🔥

プロダクトエンジニアとして感じた理想と現実、そして次へのステップ

に公開

こんにちはこんばんはおはようございます。

MOSHでエンジニアやってる @massyuu と申します。

今日も唐揚げ食べてますか?

今年もアドベントカレンダーの季節がやってきましたね。

何を書こうかと考えたのですが、今年の秋にFindyさんのイベントで登壇させていただいたことを思い出したので、今回はこの登壇を振り返りつつ、そこから見えてきた自分自身の現在の課題、そして来年に向けたステップについて書いてみようと思います。

作って終わりではない、「価値」に向き合うということ

今回の登壇では、MOSHにおけるプロダクトエンジニアの役割についてお話ししました。

https://speakerdeck.com/massyuu/duo-yang-nashi-ye-domeinnokurieitahe-jia-zhi-wojie-kerutamenoying-minituite

スライドでも触れましたが、MOSHにおけるエンジニアの定義は 「依頼されたものを作る」だけではありません。 ユーザーの課題に向き合い、何を作るべきかを考え、リリース後の運用まで責任を持つ「フルサイクル開発」が前提にあります。

200を超えるカテゴリ、多様なビジネス形態を持つクリエイター一人ひとりに寄り添うには、エンジニアという職域に閉じこもっていては不可能です。だからこそ、Bizサイドの商談に同席したり、サポートチームと密に連携したりと、「職域のオーバーラップ(越境)」がとても重要だと考えています。

「得意・不得手の掛け算でチームで価値を出す」という話をしましたが、これは裏を返せば、一人ひとりが自分の強みを磨きつつ、他者の領域にもリスペクトを持って踏み込む覚悟が必要だということでもあります。

……このように、スライドでは「事業成長に向き合うエンジニアリング」や「チームで価値を出す」といった、MOSHが目指すプロダクトエンジニアについてお話ししました。

今回登壇させていただいたイベントには多くの方にご参加いただけたのは嬉しかったのですが、同時に自分の中でなんとも言えないもどかしい感覚もありました。それは、 「で、自分はこれを完璧に体現できているのか?」 という自問自答があったからです。

これはできていると思う、こっちはあんまり出来てないかも。。。
得手不得手はあるといいつつ、MOSHで共に働く仲間たちをみて、自分を振り返り、自分の「今の実力」とのギャップが浮き彫りになります。ありがたいことにMOSHはこの一年で非常に多くの優秀な仲間に恵まれ、間違いなく組織としてパワーアップしています。そんな優秀な仲間の動きを鑑みて、自分にできることはまだないか?このままではいけないのでは・・・という課題感が沸々と湧き出てきました。
ここからは、今回の登壇を通じて改めて痛感した、今の自分の課題について正直に書いてみようと思います。

事業に向き合うからこそ痛感する「技術」と「組織」の課題

スライドの中で「クリエイターへの価値提供」や「開発の高速化」を謳いましたが、それを実現するための足元の技術、そしてチーム作りにおいて、まだまだ力不足を感じる日々です。具体的には大きく2つの課題があります。

技術スタックの刷新に対する、スキルアップの遅れ

現在MOSHでは、開発の生産性とパフォーマンスを向上させるため、技術スタックのモダン化を急ピッチで進めています。長らくAngular中心だったフロントエンドの基盤もReact+Bunを中心とした新しい技術スタックへと移行し始めました。また、バックエンドとの接続にはBFFが導入され、Full TSの基盤が産まれています。これにより、開発体験は確実に向上し、より高速にユーザーへ価値を届けられる土壌が整いつつあります。

しかし正直なところ、この変化のスピードに対して、自分の理解やスキルが追いついていないと感じる瞬間が増えました。「このケースがこう書くのが最適解」や「今の基盤ならこう実装するのがスマート」といった判断において、自信を持って即答できないもどかしさがあります。「事業課題に向き合う」と言いつつ、その武器である技術の研鑽がおろそかになっては本末転倒です。

「チーム」に対する引き出しの少なさ

もう一つ、課題に感じていたのがチーム運営の課題です。
MOSHはフルリモートかつフレックスな環境です。自由度が高く働きやすい反面、阿吽の呼吸や、パッと集まって熱量を共有するといった動きが、意図して設計しないと希薄になりがちです。

今の自分は、機能開発チームのリードとして、メンバーのポテンシャルを最大限に引き出せているだろうか?「個人の足し算」以上の成果を出すための「チーミング」ができているだろうか?
効率的に開発を進めるためのプロセス設計や、画面越しの熱量伝播も含めたマネジメント力。ここが弱いせいで、チームとしての最大出力を出し切れていないのではないかという焦りがありました。

二兎を追う怖さ、CTOとの会話

技術のスキルアップと、チームマネジメントの強化。この2つの課題を目の前にした時、正直に言えば不安を感じました。

もちろん、理想は「どちらもバランスよく高いレベルでこなすこと」です。しかし、僕は自分自身のことをよく理解しています。決して器用なタイプではないし、マルチタスクが得意なわけでもない。そんな自分が、焦りに任せて「あれもこれも」と手を出した時、どうなるか。

恐らく、どちらも中途半端な「凡庸な結果」に終わるでしょう。最悪の場合、どっちつかずの状態で時間だけが過ぎ、チームに対しても自分に対しても何の成果も残せないという機能不全に陥るリスクすらあると感じていました。

それでも出来ることはあるかな、どうすればいいかな、、、そんなことを考えている中で、CTOとの1on1で以下のような言葉をもらいました。

「まずは技術力を伸ばしていくことで、みんなを引っ張っていくこともできる。そこにこれまでのドメイン知識を組み合わせることで、価値に繋げることもできる。今のフェーズでは、技術を磨く方向に絞ってみてもいいんじゃないか?」

原文ママではないですが、このようなことを言ってもらいました。
「マネジメント」という言葉を広く捉えすぎて、メンバーのケアやプロセスの整備ばかりに気を取られていましたが、 「技術力で背中を見せ、チームの進むべき道を切り拓く」 こともまた、エンジニア組織における重要なリーダーシップの形なのだと気づかされました。

心強い仲間の存在

また、この方針が今の自分に合っていると思った背景には、先述の通り、直近のMOSHに本当に心強い仲間が次々とジョインしてくれていることです。

自分の性格的に「自分がなんとかしなきゃ」という思考に陥ることが多く、あれもこれもと全て抱え込んでパンクしていたかもしれません。でも今は、チームビルディングやプロジェクト推進に長けた優秀なメンバーが仲間にいます。

スライドでも「個々の力の掛け算」という話をしましたが、まさにそれを自分自身が実践する時が来ました。自分の苦手な部分(細やかな管理や調整)は、信頼できる仲間に素直に「力を貸してほしい」と頼る。その代わり、自分は技術という領域で誰よりも高く飛び、チーム全体の視座を引き上げる。

MOSHにJOINして4年弱が経ち、組織として間違いなく強くなってきて、改めて優秀なエンジニアに恵まれて嬉しいなと感じたところでもあります。

Re:プロダクトエンジニアとして

この安心感があるからこそ、来年のテーマをシンプルに 「技術への回帰」 として、プロダクトエンジニアとしてユーザーに価値を届け、よりMOSHを多くの方に使ってもらえるようにスキルを磨こうと思っています。

具体的には、新しい基盤、技術スタックをより深く理解し、チームが迷った時の羅針盤になれるよう、コードを書き、設計を磨き続けます。凡庸なジェネラリストを目指して摩耗するのではなく、まずはエンジニアとしての「個の力」を研ぎ澄ますこと。それが結果として、チームの技術水準を引き上げ、プロダクトの成長速度を最大化することに繋がると考えています。
また、これまでMOSHで培ったドメイン知識を元に、これまで以上に価値に繋げる開発を意識していきます。僕が棲む決済領域はなかなかに複雑なドメインですが、ここにもっと技術をInjectして、より価値に繋げる開発をしていきます。

プロダクトエンジニアという領域はとても幅広く、自分の進む道ややり方など迷子になることもあるかと思います。
少しでも僕と同じような課題を感じた方への解決のヒントになれば幸いです。

そんな感じで、今年の反省と来年の抱負をまとめたところで、この投稿を締めさせてもらいます。

MOSH

Discussion