実行する機能)
  • 構成要素:
    • マネージャ:ファイル整合性データベースや各種設定ファイル、イベントやログ等を保有。
    • エージェント:監視対象システムにインストール。エージェントが監視対象システム内の情報を収集し、マネージャに転送。セキュリティ確保のため、特権レベルの低いユーザで実行され、隔離された領域(chroot jail)で実行される。
    • エージェントレス:エージェントをインストールせずSSH接続して監視。ファイル整合性チェックを実施できる。
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アンチウィルスソフトの設定 (監視対象の選定など)

  • OSSだとClamAV?
  • 監視対象の選定
    • DB、およびDBに関連するファイルはスキャン対象外とすることが推奨されている
      • DBは頻繁に更新されるため、オンアクセススキャンの頻度が高くなる
      • 巨大なDBやREDOログをスキャンすると時間がかかる。ウィルス対策ソフトがDBやREDOログファイルをロックしてしまうと、DB破損の可能性がある
      • ウィルス対策製品のバグ(誤検知)でDB破損の可能性
    • 大きなファイル(ISOや仮想マシンのイメージファイル)はスキャン対象から外す
      • メモリ上にファイルを展開し、メモリが足りない場合テンポラリファイル(/tmp)などを用いてスキャンを行う
      • メモリやテンポラリディスクの急激な圧迫はシステム全体の安定動作に影響を及ぼす
    • 圧縮ファイルのスキャン要否の検討
      • スキャン時に圧縮ファイルを解凍してスキャンを行うため、上記同様メモリやテンポラリファイルを圧迫する可能性がある。
      • 高圧縮(多段階の圧縮)も要注意。Zip Bomb攻撃と呼ばれる攻撃もある。
      • スキャンサイズの上限や圧縮ファイルの階層指定を検討
    • ファイルサーバは通常スキャン対象外にする
      • 複数のクライアントからスキャンすると多重スキャンになる
      • スキャン専用のサーバを用意するなどの対策を検討
      • ストレージベンダ専用のスキャンインタフェースを使用(OnTAP、CAVAなど)
      • スキャンを分割する
      • バックアップを用いてスキャンを行う
        参考:https://security.sios.jp/vulnerability/antivirus-security-20161108/
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ネットワーク型侵入検知システム (NIDS) :

  • ネットワークを監視するIDS

  • Snort

    • オープンソースのネットワーク型のIDS
    • ソースで提供されているため、ダウンロードしてmakeする必要がある
    • libpcap、libpcre、pcre‐devel、dnet header、daq、zlib、LuaJIT、openssl-develなどが必要
    # 設定ファイルは/etc/sysconfig/snort
    INTERFACE=eth0(インタフェースを指定)
    
    # ルールセット(シグネチャ)は公式サイトにコミュニティ版があるので
    # ダウンロードして配置
    /etc/snort/sid-msg.map
    /etc/snort/rules/community.rules
    

    参考:https://qiita.com/Brutus/items/b11c3324492a4e25a152

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セキュリティ情報・イベント管理解析ツール (SIEM):

  • 複数ソースから集約したログの正規化
    • ノイズのフィルタリング
    • カテゴリ別に分類、インデックスを付与
  • 相関分析によるインシデント判定
    • 異なる複数の端末やアプリケーションなどが記録するログの相関(コリレーション)を分析し、ネットワーク上で発生している一連の問題の関連性を把握する分析手法

参考:https://www.redhat.com/ja/topics/security/what-is-SIEM

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SA.07.1 ログ・メトリクス・トレースの取得・収集
重要度 3

概要

  • 確認したいシステムの振る舞いに応じて、何の情報を取得すべきかを適切に選定できる。
  • 主要なログ・メトリクス・トレースについて、具体的な取得と集約の方法を設計できる。

詳細

  • システム全体の振る舞いを確認する際に使われる指標を理解している。
    • アプリケーション単位の応答やパフォーマンス
    • リクエストのトレース
  • ログ・メトリクス・トレースを取得・集約する際の処理方式の違いを比較できる。
    • プッシュ型、プル型
    • エージェント、エクスポーターの有無
    • 収集結果のストア方式: 時系列データベース
  • IPMI、SNMP によるログ・メトリクス取得について、適用可能な条件や基本的な処理の流れを理解している。
    • ipmitool、SNMP クライアントの基本操作
    • SNMP version 3 のユーザー認証とアクセス制御機能
  • Zabbix の構成要素を理解し、ログ・メトリクスの集約方式やノード間の疎通方法を選定する。
    • Zabbix サーバー、エージェント、Sender
    • アイテムのタイプ・キーの設定
  • Prometheus の構成要素を理解し、メトリクスの集約方式やノード間の疎通方法を選定する。
    • Prometheus サーバー、Node exporter、Pushgateway
    • サービスディスカバリ
  • Fluentd (td-agent) を用いてログの収集・加工を一元化する。
    • fluent.conf、Match、Buffer
    • Input、Output、Filter プラグイン: in_tail、out_file、filter_parser など
  • 分散トレースの基本的な概念と、これを取得する手順を理解している。
    • トレース、スパン、TraceId、SpanId
    • OpenTelemetry によるトレース取得: SDK、Collector
    • バックエンドへのストア: Jaeger
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プッシュ型

  • 監視対象にエージェントをインストールし、各エージェントが監視サーバに対してデータを送信する構成
    ‐ 監視サーバ側の構成変更不要
  • 外部サーバからのアクセス不要(インバウンドを開ける必要なし)
  • SaaS型は基本的にプッシュ型(Datadog,Mackerelなど)

プル型

  • 監視サーバ側で監視対象の設定を行い、監視対象からデータを集めてくる構成
  • 古くからある監視製品はこちらが多い(Nagios,Zabbix,Prometheusなど)
  • エージェントレス構成もあるが、取得項目が制限される
  • エージェント/エクスポーターを使用して各種詳細データを収集

収集結果のストア方式

  • 時系列データベース
    • 時間によってインデックス化されたデータの集合(主キーがタイムスタンプ)
    • 基本的にCRが中心。UDも可能だが性能が落ちるなど制約あり。

参考:https://yasuharu519.hatenablog.com/entry/2017/12/16/215855

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IPMI:

  • Intelligent Platform Management Interface
  • コンピュータシステムやサーバのリモート管理と監視を行うために標準化されたハードウェア管理インタフェースおよびプロトコル
  • IPMIに準拠したサーバが必要
#Health Event Log基本情報の取得
ipmitool sel list > ipmi-event.log

SNMP:

  • Simple Network Management Protocol
  • バージョン:v1,v2c,v3
# 収集例
snmpwalk -v 2c -c public localhost .1.3.6.1.4.1.2021.9.1.2.1

SNMP version 3

  • ユーザー認証の流れ

    1. (→):監視対象へエンジンIDを要求
    2. (←):エンジンIDを送信
    3. (→):エンジンIDを利用しユーザ名、パスワード、暗号化パスワード、OID等を暗号化して送信
    4. (←):OIDに紐づく情報を暗号化して送信
  • アクセス制御

    • VACM(view-based Access Control Model)を利用
    • ユーザ毎にMIBオブジェクトに対するアクセス制御を実施
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Zabbix

  • 構成要素
    • サーバー:いわゆる管理サーバ
    • エージェント:監視対象にインストールし、データを収集、サーバに送信。
    • プロキシ:一つ以上の監視対象からデータを収集し、サーバーへ送信(中継機能)
    • javaゲートウェイ:JMXアプリケーションの監視をネイティブにサポート
    • Sender:コマンドラインユーティリティ
  • 集約方式:
    • サーバー⇔プロキシ⇔エージェントの階層構造にすることで、サーバーの負荷集中を軽減
    • プロキシで一時的にデータを保管できるが、最終的にはサーバーに集められる
  • アイテム:
    • タイプ:監視種別のこと。(エージェント、シンプルチェック、SNMP、IPMI、JMXなど)
    • キー:個別の監視設定?

参考:https://www.zabbix.com/documentation/2.2/jp/manual/concepts
   https://www.scsk.jp/product/oss/tec_guide/zabbix/1_zabbix5_2.html

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Prometheus

  • 構成要素
    • Prometheus サーバー:監視サーバ
    • Node exporter:監視エージェント
    • Pushgateway:生存期間の短いサーバー等に対してプッシュ型のメトリクス収集を提供。
  • サービスディスカバリ
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Fluentd (td-agent)

  • Inputプラグイン:
<source>    #Inputプラグインは<source>ディレクティブで指定
@type tail    利用プラグインの指定
tag       タグ名
path       ログファイルパス
pos_file     指定ファイルに最後に読み込んだ位置を記録します。
format      ログのフォーマット ’/’で囲まれた正規表現を指定
time_format   時間フィールドのフォーマット(strftime形式)
</source>
  • Outputプラグイン:
<match タグ名> #outputプラグインで指定するディレクティブ
        #inputプラグインに指定したタグ名を記述する
@type file   #fileプラグインの設定
path      出力ログファイルパス
time_slice_format   出力ファイル名+付与される名前(デフォルト%Y%m%d)
time_wait    出力ファイルがローテーションする前に待つ時間(デフォルト10分)
<バッファの設定> 後述
</match>
  • Filterプラグイン:
<filter タグ名>  #指定したタグを対象にフィルタ処理
  @type parser # parserは独自パーサーを定義<parse>~</parse>
  key_name log
  <parse>
    @type regexp
    expression /^(?<host>[^ ]*) [^ ]* (?<user>[^ ]*) \[(?<time>[^\]]*)\] "(?<method>\S+)(?: +(?<path>[^ ]*) +\S*)?" (?<code>[^ ]*) (?<size>[^ ]*)$/
    time_format %d/%b/%Y:%H:%M:%S %z
  </parse>
</filter>
  • Buffer
    • 性能と信頼性向上
      • まとめて出力
      • 出力先の一時的な障害に対応
      • オンメモリとファイルの指定が可能
      buffer_type memory
      buffer_queue_limit 64
      buffer_chunk_limit 8m
      

参考:https://www.sraoss.co.jp/wp-content/uploads/files/event_seminar/material/2016/osc2016_tokyo_spring.pdf

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分散トレース

  • マイクロサービスのように複数のサーバーにまたがるトレースを追跡・監視する仕組み
    • TraceID:コールパス全体に発行
    • SpanID:各APIコールに発行

OpenTelemetry

  • サービスインストゥルメンテーション(パフォーマンスを測定する方法)のオープンソースプロジェクト
  • テレメトリーデータを収集し、バックエンドプラットフォームに送信する方法を標準化。保存や可視化は対象外(JaegerやPrometheusを利用)
  • Java、Go、Pythonなどの様々な言語用のSDKを含む、仕様、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、ライブラリ、およびインテグレーションで構成

collector:データ管理システム。Receivers、Processors、ExportersのPipelineで構成。

  • Receivers:1つ以上のソースからテレメトリーデータを受け取るための機能
  • Processors:Receiverから流れてきたデータを受け取り、Batch処理やFilter Processorを設定し、次の段階に送るデータを選択したりする
  • Exporters:Processorsから送られてきたデータを、送信先のバックエンドが対応しているデータ形式に変更し、送信

バックエンド:

  • Jaeger:テレメトリーデータを収集し、それを可視化、分析するUI
  • X-ray:AWSのサービス

参考:https://zenn.dev/hkdord/articles/aws-open-distro-for-opentelemetry-xray

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SA.07.2 監視と対処
重要度 2

概要

  • 監視の目的に応じて監視対象のログ・メトリクスに対して適切なアラートの発生条件や段階を設定できる。
  • 具体的な OSS を用いてアラートの発報と対処ができる。またシステム運用の自動化や監視体制の改善を計画できる。

詳細

  • アラートを出すための発生条件を目的に応じて設計する。
    • メトリクスによる判断: 閾値、一定時間内の変化、平均値、など
    • ログによる判断: 特定のメッセージ、タグ、回数、など
    • 複数イベントの相関による判断
  • Zabbix や Prometheus でアラートとアクションを設定する。
    • 通知: Eメール、チャット、インシデント管理サービスへ登録など
    • システム運用の自動化: 負荷分散環境のオートスケール、優先度の低いサービスの一時停止など
  • システムの稼働状況に応じて監視体制を改善する。
    • ログの量・レベルの選択
    • 間違ったアラートの排除
    • アラートのロジック改善、重要度見直し
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SA.07.3 収集したデータの保全と分析
重要度 3

概要

  • 長期に渡るリソースの使用状況などを横断的に分析し、拡張時期の計画などに役立てる。
  • 分析・可視化のための具体的な OSS を使ってログ・メトリクス・トレースを参照できる。
  • システムのセキュリティ対策などを目的とするデータの保全体制を設計できる。

詳細

  • 分散トレースの可視化について理解している。
    • トレースビュー、サービスマップ
    • タイムラインの調整、フィルタリング
  • Grafana による可視化の基本設定を行う。
    • データソース設定: Zabbix、Prometheus、Jaeger からそれぞれログ・メトリクス・トレースの取得
    • クエリ文の設計、結果の加工: フィルタリング、補間、グルーピングなど
    • パネルの設定
    • キャッシュやタイムアウトの設定
  • 長期に渡って取得したデータを分析し、拡張や設計変更の計画を立てる。
    • 稼働率やリソース使用量の長期的なトレンド及び増加傾向
  • アクセスログやデータの保全の目的と注意点を理解している。
    • ログの収集基準、保管期間、保管場所の設定
    • 追跡データのタイムスタンプ一貫性の維持
    • 完全性を担保するための改ざん防止策の検討
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SA.08.1 テストの設計と効率化
重要度 3

概要

  • 非機能要件を含めてシステムの構成要素からサービス全体までをそれぞれテストするための観点を理解し、テストの計画と実施、評価ができる。
  • テストの継続的実施を効率化する仕組みを導入できる。

詳細

  • システムの構成要素の振る舞いを確認するテストについて、実施方法の設計や結果の評価を行う。
    • パラメータ設定確認
    • コンポーネントごとに設定した要件 (レスポンスタイムなど) の達成確認
    • コンポーネント間の疎通確認
  • システム全体の振る舞いを確認するテストについて、実施方法の設計や結果の評価を行う。
    • 入力: 異常値・特異値、過負荷、スパイク、長時間
    • 障害: 電源断、接続断、コンポーネントの部分停止
    • シナリオ: フェイルオーバー、バックアップ・リストア
  • 修正や設計変更の対象・内容に応じて適切に影響範囲を把握し、差分テスト・回帰テストを計画する。
    • サブシステム、コンポーネントの依存関係
    • 既存機能 (既存リクエスト) と追加機能の同時実行
    • 各非機能要件への影響
  • 非機能要件に関わるテストを容易化するツールについて、それぞれの目的や動作概要を理解している。
    • 負荷試験: Apache JMeter、分散負荷試験ツール
    • 障害注入試験: Chaos Toolkit
  • 再現性や再試行容易性の向上を目的としたテストの自動化を計画・実装する。
    • 設定値確認や正常性確認の自働化: InSpec、serverspec、Ansible
    • UI 操作の自動化: Selenium、Cypress
    • 構成ドリフトの検出や差分追跡
    • エビデンスの取得
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SA.08.2 機能変更時の設計
重要度 2

概要

  • 機能変更の際に、どのような後方互換が必要かを判断し、互換インターフェースの提供方法やサポート方法を設計できる。
  • 機能変更後の不具合を予防・早期発見・対策できるようにするための手順や環境を導入できる。

詳細

  • 個々の変更が互換性にどう影響するかを判定する。
    • フロントエンド - バックエンド間の API 変更
    • データベースのスキーマ変更
  • 過去バージョンのフロントエンドからのアクセスに対して後方互換を提供し、またサポート終了を計画する。
    • エンドポイント分岐や Reverse Proxy による従来動作の維持
    • アクセスログ取得によるサポート期限やライフサイクルの判断
  • 予定された機能変更において、ヒューマンエラーを含めた不具合発生の予防や対策を行う。
    • バージョン管理されたデータベーススキーマ変更スクリプトの活用
    • データベース更新とアプリケーション更新の分離
  • 変更を原則凍結した過去バージョンに対し、バグやセキュリティのバックポートを管理する。
    • バックポート対象のトリアージ
    • git を活用しての変更履歴管理
    • 修正結果のナンバリング、ネーミング
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SA.08.3 継続的な統合とデプロイ
重要度 3

概要

  • 稼働中システムの変更を想定したテスト手法、デプロイ方式を理解している。
  • ビルド・テスト・デプロイを自動化するパイプラインの概念を理解し、具体的な CI/CD ツールにより環境構築できる。

詳細

  • 実データ、実リクエストを活用するテスト手法を理解している。
    • カナリアテスト (カナリアリリース)
    • シャドーテスト
  • 各種デプロイ方式について、手順やデータ移行の必要性、不具合発生時の切り戻し手順などの観点で比較し、適切な方式を選択する。
    • インプレースアップグレード
    • ローリングアップデート
    • ブルーグリーンデプロイ
  • イミュータブルなインフラストラクチャを構成する。
    • システム構成のコード化による冪等性の確保
    • 環境設定 (認証情報、ネットワーク設定、ランタイムオプションなど) の外部化
    • コードのバージョン管理によるロールバックの容易化
  • OpenTofu、Ansible、cloud-init などのシステム構成ツールを用いて具体的な IaC 環境を構成する。
    • クラウド基盤の各種リソースの自動構築
    • 物理サーバーや仮想マシン、ネットワークデバイス等のセットアップ
  • Jenkins や GitLab CI/CD を用いて標準的な CI/CD パイプラインを設計する。
    • 各ステップを自動実行するスクリプトの作成: アプリケーションやコンテナのビルド、テストツールの実行やカバレッジ等の取得、IaC ツールの実行、デプロイ、など
    • パイプライン自体のコード化と履歴管理: Jenkinsfile、.gitlab-ci.yml
    • リポジトリコミットをトリガーとするパイプラインの起動
    • エラーハンドリングとパイプラインの中断
    • 柔軟なデプロイのための設定: リリースゲート、自動ロールバック
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カナリアテスト

  • カナリアリリース(一部のユーザにのみ新バージョンをアクセスさせる手法)を用いて本番環境でテストを行う手法

シャドーテスト

  • 本番トラフィックをミラーリングしてテスト環境で再現
    • メリット:本番環境に影響がない、本番環境の負荷でテスト可能
    • デメリット:コスト/運用オーバーヘッド、外部連携時の不具合(決済処理など)

インプレース

  • 旧バージョンを停止し、新バージョンをデプロイする方法
    • メリット:シンプル、下位互換性の問題を回避
    • デメリット:ダウンタイムが発生

ローリングアップデート

  • 実行中のアプリケーションのサブセットを更新し段階的にデプロイする方法
    • メリット:ダウンタイムが無い、ロールバック可能
    • デメリット:時間が掛かる、下位互換性が必要

ブルーグリーンデプロイ

  • 旧環境(Blue)と新環境(Green)を用意し、LBで切り替える方法
    • メリット:ダウンタイムなし、即時ロールバック可能、環境分離
    • デメリット:コスト、下位互換性がないとロールバックできない(データに不整合)

参考:https://zenn.dev/hi_ka_ru/articles/deploy-test-pattern-20240513