GPT-4o miniについての所感

2024/07/19に公開

はじめに

https://openai.com/index/gpt-4o-mini-advancing-cost-efficient-intelligence/

OpenAIの最新モデルであるGPT-4oの軽量バージョンGPT-4o miniがAPIで利用可能になりました。この記事では、GPT-4o miniの特徴、性能、利用用途、価格などについて詳しく解説します。

GPT-4o miniとは

GPT-4o miniは、GPT-4の最新モデルの一つで、従来のGPT-3.5 Turboの代替となることを目指しています。主な特徴は以下の通りです:

  1. 高性能と低コストの両立
  2. 128Kトークンの長いコンテキストウィンドウ
  3. マルチモーダル機能(画像処理対応)
  4. 改善されたトークナイザー
  5. 強化された長文処理能力

性能比較

compare

GPT-4o miniの性能は、他の主要なAIモデルと比較して競争力があります:

  • Claude Haiku(Anthropicの最も安価なバージョン)
  • Gemini Fresh(Geminiの最も安価なバージョン)

各種ベンチマークでは、これらのモデルと同等またはやや優れた性能を示しています。

利用用途

GPT-4o miniは、以下のような用途に適しています:

  1. 長めの入力を処理する簡単なタスク
  2. 大量の生データを扱うサービス
  3. AIエージェントの実装(高頻度のリクエストにも対応可能)
  4. 画像関連の簡単な処理タスク

価格設定

GPT-4o miniの価格は非常に競争力があります:

  • 入力トークン:1メガトークンあたり約15セント
  • 出力トークン:1メガトークンあたり約60セント

この価格設定により、多くの用途でコスト最適化を気にせずに使用できる可能性があります。

技術的特徴

1. 長いコンテキストウィンドウ

入力トークンは128Kまで対応しており、出力トークンは約16Kまで生成可能です。これにより、長文の処理や複雑なタスクの実行が可能になります。

2. 改善されたトークナイザー

新しいトークナイザーにより、英語以外の言語(例:日本語)でのテキスト処理のコスト効率が向上しました。これにより、言語に関係なく効率的にプロンプトを書くことができます。

3. 長文処理能力の向上

従来のGPT-3.5などで見られた、長文処理中の「忘却」や繰り返しの問題が改善が期待できます。これにより、より一貫性のある長文生成が可能になる可能性があります。

4. マルチモーダル機能

GPT-4o miniは画像処理にも対応しています。これは、簡単な画像関連タスク(例:画像内の人物の有無の確認)に特に有用です。ただし、処理速度は若干遅くなる可能性があります。

このような用途向けのモデルはこれまでになかったと認識してますので、これまでにない活用方法ができることが期待されます。

5. 数学・コーディング能力の向上

数学的処理やコーディングの能力が向上していますが、複雑なタスクには適していない可能性があります。GitHub Copilotのような簡単なコード補完程度の用途に適しています。

まとめ

GPT-4o miniは、高性能と低コストを両立した新しいAIモデルです。長いコンテキストウィンドウ、マルチモーダル機能、改善されたトークナイザーなど、多くの優れた特徴を持っています。特に、簡単なタスクや大量のデータ処理、AIエージェントの実装などに適しており、多くのサービスやプロダクトで実用的に使用できる可能性があります。

マイナーなモデルの変化ではありますが、これを機にこのモデルでどんなことができるか考えてみるのもいいかもしれません。
これまでコストや性能での制約でできなかったタスクで効率化が期待できるかもしれません。

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