【Open xINT CTF 2022】Yokohama writeup

2022/11/03に公開約2,500字

Yokohama Write-up

初めに

本記事は、2022年10月29日に開催されたOpen xINT CTF 2022のHuman問が一つ、YokohamaについてのWrite upになります。

当日の私の個人戦績は200点。100点問題*2しか解けませんでした。OSINTは未経験で、CTFも当日、面白そうなものあるんだなぁと開始後に飛び込みで参加したくらいです。(Writeupなんて書いていいんでしょうか......。)

Yokohama問は非常に面白い問題でした。一応本記事はWriteupのためネタバレとなります。

どうしてもすぐに解法が知りたいときのみ、この続きに目を通してもらえればなと思います。
また、OSINT初心者の私は、模範解答の手順以外も知りたい!という要望をWriteupに対して持っているので、作業の流れをつらつらと並べていきます。結論だけ見たい方には申し訳ございません。

CTF当日の調査手順

まず、Yokohamaのおさらいから始めましょう。

  • 1914年、横浜居留地54番館にあった企業の社長の長男の名前は?

問題文は非常にシンプルでした。

当日の私は、まず最初に下記の資料を見つけました。"横浜居留地 1914年"で検索して見つかるものです。

[1] 横浜開港資料館HP 館報「開港のひろば」バックナンバー 火保図と写真で読み解く、横浜外国人居留地
http://www.kaikou.city.yokohama.jp/journal/128/02.html

この資料からは、55番館がコッキング商会であったこと、「横浜絵入商人録」という文献の名前を見つけることができます。

次に、横浜絵入商人録を探すと、日本絵入商人録が国会図書館デジタルコレクションで出てきます。

[2] 日本絵入商人録 - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/803739/1

ここの8ページ目に、54番館がシー・イリース商会の経営する、スコットランド皇帝生命及火災保険会社代理シー・イリース、およびエル・クニフラル商会シー・イリースであることが確認できます。
また、念のため55番館を見ると、先ほどの資料にあったコッキング商会であることと、同じn番館に複数企業が在籍する場合は、おそらく網羅されていることもチェックできます。

以上から、「本資料の対象時点で、54番館に入っている企業はシー・イリース商会のみである」といってもおよそ問題ないでしょう。


"イリス商会創業百年史"を私は読むことができなかったため、ここから少し迷走し、イリス(企業)のWikiにある、関与した日本人「武藤山浩」の自伝をデジタルコレクションで確認しました。
ここでは、東京築地2町目にあったイリス商会は、前田清照という日本人名義で「伊理斯商会」を名乗っていたことがわかります。今回の調査対象は横浜居留地ですが、社長が別名義になっている可能性は、ここで気づけたのかもしれません。

[3] 私の身の上話 武藤山浩
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1036473/71

現在の株式会社イリスの公式HPから1910年にカール・イリスが二代目に引き継いだこと、三代目がC.ユルゲン・イリスであることがわかります。ここで名前だけ追って、FlagがC.ユルゲン・イリスであると確信した私は、「1919年に取引を再開」という記述を完全に見落としました。

Incorrectと聞いて、私は確かこう考えたと思います。

なんて事だ、こいつ長男じゃないぞ!

また最後に、「第一次世界大戦のタイミングだけイリス商会以外のところが入っていたのでは?」と思った私は、次の資料を見つけたためにラビットホールから抜け出せず、タイムアップを迎えました。

[4] 横浜市山下町地区第一種市街地再開発事業 B1地区に伴う発掘成果 山下居留地遺跡
https://www.kaf.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2012/02/yamashitacho.pdf


追加調査

ここから、最終的にFlagに到達するための手順になります。

「横浜居留地 第一次世界大戦」で検索すると、[1]の横浜開港資料館のバックナンバーの109号に次の記載があります。

第二次世界大戦も大きないたみを与えました。戦時中、横浜に残る道を選択した敵国側の外国人たちは財産を差し押さえられ、山手の家をおわれ、あるいは抑留所に収容されて監視を受ける日々を送りました。 http://www.kaikou.city.yokohama.jp/journal/109/index.html

ここで年代は違うものの、「敵国」という検索キーワードを入手します。

「イリス商会 敵国 横浜」のワードで検索すると、次の文献がヒットします。実は、他の検索でも時々出てきていました。

[5] (史料紹介)第一次大戦期末における神奈川県在留「敵国人」調査記録

この資料には、第一次大戦期末の神奈川県在留ドイツ人等一覧を末尾に記載しています。
その中には、国籍、居住地、姓名、戸主との続柄、職業等、年齢が含まれており、イリス商会のタイピスト、会計係などが複数名記載されています。

リストの後半には、「山下町54汽船会社薬品染料機械輸入商イリス商会社長」を戸主とし、その家族構成が妻、長男、長女、次男、三男である6人家族が記載されていました。

後は、その長男の名前をFlagとして提出し、correctを得ることができます。


### 感想

この問題は、イリスのHPから歴史を辿るところまでは簡単だったかと思います。
自信をもって入力した回答がIncorrectと出たときに、一度頭をリセットして考えなおすことの大切さを実感した問題でした。

Discussion

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