Agile Studio Fukui BASE 見学レポート
アジャイルの聖地に行ってきた
2025年11月7日(金)に株式会社永和システムマネジメントの中にある、Agile Studio Park FUKUI BASEに見学に行ってきました。
行ったいきさつとしては、今年度三菱CC研究会の活動にコーディネーターとして参画しておりまして、研究部会としてはDXを推進する組織的なアジャイル開発に関する研究~アジャイル開発の深掘りと組織的拡大の秘訣を調査~というテーマを扱っています。
そこで部会メンバーでの合宿先として福井を選定し、こちらに見学に行ったというものです。
三菱CC研究会とは何かにつきましては、以下説明がホームページからの引用となりますので参考となります。
引用)ホームページリンク:https://www.mitsubishi-cc.com/
三菱CC研究会は、コンピュータとコミュニケーションの研究を通じて社会の発展に寄与することを目的として、1984 年に設立されました。近年は、会員企業における次世代を先導する人材の育成を支援するため、研究テーマをデジタルやデータの活用に拡げるとともに、複雑化した社会課題を解決し持続可能な社会を実現すべく、イノベーティブなアイディアの創出に繋がる「人脈形成と進化」を目指しています。
設立以来毎年度、社会・企業に最も影響を与えると考えられる研究テーマを掲げた複数の研究部会を設置し、1 年間に亘って調査、研究、提言をおこない、年に 2 回の報告会を開催しています。また、最新の情報技術に関する講演会、討論会、見学会なども随時開催しています。企業の枠を超えた人脈形成は、研究部会等への参加の大きなメリットとなっています。
アジャイルについて研究している私の所属している部会は部員、コーディネータ含めて全体で29名で活動しており今回はその全員で福井に行ってきました。
Agile Studioとは、20年以上アジャイル開発の取り組みを行っている永和システムマネジメントさんが2020年に立ち上げた専門組織となってます。
従来型の企業でアジャイル変革に 汗水流すチェンジリーダーと一緒に 世界を変えたい
永和システムマネジメントは福井に本社を置くソフトウェア開発ベンダです。20年以上にわたって多くのお客さまとアジャイル開発に取り組んで来ました。これまでの実績や経験を踏まえ、2020年にアジャイルの専門組織である Agile Studio を立ち上げました。Agile Studio はアジャイルなソフトウェア開発の実践を通じて、組織を中から変えていくチェンジリーダーを育て、エネルギーと笑顔に満ち溢れる組織づくり・チームづくりをお客さまと一緒になってやっていきます。
引用)Agile Studioについて:https://www.agile-studio.jp/about
ホームページにも大きく書かれていますが、見学の申し込みフォームがありますので、そちらから申し込みをしたところ快諾いただき行くことになりました。
東京から福井まで
Agile Studio Park FUKUI BASEは福井駅のすぐ近くにあります。東京から福井までは北陸新幹線が通ってますので、東京駅から福井駅まで直通で3時間程度で着きます。
よって当日朝から移動し、午後に見学させていただくというスケジュールを組みました。
ちなみに三菱CC研究会で取り扱うテーマは毎年検討されて決まるのですが、過去アジャイルについて取り扱っていた2018年にも同じく永和システムマネジメントさんに見学に行った記録が残ってました。その際の合宿計画書を見ると北陸新幹線が未だ福井まで通ってなかったため移動時間がもっと長い計画になってました。その時と比べるととても便利になってますね。
Agile Studio Park Fukui BASEでのやりとり
入室させていただくと、ニュースキャスターがお話する風のデスクにてお迎えいただき、当日のアジェンダもつくっていただきご説明いただきました。

なお、出迎えていただいた方の中には社長の平鍋さんもいらっしゃり、わざわざ時間を割いていただいて対応いただきました。とてもありがたかったです。
会社の取り組みやアジャイル開発へのとらえ方などを平鍋さんのお言葉で丁寧に語っていただき、その後そのフロアの紹介をいただきました。

ガレージをイメージした棚です。福井といえば恐竜の化石で有名ですのでそれを形作った恐竜のレゴです。
この場所を作っているメンバーでのワークショップの形跡もそのまま掲示されていました。
大きな模造紙に付箋を使ったものも、アイデア出しや整理としてはやはり良いものだなと再確認できました。

その後永和システムマネジメントの本社に移動し見学させていただく
本来見学としては、福井駅前にあるAgile Studio Park Fukui BASEか、永和システムマネジメントの本社のどちらかを選択し見学やご質問させていただくようなのですが、今回はアジャイルに対してある程度理解があるという前提でその説明を省略することで、2か所とも見学させていただくことができました。
本社は福井駅から少し離れていますので車で移動します。


AgileStudioで平鍋さんに説明いただいていたのですが、本社の建物は永和システムマネジメントを立ち上げたときには右半分だけ建築したそうで、経営がうまくいって軌道に乗せることができたらもう半分である左側も作ることを計画したそうです。
その後順調にうまくいって今は左側もできていて一体感のある建物になってます。この進め方もある意味アジャイルで進められていると感じました。計画性というかビジョンを持って進められたのかなと思います。

駅からも見えるこの本社屋上にあるモニュメントは左側のものが福井県鯖江市で眼鏡が有名であるためそれをイメージした視力を測るランドルト環が書かれており、その右には恐竜の町福井であるため恐竜の卵を模したものを掲示していました。
正面から見ると恐竜のしっぽのようなものが出ているような形になってます。
ちなみにこの卵については夕方にライトアップされており、次の日の天気を表しているそうです。
この日はオレンジになったので、次の日は晴れ予想でした。

コロナ以降はリモートでのチームが多くはなったそうですが、様々なフロアを見学させていただきました。
朝会の進め方を紙で貼ってあります。集まって目につくところにあるというのはやはり強力だなと感じました。

新規事業を開発しているチームも見学させていただきました。こちらは電子回覧板のサービスを構築しているチームでした。

写真では少しわかりにくいのですが、各個人の机が8角形のような形で外向きになっています。そこで個人作業はやりつつ、会話したかったり急遽打ち合わせしたい場合には椅子ごと後ろ向くと中央の机のところで会話できるという構成です。
これはハニカム構造の机位置というやつで、この構造にするのも話し合いと個人のアイデアからこうしていると仰ってました。
また、部屋に関する改善要望についてもいつでもだれでも出せるようになっていました。対応されたことも含めて可視化されているのは良いなと感じました。

見学を1時間ほどさせていただき、その後は研究活動として必要な情報をお持ちかどうかを平鍋さんとAgile Studioのディレクターもされている岡島さんお二人同時に対応いただき様々な質問をさせていただきました。
今年のアジャイル研究活動のテーマとして以下3つを主に研究しています。
- アジャイル開発を高度化、進化するためにはどうしたらよいか
- アジャイル開発を組織内に拡大していくためにはどうしたらよいか
- 生成AIの登場によりアジャイル開発はどう変化していくか
それぞれの内容を様々な角度で質問させていただき、丁寧にこれまでの経験を踏まえて回答いただき理解を深めることができました。
詳細は省略しますが、アジャイル開発を目的化せずに、冷静にどのようなやり方が一番良いかをお客様と一緒に考える、模索していって同じ方向性向けたら一緒にアジャイル開発をやっていくのである、といったことを岡島さんがおっしゃっていたのが印象に残りました。私はそのプロセス自体がアジャイルな考え方のように感じました。
おわりに
今回はAgile Studio Park FUKUI BASEと永和システムマネジメント本社を見学させていただき、目で見てアジャイルの場を感じるとともに、お二人の一つ一つの言葉よりこれまでの経験・知見の一端を共有させていただいたのでとても勉強になりました。
ちなみに翌週にAgile Japan2025では平鍋さんが最終キーノートの発表をされていました。キーノートスピーカーをされるようなすごい方のお時間をたくさんいただいてしまい、後からも申し訳なさを感じましたが、私自身も得られた情報・知見について周囲に広めていくことで広く還元していきたいと思います。
おまけ
永和システムさんの壁は全面ホワイトボードになっているものが多いようです。
なぜかサインがたくさん書いてある壁があり、そこにはこの間中野にきて講演いただいた和田卓人さんのサインもありました。福井に行かれてるんですね。

また、本社の前で皆さん写真撮ってください、と叫ぶ平鍋さんです。

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