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エンジニアリングマネージャーの仕事 友人を作り、人に影響を与えるには
思いやりに過剰というものはない。
―フランシス・ベーコン
- チームを超えた世界について考えることが重要である理由
- 会社の中でネットワークを構築する方法
- メンタリングとコーチングを通して、他の人たちにお返しする方法
9.1 チームを超える
- 他チームとの人脈を作ることが重要
- 他チームへ良い影響を与えることでマネージャとしてのアウトプットを増やせる
- 多くのチームとつながりを持つことで、状況把握がしやすくなり、自チームのアウトプットにもつながる
- 職場に友人ができ、支えられていると感じることができる
9.2 ネットワークを構築する
- 自分の仕事の関係範囲だけだと限界がある
- 「雪は外側から溶ける」:エンドユーザに近いほど、ビジネス面でのプロダクトに関する正しい認識を持っている
やってみよう:ネットワークに誰が入る?
- 部門内で良い印象がある人、尊敬している人
- 社内で一番目立つ人、またはいちばん成功しているセールスの人
- あなたのソフトウェアのマーケティングに関与している人
- 社内におけるあなたのソフトのパワーユーザー
9.2.1 自己紹介をする
- 同僚やラインマネージャーに普段やり取りしている人とその理由を尋ねる
- 唐突にメールを送っても問題ない(ホントか?)
9.2.2 定期的に連絡する
- かしこまったやり方は、四半期に1回メールを送ること(その内容を深掘りする)
- 毎月コーヒーを飲む(議題なし)
- ビデオ会議(バーチャルお茶会)
- そうして話を聞いた中から、次の関係を広げていく
9.3 お返しをする
- メンタリング:具体的なアドバイスをして、特定のスキルを教える
- コーチング:他の人が自分で問題を探って解決策を見つけるのを助ける
9.3.1 メンタリング
- 単にアドバイスやフィードバックを与えるだけではない
- メンターからの投資
- 定期的なミーティング、励ましと自信を与える環境、ゴール達成へのフォーカス
- メンターであることとマネージャであることは似ている
メンターをすることのメリット
- 個人をマネジメントしていなくても、マネージャとしてのスキルを開発できる
- 他のチームにいる人でも、喜んで助ける積極的な貢献者として、社内の評判が上がる
- 他チームが直面している課題の種類を知ることができる
- 将来自分のチームに来て働きたいと思う人も出るかもしれない
- やりがいがある
9.3.1.1 メンタリングする人を見つける
メンターとメンティーのマッチングを行う
9.3.1.2 メンターシップの合意を形成する
1on1のコントラクティングのようなものが必要。
- 時間:期間や頻度。会議室など固い感じかランチなどゆるい感じか
- 柔軟性:いつでも連絡してよいのか、時間などを決めるか
- 機密性:基本的には機密
- 境界:提供しないものは何かをまとめる
- レビューと評価:期間固定なら、目的が達成できたかのレビュー方法を決めておく。無限なら定期的に評価する
- もしうまくいかなかったらどうするか?:どうしたらうまくいっていないことがわかるか?など
9.3.2 コーチング
さまざまなスキルセットを持ち、自分よりもはるかに経験豊富な人を支援する方法論を学べれば、その人の仕事のことを何も知らなくても、だれでも支援できるはずだと思いませんか?その通りだと思います。それがコーチングです。
コーチングは同僚とインタラクションするフレームワーク。特定の種類の会話をすることで、基本的にはいつでも誰かをコーチングできる。マネージャとしてコーチングのマインドセットを極めると、ほぼすべてのインタラクションで他の人に良い影響を与えられる。
9.3.2.1 会話のモード
- 会話を組み立てるモードには、指導的と興味に従うがある
- コーチングは、「興味に従う」
- 相手が、答えを絞れてきそうであれば、コーチングを続け
- そうでなければ、指導的にする
9.3.2.2 相手の頭の上に思考のフキダシを浮かばせておく
- たとえ、解決策を知っていたとしても示さない
- 具体的にどんな問題なのかの詳細を聞いていく
9.3.2.3 コーチングの関係を形成する
コーチングのセッションには、GROWモデルを使うとよい
- ゴール:このセッションのゴールは何か?どんな問題を解決しようとしているのか?
- リアリティ:今どんな状況か、だれが、何を、どこで、どれくらい?
- オプション:この問題に取り組むために考えうる、ありとあらゆる方法は?
- ラップアップ:選択肢をはっきりさせ、コミットし、どんなサポートが必要かを議論する
9.3.2.4 社内のだれにでもコーチングする
兎に角練習を積む。
9.3.2.5 コーチングを受ける
マネージャは同僚や部下には共有できない問題を抱える可能性もあるので、外部コーチを雇えるかどうかを会社に相談してみるのもよい。
個人的な感想
たとえ、解決策を知っていたとしても示さない
依頼(委譲)したタスクについては、やり方はなるべく任せるようにはしているが、相談されたり、トラブルになっているような場合、無意識的に自分の知っている経験の話をしてしまいがち…。
ただ、これは
- 相手の成長の機会を奪ってしまっているのかもしれない
- 自分の影響力を発揮できる範囲を、自分がよく知っている範囲に狭めてしまっているのかもしれない
ということ。
きちんと専門的な知識を学習することと実践を積み重ねて習慣的に行えるようにすることが必要だと感じた。
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