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アクティブ・リスニング(積極的傾聴)入門📖

2023/06/13に公開

はじめに

  • 本記事は書籍「The Art of Active Listening」の読書メモ的な内容です
  • 読書時に出てきた用語・概念・疑問点をChatGPTに質問した結果で主に構成されます
    • ChatGPTの結果を使ってますが、内容的におかしい箇所は手動で修正・削除しています

https://learning.oreilly.com/library/view/the-art-of/9781523003907/

この記事の解説動画

https://youtu.be/vM9SaBhsJLU

アクティブリスニングとは

アクティブリスニングは、相手が話す内容を集中的に理解し、相手の視点や感情を深く理解し、適切に反応するコミュニケーションスキルの一つです。これは単に相手の言葉を受け入れるだけではなく、言葉の意味、非言語的な手がかり、話し手の目的や感情などを理解し、話し手にそれを伝えるプロセスを含みます。

アクティブリスニングの目的

アクティブリスニングは以下のような目的を達成するために行われます(これ以外の用途にも使われることはあります)

  1. 理解を深める: アクティブリスニングにより、話し手のメッセージの中身をより深く理解することが可能になります。これには、言葉の意味だけでなく、その背後にある感情や思考も含まれます。
  2. 効果的なコミュニケーションを促進する: アクティブリスニングは、話し手が意図したメッセージが正確に伝わることを確認します。これは、誤解を防ぎ、より良いコミュニケーションを促進します。
  3. 関係を強化する: アクティブリスニングを通じて、話し手に対する理解と共感を示すことで、関係を深めることができます。これは、プライベートな関係でもプロフェッショナルな関係でも有用です。
  4. 話し手の自己表現をサポートする: 話し手が自分の意見や感情を自由に表現できる環境を提供することで、話し手が自己表現を行いやすくなります。
  5. 問題解決と意思決定を支援する: 具体的な課題や問題について議論する際、アクティブリスニングはすべての観点が適切に考慮され、最適な解決策が見つけられることを助けます。
  6. 学習を促進する: 学習環境においては、アクティブリスニングは新たな情報やアイデアの習得を助け、さらに理解を深めるための質問を促します。

アクティブリスニングのコツ

アクティブリスニングを行う際は以下のようなポイントに気を付けてみるとよいでしょう(しかし、テクニックに溺れてはいけません。マインドフルな状態をキープするように気を付けてください)

  1. 注意を向ける: 話し手に注意を向け、無関心や気が散ることがないようにします。話し手の言葉やボディランゲージに焦点を当てることが重要です。
  2. 視線を保つ: 話し手の視線を追い、興味と関心を示すことが必要です。
  3. 頷く、身振りを使う: 頷くことや身振りを使うことで、話し手に対する理解と共感を示します。
  4. 妨げになるものを避ける: デバイスや他の気を散らす要素から遠ざかり、話し手に完全に集中します。
  5. 適切な反応を示す: 適切なときに笑ったり、驚いたり、同情したりすることで、感情的な理解を示します。
  6. フィードバックを提供する: あなたが何を理解したかを定期的に伝え、話し手が意図した通りにメッセージが伝わっているかを確認します。
  7. 要約する: 話し手が終了したとき、あなたが聞いたことを要約し、必要ならば質問をします。
  8. 適切な質問をする: 話し手の視点を理解するために、オープンエンドの質問をすることが有効です。
  9. 感情に対する理解を示す: 話し手の感情に対する理解と共感を示すことで、アクティブリスニングを深めます。
  10. 判断を避ける: 話し手の意見や感情を評価または判断しないことで、安心して話す環境を作ります。

以上のように、アクティブリスニングは話し手の言葉をただ受け入れるだけではなく、理解し、適切に反応し、必要に応じてフィードバックを提供することを含みます。これは対話の質を高め、相互理解とコミュニケーションの効果を向上させます。

アクティブリスニング実施の障害となるもの

アクティブリスニングを妨げる障壁には以下のようなものがあります

  1. 忙しさ: 多忙さや時間的な制約がある場合、人はしっかりと相手の話を聞くことができない場合があります。これは、話し手との対話への注意力が散漫になったり、メッセージの全体を把握できなかったりするためです。
  2. 物理的なノイズ: 周囲の騒音や人の動き、打ち込み音などの物理的なノイズは、リスニングを妨げる主な要因です。
  3. 思考の放浪: あなた自身の考えや心配事が頭を巡り、話し手の言葉に集中できない場合があります。
  4. 先入観や偏見: 既存の思考パターン、意見、感情などにより、聞き手がオープンに話を受け入れるのを妨げる可能性があります。
  5. 判断や評価: 聞き手が話し手の意見や感情を判断や評価しすぎると、アクティブリスニングが妨げられます。
  6. 非言語的な振る舞い: 目をそらしたり、身体の向きを変えたり、神経質に見える動作をしたりするなど、非言語的な振る舞いが聞き手の関心や理解を疑問視させることがあります。
  7. 適切な反応の欠如: 適切な時に適切な反応を示さないと、話し手は聞き手が理解していないと感じるかもしれません。
  8. 心身の健康状態: 疲労、ストレス、健康状態なども、アクティブリスニングの妨げになる可能性があります。
  9. 解釈の誤り: 言葉や表現の誤解や文化的な違いからくる解釈の誤りも、アクティブリスニングを妨げる可能性があります。
  10. 待ち受ける心態: 自分の意見を話すのを待ち受ける心態では、他人の話を真剣に聞くことができません。

アクティブリスニングされると人はどんな風に感じる?

アクティブリスニングを経験した人(😄)とそうでない人(😒)とで、受ける印象や感情は確かに大きく異なるでしょう。雰囲気が分かるように典型的な感じ方の例を以下に示します。

😄(アクティブリスニングを経験した人):
「私の話をしっかりと聞いてくれる人は、私の気持ちや考えを尊重してくれていると感じます。彼らは私の話に対して、適切なフィードバックを与えてくれ、私の意見を理解しようと努力してくれます。私が伝えたいことが正確に伝わっていると感じ、また、自分が重要であり、価値があると感じさせてくれます。自分の考えや感情を表現しやすい安心感を感じています。」

😒(アクティブリスニングを経験していない人):
「私の話を聞いてくれない人と話すと、自分が無視されているか、または理解されていないと感じます。彼らは私の話にうんざりしたり、自分の意見を押し付けようとしたり、私の話を中断して自分の話を始めることがあります。私の言葉が適切に受け取られていないと感じ、自分の存在が無視されているか、軽視されていると感じることもあります。自己表現が困難であると感じ、フラストレーションが溜まることがあります。」

アクティブリスニングの流れ

アクティブリスニングは以下の5ステップから成るサイクルを繰り返します

  1. 言われていない事を認識する: このステップでは、言葉だけでなく、非言語的な手がかり(例えば、ボディランゲージ、声のトーンなど)を注意深く観察します。言葉と非言語的な情報の間の不一致を探し、それが意味するものを理解しようとします。
  2. 理解しようとする: 相手が言っていること、伝えようとしていること、そしてそれが何を意味するのかを理解するために努力します。必要であれば、質問をしたり、言っていることを自分の言葉で要約したりして、理解を深めます。
  3. 知識ギャップを埋めるために明らかにしたい事を熟考: ここでは、相手が話していることと自分が理解していることとの間に存在する可能性のあるギャップに気づき、それを埋めるために何を聞くべきかを考えます。そして、それを実行するための質問を計画します。
  4. 行動: ここで、知識のギャップを埋めるために計画した質問を実際に聞き、そのフィードバックを用いて行動します。それは具体的な行動計画を立てることかもしれませんし、新たな視点や理解を持つことによる行動変更かもしれません。
  5. ループを閉じる: この最終ステップでは、先ほどの行動を実行した結果(もしくは実施計画)をアクティブリスニングを行った対象者に報告します。このように対象者の意思に対して具体的にアクションを起こした(or起こす予定がある)事を知らせることで対象者のストレス低減や満足度向上につながります。また、次のステップに移行する前に、これまでのコミュニケーションのループを閉じ、何が達成され、何が学ばれたのかを検討します。そして、次のコミュニケーションのループに進むための新たな計画を立てます。

アクティブリスニングと各種プラクティスとの関係

1on1

1on1の会議や対話は、マネージャーやチームリーダーと部下との間で行われる定期的なミーティングの一種です。これらのミーティングの主な目的は、進行中のプロジェクトのアップデート、パフォーマンスのフィードバック、キャリア開発に関する議論、個人の問題の解決などです。このような目的を達成するためには、アクティブリスニングが非常に重要な役割を果たします。

  1. 理解の深化: アクティブリスニングを通じて、マネージャーは部下の懸念、問題、アイデア、進捗状況などを深く理解できます。これにより、部下をサポートし、彼らの成功を助けるための具体的なアクションを考え出すことができます。
  2. 効果的なコミュニケーション: アクティブリスニングは、両者が共有した情報を正確に理解し、誤解を避けるための基礎となります。
  3. 信頼関係の構築: アクティブリスニングを通じて、マネージャーは部下に対して尊重と理解を示します。これは信頼関係を構築し、部下が自由に意見を述べたり、問題を共有したりする環境を作り出すことにつながります。
  4. 問題解決と意思決定: マネージャーが部下の視点を理解することで、共同で問題を解決し、効果的な意思決定を行うことが可能になります。

1on1のミーティングはアクティブリスニングを実践し、その能力を磨くための絶好の機会となります。その逆もまた真で、アクティブリスニングは1on1のミーティングをより生産的で効果的なものにするための重要なスキルです。

ユーザーテスト

ユーザーテストは製品やサービスの開発において重要なプロセスの一つであり、実際のユーザーが製品やサービスを使用する様子を観察し、その反応や経験を理解するための方法です。アクティブリスニングはユーザーテストのプロセスで極めて重要な役割を果たします。以下に具体的な関係性を説明します。

  1. ユーザーの体験を理解する: アクティブリスニングを用いることで、テスターはユーザーが製品やサービスをどのように使うのか、どの機能が役立っているのか、どの部分が難しいと感じているのかなど、ユーザーの体験を深く理解することができます。
  2. 問題点の特定: アクティブリスニングにより、テスターはユーザーが遭遇している問題や困難を詳細に理解し、それらを解決するための洞察を得ることができます。ユーザーの言葉や行動から彼らが遭遇している挑戦を読み取り、それを改善するための戦略を練ることができます。
  3. フィードバックの収集: ユーザーテストでは、ユーザーからの直接的なフィードバックを集めることが重要です。アクティブリスニングを通じて、テスターはユーザーの意見や感想を完全に理解し、製品やサービスの改善に役立てることができます。
  4. ユーザーとの信頼関係の構築: ユーザーが自分の意見や体験を共有するためには、彼らが自分の声が尊重されていると感じる必要があります。アクティブリスニングはユーザーとの信頼関係を構築し、彼らが自由に意見を述べる環境を作り出すことにつながります。

アクティブリスニングはユーザーテストのプロセスにおいて非常に重要な役割を果たし、より良い製品やサービスを開発するための洞察を得ることを可能にします。

マインドフルネス

アクティブリスニングとマインドフルネスは、それぞれが他人とのコミュニケーションと自己認識の深化において非常に重要な役割を果たします。これら二つの概念はお互いに関連していて、相互に強化することができます。

  1. 現在の瞬間に集中する: マインドフルネスは、現在の瞬間に全く注意を向けることを助けます。これはアクティブリスニングにとって重要であり、他人が話している間に心が他のところに行ってしまわないようにするためには、現在の瞬間に集中することが必要です。
  2. 非判断の受け入れ: マインドフルネスは、現状を判断せずに受け入れることを強調します。これはアクティブリスニングにとっても重要で、他人の視点を開かれた心で受け入れ、理解しようとする努力が必要です。
  3. 自己認識: マインドフルネスは自己認識を深め、自分の感情や反応に対する理解を増やします。これはアクティブリスニングにとっても有用で、自分の反応が他人の話をどのように影響しているかを理解することができます。

マインドフルネスの練習はアクティブリスニングのスキルを強化することに寄与し、反対に、アクティブリスニングを行うことはマインドフルネスの実践を深めるのに役立ちます。

📖「7つの習慣」の第5の習慣

スティーブン・R・コヴィーの名著「7つの習慣」の中で、第5の習慣は「まず理解に尽力してから、理解されようと努力せよ」です。この習慣は、アクティブリスニングと深く結びついています。

  1. エンパシー: アクティブリスニングと第5の習慣(まず理解に尽力してから、理解されようと努力せよ)は、他人の視点を理解することの重要性を強調します。これにより、他人の気持ちや見解を共感的に理解し、その結果、より効果的なコミュニケーションと関係構築が可能になります。
  2. 反応ではなく応答: 第5の習慣は、まず他人を理解し、その後に自己を理解してもらうよう努力することを求めます。これは、他人が何を言おうとしているのかをよく理解し、適切に応答することが必要となるアクティブリスニングと直接関連しています。
  3. 解決策の探求: アクティブリスニングと第5の習慣は、他人の視点を理解することが、問題解決や対人関係の改善に役立つと考えています。これにより、他人との協力関係を築き、双方にとって最善の解決策を見つけることができます。

アクティブリスニングのスキルは、「まず理解に尽力してから、理解されようと努力せよ」という第5の習慣を実践するための重要な要素となります。

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