コーチングバイブル 第4版 直感
直感
- 直感は強力で、さらなる情報のチャンネルとしてとても大きな価値を持っている
- これが利用できると、驚くような形でプロセスを加速させたり、会話を深めたりできる可能性がある
ただし、直感には根拠が乏しく、人は検証可能なデータを好む傾向がある。
個人的な感想
職業や立場によって違うかもしれないが、自分の経験上、プログラマは直感を大事にするのではないか、と思う。
直感的にコードを書いてみて、そこから、テストやリファクタリングで洗練していく、というような。
また、本文には書かれていないが、専門的な知識、経験、判断の積み重ねによって直感が形成される部分がある。
と思ったら、それは直感ではなく直観らしい。
ここでいう直感は、どちらのことなのだろう。というか、これを分けて考えることが重要なのか?
これを斜め読みした範囲では、あまり区別に意味はなさそうに感じられたけれど。
直感を言い換えると…
コーチング的な会話の場合、コーチやリーダーにとって絶対必要なことは、意識を「この状況についての私の勘」から「私たちの会話でこの瞬間に起きていること」へシフトさせること。直感がコーアクティブの資質の1つであるのは、クライアントをサポートするためであり、アドバイスを与えるためではない。
自分の注意が解決を導き出すことに向いていると気が付いたら、意識を目の前にいる人とその会話にシフトさせる。
- 直観的に、解がわかったとしても、ふわっとした雰囲気でそれを伝える
- 「何かを見落としている気がする」
- 「感覚的にツールが間違っている気がする」
- 直観を必ず使う必要はない
- 分析、仮説、行動ステップの提案などの論理的な行動が主
- 「八方塞がり」の状態では、直感を使っても失うものがない(大胆に直観を使う)
知の次元を広げる
肝心なのは、人が何かを知るには様々な方法があるということ。直感はそのうちの1つ。様々な方法を許容することでテーマが深みと奥行きを持つようになる。
直感は正しいか
- コーチングにおいて、直感が正しいかどうかは全く関係がない
- 直感で浮かんだことを、フラットな言葉で確認する
- 直感が役に立ったかどうかは、そらがクライアントの行動を進め、学習を深めるのにつながったかどうか
つまり、直感的に浮かんだことを質問して、直感が外れていたとしてもちょっと時間を余分に使った程度のこと。直感が当たっていれば、そこから深掘りしていく、ということで、試してみることにほとんどリスクはない、ということ(質問の仕方は考える必要が出てくるが)。
直感という知性
- 直感は磨くことができる
- 困難な問題に直面している時こそ、枠の外に出て考える
- 困難に取り組むのに、それをもともと創り出した思考や問題解決プロセスのままで対応するのは十分ではない
- 直感を働かそうとすればするほど直感は働かない
- 問いやクライアントに集中し、心を開いた状態にしておく
直感と意見の違い
- 直感は具体的に何を察知したかはわからないが、何かを察知し、感じること
- 直感に意味付けをするのは自然なことだが、その意味付けが間違うことがある
- 直感を効果的に使うためには、自分の解釈にこだわってはいけない
- 直感が正しいかどうかにこだわるのは、自分のためであり、コーチングはクライアントのために行うもの
直感をどこで感じる取るか
- 直感の感じ方は、人それぞれ
- 直感が働いたときに、その直感がどこから来ているのかを確認するとよい
- 直感は言葉に置き換えられて初めて意味を持つ
- コーチの責任は、直感が教えてくれたことを口にすること
- その直感の何が使えるのかを選ぶのはクライアント
- 直感は常にあるものなので、何かを生み出す必要はない。スイッチを入れる方法を思い出せばよい
感じたままを口にする
- 直感を言うか言わないかとか、どう解釈するかとかを考えていると会話が進んで使えなくなってしまう
- コーチングは基本的に、問いと答えをきれにつなぎ合わせること
- これは確かに有効な方法である
- ただし、唯一の方法というわけではない
- 何の脈絡もないコーチの直感が、考えもしなかった方向にコーチングを導くこともある
- うまくいくかどうかは、口に出してみないとわからない
- 失敗を厭わず、前に進み続けること
ひらめきを感じる
- 直感を感じるきっかけは様々
- 周囲の環境から直感を得ることもある
- 直感のきっかけは重要ではなく、クライアントに何が起きるのかが重要
コーチング・スキル
比喩のスキルも直感から出てくることが多い。
中断のスキル
- クライアントが長々と直接主題と関係のない話をしているしている時には、それを遮り、問題の核心へと話を戻す
- いつ遮るかは、傾聴レベル3を使う
- 一般的に導入セッションで中断について話しておくべき(マネージャ・リーダーはどうするのだろう)
- 知っておくべきことは、遮るのは、クライアントそのものではなく、クライアントを主題から遠ざけ、大切なことをぼやかしている「物語」だということ
- コーチは、自分の話したいことやエゴを脇においてクライアントが用意した主題に沿って話を進めていく
- クライアントにとって役に立たない状況は変えていく必要がある
- 遠慮したり、お人よしになることは決してクライアントのためにならない
- 周りくどいクライアントに話の核心を求める
- 煮え切らないクライアントに要望や挑戦を投げかける
- 自分から逃げているクライアントに耳の痛い事実を伝える
感じたままを口にする
- 状況を整理したり分析したりしていると割り込むタイミングを逸してしまう時がある
- うまくいかなくてもよいから、兎に角クライアントの前に身を投げ出してみることが、結果としてクライアントのためになることが往々にしてある
皮肉なことに、少しくらい「抜けている」ほうが、かえっていつも冷静でしっかりしているコーチよりもクライアントの信頼を勝ち得たりするものなのです。
個人的な感想
経験的に人と仲良くなるためには、相手に心理的安全性を与えるためにも、適度に人間らしさを出していく必要があると感じる。人間である以上人間らしさはだれでも持っているので、変にとりつくろったり、カッコつけたりしないことが近道だと思う。
クライアントの直感
- クライアントがコーチングのスキルを習得することで役立つことが沢山ある
- クライアントが直感を活用できるように支援するには、まず自分の直感に気づき、それをいろいろな場面で試してみるように勧めること
- そうすることで「正しく」直感を使おうという気負いがなくなる
- クライアント自身の中で懐疑心が湧いてくることもあるので、あらかじめ伝えておく
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