認証手段としてSign in with AppleだけサポートしたアプリはApp Storeで公開可能か?
結論
可能です。少なくとも記事を投稿した2025年6月17日の時点で、個人開発したアプリが審査を通過して公開されています。何度かアップデートしているので、特定のレビュー担当者が偶然許可したわけではなさそうです。
前提
レビューを通過したアプリの仕様は以下のとおりです。認証手段がSign in with Appleに限定されている点を除隊すれば、通常のソーシャルログインをサポートするアプリと条件は変わらないかと思います。
- アプリ配信先は日本とUSだけ。
- アプリはiOSプラットフォームのみサポートする。WebやAndroidなど他のプラットフォームはサポートしない。
- 認証画面ではSign in with Appleボタンのみ表示する。他の選択肢はない。
- サインイン実行時にアカウントが存在しなければ自動で作成する。
- ログアウト機能とアカウント削除機能をアプリ内に設置している。
App Store Connectの申請項目について
App Store ConnectのSign-In Informationは以下の内容で申請しています。
- Sign-in required: チェックをつける
- User Name:
Not required - Uses Sign in with Apple
- Password:
Not required - Uses Sign in with Apple
また、Notesには以下の補足を含めました。
Sign-in is available only through “Sign in with Apple.” The first time you sign in, an account is created automatically. The app works whether you choose to hide or share your email address.
Please make sure that two-factor authentication is enabled for your Apple ID; if it isn’t, sign-in may fail.
おわりに
あまり例がないと思いますので、参考になれば幸いです。
Sign in with Appleだけをサポートするアプリは少数派かと思います。今この瞬間にガイドライン違反はしていませんが、今後も認められ続けるのかは不明です。
ありえるパターンとしては、Appleによるユーザーの囲い込みを防ぐため認証の選択肢を複数提供せよ、という政治的な要請があるかもしれません。とはいえ、そのような話は今のところ聞いたことがありませんし、その要請にAppleが応じるかもわかりません。
ちなみに、Sign in with Appleだけをサポートしているアプリとして開発したのが以下のアプリです。当初サインイン機能はなく、アプリ公開後3ヶ月ほど経過した段階で機能追加しました。ユーザーの評価やレビューの件数は関係ないはずですが、Sign in with Appleを追加した際も特にレビューが長引くことなく審査は通過しました。
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