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激安なデュアルCPU開発機(サーバ)を自作する

2020/11/06に公開
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背景

最近流行りの k8s や 仮想化などで遊んでいると現状の CPU のコア数に満足できなくなってくると思います。
かくいう私はもっぱらノートPCで遊んでいるのですが、18歳の時に手に入れた THUNDER K8QS PRO S4882 を最近手放した為、そろそろちゃんとした(?)開発マシンを作成しようかと思います。

手放した THUNDER K8QS PRO S4882

参考サイト

マルチCPU大好きおじさんは普段から デュアルソケット・ザ・ワールドDoError を拝見させて頂いております。
圧倒的情報量に感謝ッッ。

OS の選択肢

自作機に Mac OS を乗せることも可能ですが、今回は除外します。
基本的に自作機の OS は Windows 10 になると思うのですが、 AI(keras + Tensorflow ) や Hadoop ( MapReduce )、 Blockchain ( Solidity や Hyperledger Fabric)の開発環境はやはりLinuxが便利なので一応載せておきます。
(Windows 10 の WSL2 を利用すればある程度開発できるので十分な気はしますが)

OS 名称 値段
Windows 17,000[1]
Linux 0
BSD 0

Linuxは基本的にどのディストリビューションでもデュアルCPUには対応していると思います。
私はよく Linux Mint を利用しています。

ちなみに、 Windows は Home ではなく Pro を選択しなくてはいけません。
Home だとデュアル CPU を認識しません。

ガチなデュアルCPU開発機の構成

2020年にデュアルCPUマシンを組むならば以下のような構成になると思います。
(グラボやCPU 、ストレージは除く)

電源

基本的に 24ピン + 8ピン + 8ピン の電源が必要になります。
ATX 電源ではなく、 EPS 電源を選んで下さい。

Intel

LGA3647 のマザーボードを購入することになると思います。
56 コア/ 112 スレッドの Xeon Platinum 9282 は BGA のため除外してます。
また、LGA4189 が来そうですが 2020/11 の時点で日本国内で入手が厳しいので除外しています。

  • マザーボード
    ASUS WS C621E SAGE
    NVLink対応のワークステーションマザーの選択肢はこれしかないような気がします。

    価格.com の最安値は 92,949 円でした。

  • CPU

    製品名 コア数 スレッド数 ベース動作周波数 最大動作周波数 キャッシュ
    8280L 28 56 2.70 GHz 4.00 GHz 38.5 MB
    8280 28 56 2.70 GHz 4.00 GHz 38.5 MB
    8276L 28 56 2.20 GHz 4.00 GHz 38.5 MB
    8276 28 56 2.20 GHz 4.00 GHz 38.5 MB
    6238R 28 56 2.20 GHz 4.00 GHz 38.5 MB

    この中で現実的なのは Xeon Gold 6238R BOX かもしれません。
    値段は 2020/11 現在、価格.comで 316,360 となっています。
    8380HL は推奨価格が 17,906 ドル(日本円で約180万円)となっており個人では手が出しづらいです。

AMD

  • マザーボード
    GIGABYTE MZ72-HB0
    Rome 対応かつ PCIe Gen4 のデュアルソケットマザーボードはこれになると思います。

    コストを抑えたバージョンもいくつかあるのでPCIe3.0 で良い場合は以下も選択肢に入るかと思います。
    MZ71-CE0
    MZ71-CE1
    参考: コスト重視のデュアルEPYC 7002対応マザーボード、GIGABYTE「MZ71-CE」シリーズ

  • CPU

    製品名 コア数 スレッド数 ベース動作周波数 最大動作周波数 キャッシュ
    7H12 64 128 2.6 GHz 3.3 GHz 256 MB
    7742 64 128 2.25 GHz 3.4 GHz 256 MB
    7702 64 128 2.0 Ghz 3.25 Ghz 256 MB
    7702P 64 128 2.0 Ghz 3.25 Ghz 256 MB
    7662 64 128 2.0 Ghz 3.3 Ghz 256 MB

    どの CPU で組んでも 128コア / 256 スレッド で動作させることができるのはロマンが溢れますね。

まとめ

ガチ構成は高い。宝くじが当たらないとムリ。

激安なデュアルCPU開発機の構成

ここからが本題です。
正直、どれも高くて手が出せないので中古のマザーボードを選択することになります。

しかし、それでは面白くありません。
せっかくなので新品の中華マザーについて調べたいと思います。

中華マザーのデュアル CPU は X79 と X99 が主流のようです。
(X79 や X99 がデュアル CPU 対応なんて聞いたことがありませんが...。)

X79 vs X99 の簡単な比較表

チップセット 対応CPU ソケット 対応メモリ 最大 コア/スレッド数
X79 xeon Xeon E5-1600/E5-2600 v1 or v2 LGA 2011 DDR3 12/24
X99 xeon Xeon E5-1600/E5-2600 v3 LGA 2011-3 DDR4 18/36
  • X79を使って2個のxeonを載せた場合 ... 24 コア / 48 スレッド
  • X99を使って2個のxeonを載せた場合 ... 36 コア / 72 スレッド

ちなみにX99 は E5-2600 v4 が使えるかどうか怪しいので記載していません...。
使えた場合は 最大コア/スレッド数は 22/44 となり、44/88 スレッドまで可能となります。

以下にX79とX99のマザーボードを載せておきます。
カタログスペックがどこまで信用できるかわかりませんが...。

X79 チップセット

たぶん X79 ではありません。

[X79] Atermiter

公式ホームページを見つけることができませんでした。
購入は Aliexpress 等で買うことができます。

Atermiter X79-Dual

  • フォームファクタ
    • ATX
  • CPU
    • Xeon E5-1600/E5-2600 シリーズ V1/V2 プロセッサ
  • メモリ
    • DDR3 1866 / 1600 / 1333 / 1066
    • 最大: 128GB( 32GB * 4 )
  • PCIE
    • x16 * 2
    • x2 * 2
  • SATA
    • SATA 3.0 * 2
    • SATA 2.0 * 4
  • M.2
    • pcie x4 3.0 nvme

[X79] Huananzhi

公式ホームページがグロイくらい重いです。

X79 Dual-4D Motherboard

  • フォームファクタ
    • E-ATX
  • CPU
    • 不明
  • メモリ
    • DDR3 1866 / 1600 / 1333
    • NON-ECC / REG ECC/ ECC
    • 最大: 不明 * 4
  • PCIE
    • 3.0 / 2.0 x16 * 3
    • 3.0 / 2.0 x8 * 2
  • SATA
    • SATA 3.0 * 2
    • SATA 2.0 * 4
  • M.2
    • 1つ
  • 公式サイト

X79 Dual-8D Motherboard

  • フォームファクタ
    • E-ATX
  • CPU
    • 不明
  • メモリ
    • DDR3 1866 / 1600 / 1333
    • NON-ECC / REG ECC/ ECC
    • 最大: 不明 * 8
  • PCIE
    • 3.0 x16 * 2
    • 3.0 x1 * 2
  • SATA
    • SATA 3.0 * 2
    • SATA 2.0 * 4
  • M.2
    • 1つ
  • 公式サイト

X79 Dual-16D Motherboard

  • フォームファクタ
    • E-ATX
  • CPU
    • 不明
  • メモリ
    • DDR3 1866 / 1600 / 1333
    • NON-ECC / REG ECC/ ECC
    • 最大: 不明 * 16
  • PCIE
    • 3.0 x16 * 3
    • 3.0 x8 * 3
  • SATA
    • SATA 3.0 * 2
    • SATA 2.0 * 4
  • 公式サイト

[X79] Jingsha

SLI/CF が可能らしいです。

Jingsha X79DUAL

Jingsha X79DUAL-S8

[X79] Kllisre

公式ホームページを見つけることができませんでした。
購入は Aliexpress 等で買うことができます。

SLI/CF 対応らしいです。

KLLISRE X79 Dual CPU motherboard

[X79] KKmoon

公式ホームページを見つけることができませんでした。
購入は Aliexpress 等で買うことができます。

こちらも SLI/CF 対応らしいです。

KKmoon デュアル CPU マザーボード LGA2011 SATA3.0 E-ATX M.2 256G DDR3 メインボード

X99 チップセット

たぶん X99 ではありません。
似たような基盤が多くメーカー名も不明なのが多かったので、パット見メーカー名がわかるものだけを列挙します。
本チップセットで使えるメモリが DDR4 とまだ値下がりしていないので画像とリンクだけ貼っておきます。

[X99] Huananzhi

X99Dual-F8D Motherboard


リンク: http://www.huananzhi.com/html/1/184/185/491.html

X99Dual-T8D Motherboard


リンク: http://www.huananzhi.com/html/1/184/185/456.html

[X99] Jingsha

X99 DUAL CPU


リンク: AliExpress

[X99] Kllisre

X99 DUAL CPU


リンク: AliExpress

[X99] MCHINIST

機械工X99デュアルcpu


リンク: AliExpress

[X99] SZMZ

Szmz X99デュアルcpu


リンク: AliExpress

まとめ

安価にマルチコアなデュアルCPU開発機を作成しようとすると
現状はきちんとメーカーのホームページがある Huananzhi の X79 が選択肢になってくると思います。

ヤフオクなどでは DDR3 メモリは安価に大容量のものが購入できるので私も X79 でデュアルCPUマシンを作成したいと思います。

2020/11/09 追記

ネット以外では秋葉原などにも稀に中華製デュアル CPU マザーが置いていたりします。

脚注
  1. 「Windows 10 Pro 64bit 日本語 DSP版」の値段 ↩︎

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