📑

メタバースが流行るかの個人的予想(2022/02)

2022/02/12に公開

昨今メタバースがどうのというのが様々囁かれています。
実際に流行った後に、俺はずっと流行ると思ってたというのも、流行らなかった後にあんなの流行るわけないじゃんと言うのもクソださい批評家ムーブになってしまうので、あたる外れるは置いといて今の自分の見通しを書いてみようと思いました。

そもそもメタバースとは?

流行る以前にまずはメタバースの定義を確認
英語版wiki(https://en.wikipedia.org/wiki/Metaverse)より引用

The metaverse (a portmanteau of "meta-" and "universe") is a hypothesized iteration of the internet, supporting persistent online 3-D virtual environments[1][2] through conventional personal computing, as well as virtual and augmented reality headsets.[3][2] Metaverses, in some limited form, are already present on platforms like VRChat or video games like Second Life.[4]
Current metaverse ambitions are centered on addressing technological limitations with modern virtual and augmented reality devices,[5][6][7] as well as expanding the use of metaverse spaces to business, education, and retail applications.[8][9] Numerous entertainment and social media companies have invested in metaverse-related research and development.[6]

英語版wikiから定義に関わる部分を抜粋する。

  1. インターネットの進化系である
  2. 3D空間を提供する
  3. 従来のPCとかヘッドセットを利用する

その他気になる情報も抜粋しておく

  1. VRChatは限定された形での実装である
  2. そのほかゲームには概念として存在する
  3. VR・ARデバイスの技術的な限界がある
  4. ビジネス、教育、および小売に拡大していくフェーズ

英語版wikiから抜き出した定義と世間で言われているメタバースが必ずしも一致していないように思う。ある人はVRをもって初めてメタバースと言っているし、またある人はPCでの参加もメタバースと言っているように思う。ので、ここで私的メタバース段階を次のように分類する。

メタバースの前提:3D空間を提供する。
分類軸1:世界の拡張性がどれだけユーザーにあるか。
分類軸2:デバイスとが旧来PCか、VRか

適当に表を作った。

拡張性低 拡張性高
従来PC Fortnite等 セカンドライフ
VR/HMD VRゲーム全般/VRワークプレイス等 VRChat等

分類軸2については明らかなためよいと思うが、分類軸1について補足する。

メタバースはインターネットの進化系であるらしいので、インターネットの進化系というからには空間を自由に拡張することができる方がより望ましいと考える。例えば現在のインターネットでは自由にホームページ(場所)を作り、またAPIやアプリケーションを作ることができる。VRChatやセカンドライフはこれに近いものが提供され、拡張性は高いと考える。
一方で、Fortniteやあつ森は拡張性は弱いと考えられる。

拡張性は個人的には、”データの組み合わせに終始するのではなく、世界へのwrite権限が渡されているか”ととらえている。あつ森やfortniteは既にあるコンポーネントを組み合わせたり、すでにあるAPIを利用することはできるが、コンポーネント自体の追加には大きな制限があると思う

今回はVR/HMDを利用してのメタバースを対象とする。
従来PCの方は現行のインターネットと分離が難しい部分が多いと考えているためである。

尚、分類軸1は分けてみたものの、本稿を書いている時点ではあまりポイントにならなかったので無視していただけると幸い。ただ、自分の備忘のため残しておく。

総論:あんまり流行らないと思う。

メタバースの流行らなそうポイント

  1. 酔う
    私はVRでハチャメチャに酔った。移動しているのにGも振動も生じないという体験はヤバい。私は周囲を見渡す限りでは特に酔いやすいというわけではないと考えており、平均程度には酔い耐性のある人間がハチャメチャに酔うというのは結構厳しいんではなかろうかと予測している。
  2. 新しく”VRで○○ができるようになった!”と言えるものが無い
    インターネット、携帯電話など流行る/インフラ化したような技術は、「不可能を可能にする」という要素が必要と思っている。VRメタバースはいったい何を可能にするのか?と言われると私はそれが何も思いつかない。VRで没入感確かに向上したと思ったが、「向上」であり、あくまで地続きな改善ではないかと思っている。この「不可能を可能にする」が無いというのは即ち市場もあまり拡大しないことを意味するのではないかとも思う。
    その他、ビデオ会議で十分表情や身振り手振りは伝えることができる。見た目を気にせずコミュニケーションをとれるといった指摘については、そもそも見た目を気にするという根本的なルッキズムが社会に残る限りは表層的な解決はされても別のところで歪みを生むだけのようにしか思えない。
  3. 諸々のコストが高い
    計算コストが高いことにより、重量増、電池持ち悪化、価格高騰などの課題がある。その他3Dモデリングのコストも平均をとると2Dより高いであろう(一部アニメーションなどは逆転するかもしれないが、全体を見回すと3Dの方が高コストに感じる)
    例えばコストがすごく安ければ「地続き的な改善に過ぎない」状況下でもある程度普及は望めると思うが、原理的にそうなりにくいと考える。というのも、コスト改善は技術革新によってなされると思うが、同等の技術革新が非VR端末に及ぶことを考えると、非VR端末とVR端末の間の差は埋まらないように思える。

流行りそうポイント

  1. 没入感が高い
    これは確かである。流行らなそうポイントで「向上に過ぎない」と言ったが、向上しているのは間違いない。一発のインパクトが大事なエンタメ分野などでは一部分野では重要な要素であると考える。家庭普及というより今のVRアミューズメントのような普及になりそうだが。

以上。
私の予想は「あんまり流行らない」です。
流行ったとしたら何かを見落としていたか、巨大資本による論理を超えたごり押しのどちらかと思うので、そうなったらそうなったで振り返りが楽しみです。

Discussion