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エンジニアリングマネージャーの仕事 1on1

2024/09/19に公開
  • 1on1に多くの時間を使う。自信をもって快適に行い、最大限の効果を発揮する
  • 何も準備していない雑談と、意味、焦点が明確な1on1の間にはきわめて大きな違いがある

4.1 毎週、毎週

  • 質の高い1on1によって質の高い関係性が作られる
  • メンバー全員と例外なく毎週1on1を実施する
  • 規則性がカギ
  • 毎週行うことでスタッフとの関係を予測可能なものにする

4.2 1on1の準備をするには

  • やむを得ない場合を除いて、スケジュールは変更しないこと
  • 必ずプライベートエリアで行う(深い内容にするため)
  • アジェンダを用意する
    • Google Docsなどの共有ドキュメントを使う
    • 話した内容を記録し、それぞれがやるべきアクションをまとめる
    • 会話の前に思いついたことなどを反映しておく

4.3 コントラクティング:最初の1on1

最初の1回は、2回目以降と異なり難しい。これをうまくやる方法がコントラクティング

4.3.1 コントラクティングとは何か?

  • 自分と部下が期待するものについての会話を誘発する質問一式
  • 進め方は自由だが、事前に質問一式を共有しておいた方が、コントラクティングの質が高まる

お互いに質問をしあう。

  • 両者は相手を不快にさせない構造化された方法で、それぞれの希望、要望、必要なものを率直に議論できる
  • 率直に話すことで両者の関係が深まり、今後のやり取りのトーンが決まる
  • 今後話をするテーマがたくさん手に入る

以下、質問の例

いちばんサポートが必要な分野はどこか?

  • 意図的におおざっぱな質問をする。
  • なぜなら誰もが何かしらのサポートを必要としているから
  • 悩みにその場で答えを出す必要はない。継続課題とする

どんな形でフィードバックやサポートを受けたいか?

「特に気にしない」は、掘り下げた方が良い。

たとえば、

  • みんなの前で
  • 個別に対面で
  • チャット等で

一緒に働く上での問題は何か?

スキルの系統が違うから、サポートを受けられそうにない、など。

私のサポートがうまくいっていないことはどうすればわかるか?

この質問がどういう会話を想定しているのか、よくわからなかった…。

よくあるパターンとしては、表面上はなんの問題もない風に装って対応しているが、内心は良く思っていないこと。そしてそういうタイプの人に、こういう質問をしてもはぐらかされるだけな気がする。

進め方を改善する容易と意思がある、という風に伝えることが大事、ということなのか。

ミーティング内容の機密性はどれくらいか?

これについても、話題それぞれで機密性は異なるので、1on1の最中に個別に認識合わせをすることが大事な気がする。

コントラクティングは1回だけでなく、関係性が変化したりするので定期的に実施するとよい。

4.4 話す内容と進め方

  • いくつかの繰り返しのパターンを使う
  • 事前準備が不可欠
    • 事前にアジェンダの整理に時間を割く

アジェンダの内容は以下のようなもの

  • チームや作業に関する先週の気づき
    • よいこと
    • わるいこと
    • もうちょっと調べたいこと
  • 作業中のプロジェクトやアーキテクチャの詳細
  • スタッフが関心を持ちそうな最新の情報
  • コーチング

4.4.1 あなたではなく、相手のためのミーティング

  • 思考を引き出すような質問をしたり、会話の方向性を示唆する
  • 何よりも話を聞くこと
  • 話を理解して手引きするのが仕事
  • 全体の70%は部下が話すようにすること
  • 問題の解決はしない
  • 別の質問をして自分で結論にたどり着くるようにする

思考を引き出すたくさんの質問をする。

  • 今週の仕事はどうでしたか
  • 今日はどんな仕事をしていますか
  • 先週、本番環境で起こった問題について教えてください
  • システムの稼働時間をうまく計測できていると思いますか
  • 6月の締め切りについてはどう思いますか
  • どうすれば、適切なメトリクスが記録できているか事前にわかるでしょうか

4.4.2 沈黙は金なり

  • 相手が詰まっても話を引き取らず、助け舟を出す程度に留める
  • 相手に話してもらうことで、相手が考えている問題点を引き出す

過去の自分の経験からも、自分がよく知っている分野だと特に自分が沢山話してしまいがち。コーチングのスキルをしっかり身につける必要がある。

4.4.3 状況報告:退屈なところ

  • 1on1の中心にすべきでない
  • パーソナルデベロップメントにならない
  • なにより状況報告は退屈

状況報告も掘り下げれば退屈ではなくなる。状況報告は必要最低限にし、時間の大部分を開けておくこと。

行燈の紐

どちらかが会話を不快に思った場合、会話を止め、理由を尋ねる。解決したら会話を再開する。

4.4.4 会話の話題のアイデア

  • アーキテクチャの深堀り
  • プロセスの深掘り
  • 自分が読んだ関係しそうな記事
  • ティーチング
  • 部門や会社の方向性
  • フィードバックの収集
  • 自分が取り組んでいるタスクの共有

4.5 メモを取りアクションをアサインするには

  • ミーティングに先立ってメモを用意する(メモを作るタスクを入れておく)
  • アクションは太字にする
  • 自分のアクションはToDoへ追加する

1on1で取り上げたことを実際に行動に移してくれるマネージャに勝るものはありません。マネージャは行動しないと感じている人は、驚くほど多いのです。

4.6 セラピストではないことに留意する

  • 専門家ではないので限界がある
  • 会社のHR部門のサポートや外部機関でのサポートを薦める
  • 診断はしない

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