Oracle MASTER Silver SQL合格した話(受験方法、勉強方法、感想)
概要
Oracle MASTER Silver SQL に合格したので、受験方法、勉強方法、感想についてまとめます。
受験理由
業務で Oracle を使用します。しかし、普段 MySQL や PostgreSQL しか使用した経験がありませんでした。同じ RDB でも癖がある(ように感じる)Oracle の理解を深めたくて、Oracle MASTER Silver SQL の受験を決意しました。
Oracle MASTER Silver Silver SQL 概要
Oracle MASTER Silver SQL とは、ORACLE MASTER 資格の 1 つです。分類は ORACLE MASTER SQL、資格は ORACLE MASTER Silver SQL と呼ばれます。
内容は、DML、表や索引などのオブジェクト作成・管理に必要なデータ定義言語、データ制御言語、およびリレーショナルデータベースの概念を理解していることを証明します。また、Global 資格である Oracle Database SQL Certified Associate に同時認定されます。受験対象者は、開発者、データアナリストです。
新制度により、Oracle MASTER Silver SQL と Oracle MASTER Silver DBA は Oracle MASTER Bronse を合格する必要がなくなりました。そのため、前提資格なしで受験可能です。
受験方法
受験方法がわかりづらかったため記載します(2022 年 1 月現在の受験方法)。Oracle アカウントが必要なので持っていなかったら、手順の途中で作成しましょう。
以下のリンクから Person|VUE のオラクル認定試験のページに移動します。
「ログイン」をクリックし、Oracle University の CertView ページに遷移します。
Person|VUE のオラクル認定試験のページ
「Login to CertView」をクリックし、Oracle アカウトでログインするとダッシュボードが表示されます。
左の地球儀マークをクリックして、日本語を選択しましょう。
翻訳した後「試験の表示」をクリックすると、試験の検索ページが表示されます。
Oracle University の CertView ページ
検索フォームに、試験番号 「1Z0-071-JPN」(2022 年 1 月現在)を入力して検索すると、試験名「Oracle Databse SQL」が表示されるので、クリックします。入力途中で予測にでてくる「1Z0-071-JPN: Oracle Database SQL」を選択しても同じ画面に遷移します。
試験の検索ページ
試験の検索結果のページ
あとは、画面の指示に従って、ページ毎に受験方法、試験会場、日程、支払いを完了すれば申し込み完了です。
勉強方法
「オラクルマスター教科書 Silver SQL Oracle Database SQL」(以下、黒本)をもとに勉強を進めました。黒本では、章番号、出題範囲、出題頻度がまとめられており、以下のようになっています。
章番号 | 出題内容 | 出題頻度 |
---|---|---|
1 | リレーショナル・データベースの概念 | * |
2 | SQL SELECT 文を使用したデータの取得 | ** |
3 | データの制限とソート | ** |
4 | 単一行関数を使用した出力のカスタマイズ | ** |
5 | 変換関数と条件式の使用 | ** |
6 | グループ関数を使用した集計データのレポート | ** |
7 | 複数の表からのデータの表示 | *** |
8 | 副問合せを使用した問合せの解決 | ** |
9 | 集合演算子の使用 | *** |
10 | DML 文を使用した表の管理 | *** |
11 | 索引、シノニムおよびシーケンスの管理 | * |
12 | DDL による表とその関係の管理 | *** |
13 | ビューの管理 | * |
14 | ユーザー・アクセスの制御 | ** |
15 | データ・ディクショナリ ・ビューを使用したオブジェクトの管理 | * |
16 | 異なるタイム・ゾーンでのデータ管理 | * |
全部で 16 章あるので、1 日 2 章ペースで読み進め、7 日間で読み切りました(難易度または出題頻度が低い箇所は流し読みしました)。その後、章末問題の模擬試験を解き点数を出してから、理解が浅かった箇所から復習を始め、4 日間で 2 周目を完了しました。結果、合計勉強日数 11 日間で、黒本を 2 周しました。1日あたりの勉強時間は 2 時間から 3 時間ほどでした。
SQL に関する事前知識は、書籍では「わかりみ SQL」と「達人に学ぶ SQL 徹底指南書第 2 版」で学習したことがありました。業務でも SQL *Plus と SQL Developer で Oracle の SQL を記述した経験があります。ですので、知識ゼロの状態で勉強した人よりは勉強時間が短ったと考えています。
感想
受験した感想を技術面とそれ以外の 2 つで記述します。
技術面
技術面で受験して良かったことは、Oracle に使われる SQL の理解を深めたことです。sysdate 、置換変数(&
、&&
)、タイムゾーンといった機能に対して、普段の業務で使用しながらも、理解があいまいでした。本資格では、これらの範囲をカバーしているため、学習により理解を深めることができて良かったです。
また、Oracle 独自の語法(MERGE、一時表、マルチテーブル・インサートなど)と、権限の知識(USER_、ALL_、DBA_、データ・ディクショナリ)が試験範囲だったことも良かった点です。
これらを知る機会はおそらくなかったので、今回の試験で知ることができてよかったです。
逆に技術面で残念だったことは、PL/SQL やユーザー定義の関数、window 関数、with 句は範囲の対象外だったことです。Oracle を選択した際に、頻繁に使われる機能だと思っていので学ぶことができなくで残念でした。PL/SQL が試験範囲の資格もあるみたいですので、そちらを受ける必要がありそうです。
ほかには、Oracle 独自の語法と権限周りの知識を除けば、通常の SQL を学んでいれば知識を明確にできるだけで、実力が向上されるわけではないと感じました。正しいたとえかはわかりませんが、受験によってレベル 1(必須知識)からレベル 2(必須知識+α)になるのではなく、レベル 1(必須知識)を把握するような感覚です。
技術面以外の感想
技術面以外の良かったことは、普段使う Oracle を資格として用意してあるのは、勉強の指針として立てやすくてよかったです。「使用するかわからない知識」を漠然と勉強するよりは良い動機付けになりました。
残念だった面では、受験費用を 32,340 円(税込)と高額だったことです。国際的な資格として認められる(らしい)ことを考慮しても、割高に感じられました。本資格は Oracle MASTER Silver DBA の試験範囲の一部らしいですが、そちらも受験費用が 32,340 円(税込)らしいので、やはり割高に感じます。資格は時間と金銭の両方のコストにおいて納得して受験する必要があります。
まとめ
Oracle MASTER Silver SQL の受験方法、勉強方法、感想についてまとめました。
良かったこと残念だったことを記述したので、受験を考えている方の一助になれば幸いです。
参考
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