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『リーダーの言語化』読書感想文

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zenn をご覧の皆様、はじめまして。
最終職歴は SRE で、モトシンと申します。

2025年4月からとある越境EC事業会社へと転職することになり、現在、有休消化中で時間に余裕があったので、気になる本の感想文書くシリーズを zenn でやろうと思い立ちました。

技術書に限らず、いろいろなジャンルの本を好き勝手に紹介していこうかと思っています。

「リーダーの言語化」とは

https://www.diamond.co.jp/book/9784478120286.html

富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートなどを渡り歩いた著者の木暮太一さんが、「言語化」の定義から、リーダーが言語化すべきポイント、なぜ言語化が必要なのか、また難しいのかについて解説している本です。

PIVOT で本書に関連する内容を解説している動画もあるので、興味はあるが時間がない人はそちらを見てみても良いかと思います。

感想

序章 言語化とは

いきなり本書の最重要ポイント、言語化の定義です。ここだけ抑えていれば十分だと思いますが、本の中で言語化とは「明確化」することとしています。例えば、仕事の中では言語化されていない議事録やSlackでのやり取り、起票されたチケットが溢れていることがあります。そう、明確になっていなければ、文字で書かれていても、言葉にされていても、それは言語化したとは言えないんです。

1章 リーダーの言語化

経営者はビジョンを言語化するのが役割であるように、リーダーはメンバーがとるアクションを言語化せよ、ということが書いてあります。ソフトウェア開発には様々なフレームワークがあり、ウォーターフォール的な進め方だけが正解ではないですし、リーダーとは、という話もありますが、本書で書かれているように大枠の方向性への誘導や、間違った方向にいってそうな時の軌道修正などは、所謂リーダー的ポジションの役目なのはそれはそうと思います。

心理的安全性などの言葉に惑わされて、信頼関係を築けばチームの課題が解決するというのも幻想であるとされています。それらはゴールや目標がわかっている前提であるともしており、これも本当にそうだなと感じました。これに気づけないと、ただの仲良しチーム、あるいはぬるいチーム、になってしまいそうです。

2章 ゴールの言語化

定性的なゴールは目標設定しづらいですが、「〜出来る状態」という形で置き換えて定義することで明確にできるとしています。例えば会社の評価制度の中で立てる目標設定などには色々思うところがある人もいるかもしれませんが、この考え方は非常に役に立ちそうだと思いました。

KPI で数値を追うことが目的となっているのもまずいよねーという話も共感ポイントでした。その数字、本当にとる意味があるの問題ですね。それより今一度、組織の目指すゴールを言語化し直してみない?と問いかけてみるのも良いかもしれません。次の会社でも意識したいポイントです。

3章 指示の言語化

お医者さんに「食生活に注意しろ」と指示され、高タンパク低脂質、低糖質な食事にしたのに、痛風が治らなかった話を例に挙げます。これは悪意なく指示が言語化されていないケースですが、日常こんなのばっかじゃないですか?という気持ちになりました。

メンバーに対して、どうして伝わらないんだろう、なんで考えられないんだろうと悩む時は、ちゃんと自分自身が言語化できていたかを振り返ってみても良いかもしれないです。解釈の幅があり、そこに齟齬が生まれている可能性があります。

まとめ

全5章あり、中盤以降より具体的に「問いかけ」「伝わる」の観点で言語化のアプローチについて解説されています。実は2周読んだのですが、もう何回か読み直したいくらい自分の中に落とし込みたいテーマだなと感じました。

なんとなく開催されてしまっている定例MTGなどについて、「なくなることでどのような変化があるのか」の視点で会話できる良さそうというのは、新天地でも実践していきたい話だと思います。

タイトルはリーダーの言語化ですので、主に視点はリーダー目線となっていますが、是非メンバークラスの方にも読んでほしい 1 冊です。

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