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良いチームとはどんなチーム?

2024/11/28に公開

はじめに

新卒から今まで6~7年、アジャイル開発の開発チームに所属し、Web・スマートフォンアプリ開発に携わってきました。その中で新人からリーダーまでを経験したので、今の自分が思う良いチームについて経験則を元にまとめます。

良いチームといっても多くの観点から評価できますが、今回はチームの技術レベル・開発環境といった部分ではなく、コミュニケーション・対人スキルの側面から見ていこうと思います。
またここでいうチームとはGoogle re:Workの定義に習い以下の定義とします。

チーム:メンバーは相互に強く依存しながら、特定のプロジェクトを遂行するために、作業内容を計画し、問題を解決し、意思決定を下し、進捗状況を確認します。チームのメンバーは、作業を行うために互いを必要とします。
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/#define-team

ここでは、自分が経験した3〜10人のチームを対象に話を進めます。

アジャイル開発のチームを主な参考にしていますが、どんなチームでも役立つ内容を目指しましたので、参考になれば嬉しいです。

サマリー

自分が良いチームとして大切だと思うものを3つ優先度順に記載します。

  1. 雰囲気が良い
  2. 各人が自主的に判断を下し行動できる
  3. 小さい改善が繰り返されている

それではそれぞれの詳細について見ていきましょう。

雰囲気が良い

まずこれが一番大事なのか?と思う方もいるかもしれませんが、個人的にはこれが一番大事と思っています。
チームの雰囲気さえ良ければ、どんな困難も乗り越えることができました。よく 「心理的安全性が高い」 といった使われ方をしてますが、まさにそれです。

心理的安全性: 心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/#identify-dynamics-of-effective-teams

「雰囲気が良い」をもう少し具体化すると、様々なバックグラウンドを持つメンバーが互いをリスペクトし、自由に意見を発信・議論できる環境があることかと思います。
そのような環境であればまず個人の意見発信や挑戦へのハードルが下がり、より主体的に行動しやすくなります。そして個々の変化がチームの成長に繋がり、その成功体験から更にチームに貢献する意欲を持つようになると感じています。これが次の要素、各人が判断して行動できる環境に繋がります。

逆に雰囲気が悪いと、個々の可能性や活躍の幅がどんどん狭まってしまうように感じます。発言の心理的ハードルが上がり、ミスをしないようなタスクであったり、個人だけで完結できるようなタスクを選んでしまうからです。チーム全体での発言のしにくさから、仲の良いメンバー間だけでの個人チャットでコミュニケーションを取り、そこでチーム全体とのミスコミュニケーションが発生してしまうなどのケースもありました。

雰囲気を良くすることは簡単なことではなく正解がある訳でもないですが、まずはお互いの話に興味を持ち、どんなことでも質問してみることから始めてみてはいかがでしょうか。打ち合わせの中で自分の理解を確かめたり、休憩時間を利用して興味のある話をしてみる、そのような一人一人の活動がやがてチーム全体の雰囲気に波及していくと思います。

チームとして最大の成果を出していくには、メンバーの力が最大限に発揮でき、その相乗効果を十分に享受できる状態が必要であり、その第一要素が「雰囲気が良い」ことであると自分は考えています。

各人が自主的に判断を下し行動できる

2つ目はこれですが、こちらもよく「自己管理型(自己組織化)」といった言葉で表されます。

スクラムチームは・・・(中略)、⾃⼰管理型であり、誰が何を、いつ、どのように⾏うかをスクラムチーム内で決定する。
https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf

過去のスクラムガイドでは「最善の策を、チーム外からの指示ではなく、自分たちで選択する」

最善の策を、チーム外からの指示ではなく、自分たちで選択する
https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2017/2017-Scrum-Guide-Japanese.pdf

と記載がありましたが、最善の選択できなくとも、自分達で考え選択し行動する状態にまず到達できていれば良いと思います。自分達で決断した選択であれば、そこに責任感が生まれ、その結果がどうあれ最善の方向に向かう為の取り組みが行われます。
また変化の激しいビジネス環境にあるチームにおいて、自己組織化されていなければ、コミュニケーションコストが大きくとてもスピードが追いつかなくなってしまいます。

チーム外やチーム内の一部のメンバーの指示をそのまま実行している状態であると、うまくいった時の達成感は低く、うまくいかなかった時にはどうしても責任を自分ではなくその指示を行った組織に転嫁してしまうような思考になってしまいます。そうではなく、自分達のどこを改善すれば良いかという思考にリソースを使った方が健全ですよね。

チーム開発なので、個人では達成できないような成果をチームであげることが求められます。一部のメンバーが1~10まで指示を行うような状態では、いずれ頭打ちが来てしまいます。各人がそれぞれの目で現状を判断し協業し合うことで、自分にはない他メンバーの判断軸を吸収し、個人そしてチームが成長していくことができます。

ここではまずは属人化を減らす取り組みが大切です。ペアでタスクを実施するなど、有識者はできるだけ知識をチームにトランスファーするようにしましょう。そして全メンバーがチームを見渡して判断を行うきっかけ作りとして、イベントのファシリテーターを輪番で行うなどの取り組みはやはり有効な手段かと思います。

小さい改善が繰り返されている

最後はこのトピックです。「”小さい”と”繰り返し”」が大事と思っています。
もちろん大きなトピックに対して積極的に改善活動を行えるようなチームが理想ですが、ここではその状態に向けてのファーストステップについて話していきたいと思います。

改善したい課題があるとき、それについてチームでアイディアを出し合い、すぐ取り組めるアクションに落とし込み、実施してみる。そしてその結果について再びチームで、何かが変わったのか、もっと良い方法はないか、次にできることは何かを話し合い、行動に移していく。このサイクルがチームに定着することで、課題の大小に関わらず向き合うことができるようになると思います。

「小さい」を強調した理由としては、やはり一歩を踏み出すハードルが低いからです。 まず取り組みやすい課題、解決に期間を要さないものの解決から実行し、やり切ること。それを繰り返す中でより取り組みやすい環境が醸成されていきます。
一度で100%の正解を求めて高すぎる目標を設定したり、その取り組み方について長い議論をしてしまうと、どうしても次の課題に取り組み際の心理的ハードルが高まってしまいます。なので全員でアイディアを出し合い良いと思う方向にまず進んでみる、取り組みやすい部分からまずやってみる、といったようにとりあえずやってみることが大切です。まずやってみた結果を受けて、また次に実施することを決めてやってみる。この繰り返しが見えていなかった最適解に辿り着ける一つの方法だと思います。これが「繰り返し」を強調した理由です。

具体的な期間については、チームの規模や組成からの時期により微妙に変わってきますが、やはり2週間に1時間程度はチーム全員で自分達を振り返る時間を取った方が良いと思います。これぐらいの期間であれば記憶が鮮明であり、自分達で打ち出した改善のアクションを振り返るのにもちょうど良いタイミングです。もちろん小さな内容であれば、デイリーミーティングやその都度解決する形でも問題ありません。

少し話がそれますが、改善活動では多くの場合、まずメンバー同士で「課題」を挙げることから改善活動が始まります。たまに「自分達の強み」や「より伸ばしていきたい部分」に注目してアクションを考えることも大切かと自分は思います。その方がアクションを考えること・実行に移すこともより楽しくできることがあるので、マンネリ化してきたり、違う刺激が欲しいと感じたときに実施してみてはいかがでしょうか。

終わりに

ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。この記事の内容から少しでも学びを得て頂けますと幸いです。
今後もアジャイル開発関連の記事を投稿していこうと思います。

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