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AWS S3 の料金をざっくり10GB単位で見る

2021/04/05に公開

※この記事ははてなブログ別アカウント(hyiromori)から引っ越しました

はじめに

AWS S3 は便利ですね。
高耐久で容量も無制限に使えるため、色々な用途で使えます。
しかし料金はいくつかの要素の組み合わせで決まるので、分かりにくいという側面もあります。

本記事では、AWS S3 の料金を10GB単位でざっくりと紹介し「10GBならこのぐらいかかるのかー」というのを紹介しようと思います。

おことわり

この記事は AWS S3 の料金を大まかに知ることで、どの程度の料金がかかるのかを感覚的に理解することを目的にしています。
正確な料金の表記ではないので、その点ご了承ください。

最新の正確な料金は AWS 公式ドキュメントを参照してください。

料金 - Amazon S3 |AWS

対象のリージョン

以下の2リージョンを対象にします。

  • アジアパシフィック(東京): ap-northeast-1
    • 以下「東京」と表記します。
    • レイテンシが小さい東京リージョンを使う場合が多いため。
  • 米国東部(バージニア北部): us-east-1
    • 以下「バージニア」と表記します。
    • 料金的に最安な場合が多く、レイテンシが問題にならない用途で使う場合が個人的に多いため。

料金の単位と計算方法

  • 「$1 = 100円」で計算します。
  • 1円未満は四捨五入します。
  • 容量は基本的に「10GB」の単位で、月当たりの金額を計算します。
  • 無料利用枠は計算に含めません。
  • 使用量に応じて料金が変わることがありますが、基本的に一番高い価格帯で計算します。(例:S3 標準の保管料金は「最初の 50 TB/月」「次の 450 TB/月」「500 TB/月以上」で料金が変わりますが、一番高い「最初の 50 TB/月」で表記・計算します)

まとめ

最初にざっくりまとめておきます。
ストレージクラスは「S3 標準」で計算しています。(詳しくは後述します)

リージョン 保管料金 ダウンロード料金 アップロード料金
東京 25円 (10GBあたり) 114円 (10GBあたり) 0円 (10GBあたり)
バージニア 23円 (10GBあたり) 90円 (10GBあたり) 0円 (10GBあたり)

保管料金

S3 にデータを保管した場合の料金です。
データバックアップなど、あまりアクセスせず容量の大きいデータの場合は、この料金が大きくなってきます。

ストレージクラスによって料金が変わってきますので、ストレージクラス毎に料金を紹介します。

※以下の2つのストレージクラスは対象外にしています

  • 「S3 Intelligent - Tiering」2つの階層を自動で行き来するもので、計算しにくいため。(運用では有効な場面はありますが、料金は出しにくい)
  • 「S3 1 ゾーン - 低頻度アクセス」1アベイラビリティーゾーンのみに保管され、耐久性の観点であまり使うことがなさそうなため。

S3 標準

一番標準的なストレージクラス。
あらゆる用途に使えるが、最も料金が高い。

  • 東京: 25円(10GBあたり)
  • バージニア: 23円(10GBあたり)

S3 標準 - 低頻度アクセス

アクセス頻度は低いが、必要に応じてすぐに取り出すことが必要なデータ向けのストレージクラス。
S3 標準に比べて保管料金は低めに設定されているが、最小オブジェクトサイズ(128 KB)と最小ストレージ期間(30日間)が設定されている。
128KB未満の小容量データや、30日未満の短期間のみ使う場合は高くつく場合があるので注意。

  • 東京: 14円(10GBあたり)
  • バージニア: 13円(10GBあたり)

S3 Glacier

データのアーカイブ向けのストレージクラス。
かなり安い料金で保管ができるが、すぐに取り出すことはできない。
古いログや、法律上保管が義務付けられているデータなど長期間の保管が必要で、すぐに取り出せなくても大丈夫な(数分~数時間待てる)データに向いている。
最小オブジェクトサイズ(40 KB)と最小ストレージ期間(90日間)が設定されている。

  • 東京: 5円(10GBあたり)
  • バージニア: 4円(10GBあたり)

S3 Glacier Deep Archive

こちらもデータのアーカイブ向けのストレージクラス。
かなり安い料金で保管ができるが、すぐに取り出すことはできない。
古いログや、法律上保管が義務付けられているデータなど長期間の保管が必要で、すぐに取り出せなくても大丈夫な(12時間以内)データに向いている。
最小オブジェクトサイズ(40 KB)と最小ストレージ期間(180日間)が設定されている。

「S3 Glacier」に似ていて、違いは取り出し時間と、最小ストレージ期間が異なる。
180日以上保管して、数分で取り出したい場面がなければ「S3 Glacier Deep Archive」の方が料金的に安い。
「S3 Glacier」の後にできたストレージクラスです。

  • 東京: 2円(10GBあたり)
  • バージニア: 1円(10GBあたり)

転送料金

S3 からのデータ転送にかかる料金です。

アップロードについては料金がかかりません。
また同一リージョン内の AWS サービスへの転送や CloudFront への転送には料金がかかりません。

ダウンロード(インターネットへの転送)や別リージョンへの転送については以下の料金がかかります。

  • 東京: 114円(10GBあたり)
  • バージニア: 90円(10GBあたり)

リクエスト料金

S3 にアクセスした場合の料金です。
アクセス頻度の高いデータを置いている場合は、この料金が大きくなってきます。

リクエスト料金は容量ではなく回数に応じてかかるので、10万回(100,000回)単位で料金を計算します。
データ取得は安く、データ操作は取得に比べると高く設定されている印象です。

PUT、COPY、POST、LIST リクエスト料金

S3 のデータを操作したり、一覧で取得する場合にかかる料金です。

S3 標準

  • 東京: 47円(10万回あたり)
  • バージニア: 50円(10万回あたり)

S3 標準 - 低頻度アクセス

  • 東京: 100円(10万回あたり)
  • バージニア: 100円(10万回あたり)

S3 Glacier

  • 東京: 571円(10万回あたり)
  • バージニア: 500円(10万回あたり)

S3 Glacier Deep Archive

  • 東京: 650円(10万回あたり)
  • バージニア: 500円(10万回あたり)

GET、SELECT、他のすべてのリクエスト

S3 のデータを取得する場合にかかる料金です。

S3 標準

  • 東京: 4円(10万回あたり)
  • バージニア: 4円(10万回あたり)

S3 標準 - 低頻度アクセス

  • 東京: 10円(10万回あたり)
  • バージニア: 10円(10万回あたり)

S3 Glacier

  • 東京: 4円(10万回あたり)
  • バージニア: 4円(10万回あたり)

S3 Glacier Deep Archive

  • 東京: 4円(10万回あたり)
  • バージニア: 4円(10万回あたり)

その他

上記以外にかかる場合がある料金を紹介します。
料金の詳細は公式ドキュメントを参照してください。

ライフサイクル移行リクエスト

ストレージクラスを変更する場合にかかる料金です。

データ取り出し

S3 Glacier, S3 Glacier Deep Archive からデータを取り出す場合にかかる料金です。
リクエスト回数と、取り出す容量それぞれに応じて料金がかかります。

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