軽はずみに始めるアウトプット活動のすゝめ
軽はずみに始めるアウトプット活動のすゝめ
はじめに
エンジニアならアウトプット活動して勉強してスキルを磨いていこうな?という意見を目にすることが度々あります。
確かに能動的に学習機会を設けてインプットを行い、それをわかりやすく書き起こして有益な情報として発信するというのはとても価値ある活動です。
しかし、書くからには実用的でなければ・・・明確な根拠ある内容でなければ・・・ということに囚われすぎてアウトプットの頻度が落ちたり、アウトプットすることそのものが面倒になってしまっては元も子もありません。
本記事では、いかにしてアウトプット活動のハードルを下げつつ気軽に継続していくかについて考えていこうと思います。
アウトプット活動の心構え
- 必ずしもすごいクオリティのものだけを公開したり発表する必要はない
- しょぼいアウトプットを積み重ねることに意味がある(たぶん)
- 批判やネガティブな意見が怖い?→命が取られるわけではない(くらいの気持ちでいよう)
- 有益な意見だなあと思ったら受け止めて改善に繋げる
- 嫌だなと思ったら気にしない(受け入れる/拒否する権利は自分にある)
アウトプットのクオリティよりも自身のモチベーションを維持することが大切な気がします。
なぜアウトプットするか
未来の自分のために便利情報集を残す
個人的にはこれがアウトプットの一番の目的な気がします。
エンジニアをやっていると、知っていなければならないこと・覚えていなければならないことはたくさんありますし、いちいち調べずとも覚えているに越したことはないのですが、
全てを記憶しておくことは普通に考えて不可能ですし、その時々で何が必要で何が重要な情報かは移り変わっていくこともあります。
なので「忘れちゃっても大丈夫」「忘れても気軽に思い出せる」という状態にしておくと、なんとなく気持ちが楽になっておすすめです。
人目に付く場所でアウトプットすることの効果
たとえば、良いコードレビューを受けると「その手があったか!」と新しい気付きを得ることがあります。
同様に、アウトプットを公にすることで他者からのフィードバックが得られる機会もあるでしょう。
他者の視点で意見をもらうと、新たな発見やアイディアに繋がり成長のきっかけになるかもしれません。必ずしもポジティブなフィードバックだけが来るわけではありませんが、それも含めて改善のネタにしてしまいましょう。
また、前述した未来の自分のための便利情報集が他の人にとっても有益なものである可能性もあります。
文章を書くのが上手くなる
なんだかんだで業務時間中は、コードを書く時間よりもなんらかの文章を書いている時間の方が長いものです。
たくさん文章を書いていると、それだけドキュメンテーションのスキルが向上します。
もう少し具体的に言うと、他者に自身の意図や考えを正確に伝える能力が向上します。
テキストベースのコミュニケーションで齟齬なく意思疎通や認識共有を行うのって結構難しいですよね。
文章をわかりやすく書く力というのは、コミュニケーション能力の向上に直結する技術なのかもしれません。
知見を共有すること
個人的な意見ですが、知見を共有すること自体を目的にアウトプット活動を行うのはハードルが高いです。
知見共有や集合知の一部となるような情報発信は素晴らしいことですが、
自分は「自分のために記事を書いてみた」→「たまたま記事を読んだ誰かの役に立った」くらいの感覚でアウトプットするようにしています。
どこか誰かに有益な情報が届くこと自体は活動の目的ではなく結果、みたいな感じでしょうか。
とはいえ外部に自分発の情報が届くことになる以上、知見の共有や集合知に関してある程度は意識する必要があります。
集合知としての価値
アウトプットを通じて個々の知見を共有することで、集合知としての価値が生まれます。
異なる視点や経験を持つエンジニアたちが集まり知恵を結集させることで、より良い解決策やアイディアが生まれる可能性が高まります。
→異なる視点や経験を共有できるというのが大きいですよね。すごく勉強になる。
コミュニティへの参加・コミュニティの形成
アウトプットを共有することでその情報を必要とする人間で構成されたコミュニティが形成されます。
同じ興味を共有するエンジニアたちがつながり、協力し合うことで個々のスキル向上に寄与するでしょう。
→というと勉強会やカンファレンスイベントなどのコミュニティ活動もなんだか大変そうな感じがします。軽はずみに始められるコミュニティへの参加としては小規模な勉強会コミュニティが企画しているアドベントカレンダーに参加する
・LT会に参加して発表を覗いてみる
などが挙げられるでしょうか。イベントに参加して、SNSで他の方のブログの感想をコメントしたり、登壇者の発表内容にハッシュタグ付きでリアクションのコメントをするだけでも立派なアウトプットの1つです。
そう考えるとコミュニティ参加におけるアウトプット活動もそんなにハードル高くないかも?と思えてきます。
最低限のラインだけは決めておく
軽はずみにアウトプットを始めようぜ、と言う趣旨で今回記事を書いていますが、
記事の内容が無法状態であってもよいことにはならないので、そこだけは留意する必要があります。
- 事実かのように主観で意見を述べない(主観的意見を述べてはいけないわけではない)
- 情報の出典を明らかにする(本や論文の引用であれば書名・著者名を明記する)
- 説明を行う際は可能な限り一次情報を参照する・リンクを貼る
- 自分の発信した情報であるかのように他人の記事を使用しない(リスペクトの気持ちを持って出典元を明らかにする)
さいごに
自分の意見や知見を外部に共有することに自分自身、抵抗がありがちなので、
今回は、ほぼ自己分析だったり自戒の念を込めて改めて自身の考えについて文章化してみました。
誰にとっても有益な情報だったり他者から評価されるような発信をしなければ、とついつい考えがちなのですが、アウトプットは自分にとって少しでも価値があればそれでいいんだ、というマインドで気軽に・軽はずみにやっていきたいものです。
最後に、最近読んだ本の帯に書いてあった一言で締めたいと思います。
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