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整数問題(1)

2022/11/12に公開

M を自然数(正の整数)の定数とする. M1 の位を b_1 とし, a_1 = M - b_1 と定める.以降,自然数 n に対して, \displaystyle \frac{a_n}{10} + 7b_n1 の位を b_{n+1} とし, \displaystyle a_{n+1} = \frac{a_n}{10} + 7b_n - b_{n+1} とするとき,次の問いに答えよ.

1) 全ての自然数 n に対して, a_n + b_n = M となるような M を全て求めよ.
2M = 1 とするとき, a_{23} + b_{23} を求めよ.
3M = 22^{2022} とするとき, a_{10000} + b_{10000} を求めよ.

ヒント ❔

13 つあります.必要性から考えましょう.

2) 直接計算できる範囲なので計算してみましょう.

3) この数列の性質として,(1)で不動点,(2)で周期性を見てきました.実は一般に,a_{n+22} + b_{n+22} \equiv a_n + b_n \pmod {69} が成り立ちます.これを示してみましょう.

解答 ✅

1) 全ての自然数 n に対して, b_n1 桁の整数であり, a_n は帰納的に 10 の倍数となるので, a_k + b_k = M ならば, a_k = a_1b_k = b_1 である.
したがって条件より a_{n+1} = a_n = a_1b_{n+1} = b_n = b_1 である.これを漸化式に代入して整理すると,3a_1 = 20b_1 を得る.
b_11 桁の整数なので,(a_1, b_1) = (0, 0), (20, 3), (40, 6), (60, 9) である.
このうち (a_1, b_1) = (0, 0) は,M = 0 となるので不適.よって,M = 23, 46, 69


2) 下記の表より,a_{23} + b_{23} = 1

n 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
a_n+b_n 1 7 49 67 55 40 4 28 58 61 13 22 16 43 25 37 52 19 64 34 31 10 1


3) 10 \equiv 1 \pmod 3 であるから, 10^{22} \equiv 1 \pmod 3 であり,また,フェルマーの小定理より, 10^{22} \equiv 1 \pmod {23} であるので,中国剰余定理より,

10^{22} \equiv 1 \pmod {69} \cdots ①
を得る.ところで,与式を変形すると,
\displaystyle 10(a_{n+1} + b_{n+1}) = a_n + b_n + 69b_n \cdots ②
が得られるので,帰納的に,
\displaystyle 10^{22}(a_{n+22} + b_{n+22}) = a_n + b_n + 69\sum_{i = 0}^{21}10^i b_{n+i}
である. a_n, b_nは整数であるから,これとより,
\displaystyle a_{n+22} + b_{n+22} \equiv a_n + b_n \pmod {69}
が成り立つ.したがって
a_{22n + 1} + b_{22n + 1} \equiv 22^{2022} \pmod {69} \cdots ③
である. 22 \equiv 1 \pmod{3} および 22 \equiv -1 \pmod{23} より,中国剰余定理から,
22^{2022} \equiv 1 \pmod{69}
9989 \equiv 1 \pmod {22} であるので,より,
a_{9989} + b_{9989} \equiv 1 \pmod {69} \cdots ④

次に,a_{9989}+b_{9989} \leq 69 を示す.再びより帰納的に,

\displaystyle 10^{n-1}(a_n + b_n) = M + 69\sum_{i = 1}^{n-1}10^{i-1} b_{i}
であるから, 0 \leq b_n \leq 9 であることに注意して, 
\begin{aligned}\displaystyle a_n + b_n &= \frac{M}{10^{n-1}} + 69\sum_{i = 1}^{n-1}10^{i-n} b_{i} \\ &\leq \frac{M}{10^{n-1}} + 69\sum_{i = 1}^{n-1} 10^{i-n} \cdot 9 \\ &= \frac{M}{10^{n-1}} + 69\{1-(\frac{1}{10})^{n-1}\} \\ &< \frac{M}{10^{n-1}} + 69 \end{aligned}
これより, M = 22^{2022}, n=9989 を代入して,
a_{9989}+b_{9989} < \frac{22^{2022}}{100^{4994}}+69 < 70

a_{9989}+b_{9989} は自然数であるから,a_{9989}+b_{9989} \leq 69 である.これとより, a_{9989} + b_{9989} = 1 である.したがって(2)の表より, a_{10000} + b_{10000} = 22\square

コメント 💬

2015 JMO 予選(10) の改題です.
どのような自然数 M から出発しても,一定の周期の中に吸い込まれていくブラックホールみたいな数列ですね.

ちなみに(2)で気付いた方もいると思いますが,周期表に出現する数は全て 3 で割って 1 余る数になっています.つまり, M = 2M = 3 などから出発した場合,a_n+b_n \pmod{69} の周期はいずれも同じ 22 になりますが,(2)の解答にある周期表とは全く別の周期表になります.ちょっと初期値がズレただけでその後は全く別の道をたどり,生涯巡り合うことはないのですね.

証明してはいないのですが,性質から考えると,この数列の69以下の領域はアトラクターの定義を満たすような気がします.そのうち気が向いたらやってみます.

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