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JSTQB Foundation Level に合格した話(受験方法、勉強方法、感想)

2023/04/10に公開2

概要

JSTQB Foundation Level に合格したので、受験方法、勉強方法、感想についてまとめます。

受験理由

Web 系企業でソフトウェアエンジニアとして働いています。業務で品質観点からソフトウェア開発に取り組むための一環としてソフトウェアテスト周りの知識を学んでいました。その経緯で、ソフトウェアテストの資格として JSTQB Foundation Level があることを知り、体系的な知識の獲得のため受験しました。

JSTQB Foundation Level 概要

JSTQB の概要は公式ホームページの JSTQB について を引用します。

JSTQB とは、日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織で、 各国のテスト技術者認定組織が参加している ISTQB(International Software Testing Qualifications Board)の加盟組織として 2005 年 4 月に認定されています。
ISTQB の加盟組織の各国団体は資格および教育・訓練組織認証について相互認証を行っています。つまり、JSTQB が運営するソフトウェアテスト技術者資格は海外でも有効な資格となっています。

https://jstqb.jp/committee.html

JSTQB Foundation Level については JSTQB Foundation Level (FL) 試験の概要・合格基準と取得するメリットがわかりやすかったので、引用します。

JSTQB FL 試験は、ソフトウェアテスト技術者の入門的な立ち位置の資格試験です。
ソフトウェアテストに直接関係する方はもちろん、一般的なソフトウェアエンジニアの方にもおすすめできる資格です。学習することにより、ソフトウェアテストとはなんぞや、という基本的なところを一通り学ぶことができます。

https://www.qbook.jp/column/20210524_1168.html より引用

Advanced Level もありますが、Foundation Level の合格が受験条件の 1 つなので JSTQB 関連の資格では登竜門的な立ち位置になっています。

余談ですが、JSTQB には AUTOMOTIVE SOFTWARE TESTER という分野も用意されており、テスト分野が多岐にわたることを知りました。下記のリンクでさらに多様な分野が紹介されているので気になる方は見てみてください。

https://www.istqb.org/#certifications-diagram

受験方法

JSTQB Foundation Level は Pearson Vue のNPO 法人ソフトウェアテスト技術振興協会 JSTQB 認定テスト技術者資格試験から受験できます。そして、「JSTQB 認定試験申し込み Web サイト」から試験予約をします。手順にも書いてありますが、試験予約をする前に「受験資格情報確認」を終える必要があります。いきなり「試験予約」しようとしてもできないので気をつけましょう。また「受験資格情報確認」や「試験予約」のページでは、画面が開いてから時間を置いてから表示される項目があるので、焦らず待ちましょう。

勉強方法

勉強期間

2023 年 2 月 20 日から平日は 2 時間、休日は 2 ~4 時間程度勉強しました。
2023 年 4 月 2 日に受験したので、100 時間に満たない程度勉強したと考えています。

勉強方法

基本的にシラバスを読んでテスト友で問題を解いて、理解が薄い部分や記憶に定着していない部分をシラバスで読み直すという勉強方法をしていました。利用した勉強教材は下記です。勉強教材を順番に説明します。

ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第 4 版 シラバス 2018 対応

公式が出版しているシラバスを解説した書籍です。最初は本書をもとに勉強をしていました。シラバスの内容を具体的に言い換えてわかりやすい部分もあったのですが、割と最初の段階で参考にするのをやめました。理由は、本書の対応バージョンがすでに古いバージョンだったからです。公開されている最新のシラバスは Version 2018 V3.1J03 ですが、本書は Version 2018 J03 です。本書を読む上でシラバスとの差分を調査する労力が必要になったため、後述するシラバスに切り替えました。とっかかりとしてとりあえず読んでも良いですが、最後まで本書で合格しようとするのはやめたほうが良いです。

https://www.seshop.com/product/detail/23025

テス友

テス友は VALTES 社が開発している無料のアプリケーションです。スマートフォンでダウンロードして問題を解きます。JSTQB の Foundation Level に対応しています。シラバスの内容を問題に反映しているため、シラバスを適切に暗記と理解しなければ解けない問題が多いです。そのため、テス友はシラバスを時間をかけて読むきっかけになりました。
「章ごとに出題」「ランダムに出題」「間違えた問題から出題」といった機能に加えて、章ごとの正答率も表示されるので、勉強の進捗や理解度がわかりやすく非常にお勧めします。
注意点は、出題される問題よりも本番の問題の方が難しい上に、本番で似たような傾向の問題は出題されますが同じ問題は出題されないので、テス友の問題を周回するだけでなくシラバスも読み込んだ方がよいです。

https://www.qbook.jp/info-testomo/

テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス Version 2018V3.1.J03

公式のシラバスです。私は先入観でいきなり読むことは避けましたが、とっつきづらい部分はなく、むしろ最初から読むべきだと思いました。JSTQB Foundation Level に合格するには、シラバスを読んでテス友で問題を解いてさらにシラバスを読み込むで問題ないです。
シラバスは適切に意味を理解し覚える必要があります。特に似たような意味の用語を明確に整理して読んだ方がよいです。また、内容ごとに必要な理解度も記載されているので、それも参考に重点的に勉強するのか判断しましょう。本番はシラバスの内容から出題されるので、テスト当日まで読み直しました。

https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_Version2018V31.J03.pdf

JSTQB® 認定テスト技術者資格 Foundation Level 試験対策講座

こちらも VALTES 社が作成した対策講座の e ラーニングです。購入すると 2 年間視聴できます。シラバスの内容を動画で解説してくれます。シラバスに図はないので図に起こして知識の整理ができるという点で有用でした。また、模擬試験もあるのでそちらも受講できます。注意点としては、テス友と同じ会社が作成しているので模擬試験の傾向がテス友と似ていることと、シラバスの解説も事細かに説明するわけではないので別途シラバスを確認しながら受講した方が良いです。
私は全体的な流れの再確認と最後の問題を目当てにシラバスをすべて読んでから視聴しました。

https://www.qbook.jp/e-learning/jstqb-foundation-level.html

受験当日

JSQTB Foundation Level は CBT 形式ですので、テストセンターで受験しました。受験時間は 75 分で 40 問です。だいたい 40 分ぐらいで一通り問題を解き、残り 20 分ぐらいで見直しをしていました。

結果通知

テストを終了しても試験結果はすぐにでません、公式からは 2 週間以内といわれています。私は 4 日後に合格通知のメールが届きました。合格は申し込みサイトの、「受験資格情報一覧」ページの「Foundation Level 試験」の詳細から確認できます。合否は表示されますが、点数は公開されません。

感想

総じて受験して良かったと考えています。理由は 2 つあります。
1 つめは、テストの体系的な知識を勉強できたからです。当初の目的だった「体系的なテストについて学ぶ」を資格の受験によって達成しました。受験するまでは、テストはテスト技法のこと以外は考えていませんでしたが、テストを品質マネジメントの 1 つとして認識でき、1 つ視野を広げられた実感があります。
2 つめは、国際的な団体が仕様として決められているものですので、テスト用語の共通認識として使えることです。定期的に最新版にアップデートされているので、情報の正当性が保証されていたり、キャッチアップが楽な部分も大きいです。

残念だったことは、点数や章ごとの点数が開示されないことです。問題を解いた際に自身がなかった箇所の結果を知ることができないのは次に活かせませんでした。

今後は、より業務で JSTQB の内容をもとにアウトプットを意識します。また、あくまでソフトウェアテストは QA 活動の一部ですので、プロダクトマネジメントの内容や DevOps といった領域からも知見を深めていきます。JSTQB の資格では、テストアナリストに興味があるので 1 年経過したら受験を考えます。

まとめ

JSTQB Foundation Level はソフトウェアテストの規格を学ぶのに最適な試験でした。いろいろと教材を紹介しましたが、シラバスを読み込むのが一番だと考えています。JSTQB Foundation Level を受験予定の方の参考になれば幸いです。

参考

https://jstqb.jp/committee.html

https://www.qbook.jp/column/20210524_1168.html

Discussion

takytaky

1日どれくらいの量の勉強を行ってましたか
また、どの勉強の内容と資格取得までのスケジュールを教えてください。

mskmsk

@taky

返信が遅くなり申し訳ございません。
当時の資料を漁ったら、次のような日程で行ったことを思い出しました。
厳密に従ったわけではないのと、「ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第 4 版 シラバス 2018 対応」に沿った日程ですので、参考程度にしていただけると幸いです。