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【第1回】いまさら聞けないメカ設計 イントロダクション

2023/05/19に公開

はじめに(Why)

IoT開発やロボット開発といったハードウェアを個人開発するようになったものの、メカ設計はなんとなくで満足度60点の設計ができてしまうのでそのまま60点でいってしまう。本当は80点の設計がしたいという話がありました。
知ってるようで細かくは知らない、いまさら聞けないメカ設計の基本についてシリーズものとしてシェアできたらと思います。

まずはじめに、60点の設計と80点の設計の違いとは何でしょうか?
マイコンケースを例として比較してみます。

機能を満たすのが60点だとすると、品質や性能がある程度良好なものが80点といったところでしょうか。
ちょっとしたコツを知っているだけで80点は達成できます。その結果、設計としての無駄が減り、最終的にはお金や時間といったコストの削減に繋がります。

妻の作ったクッキー型

先日、新しい3Dプリンタが届きました。妻は事前に3Dプリンタの使い方を習得し、自作キャラクターのクッキー型を意気揚々と出力しました。
しかし、出来上がった型は干渉してうまく動かせませんでした。追加工で削ってなんとかクッキーを焼くという目的は達成できているので及第点ですが、思ってたよりも手間がかかったようです。
メカ設計の知識があれば一発で満足いくレベルのものができたかもしれません。

実際のクッキー型 かわいい

外枠と押し子に分かれている

シリーズ対象読者(Who)

・60点設計を80点設計にしたい人
・これからメカ設計をはじめて80点設計を目指したい人
・メカ設計の初心者以上プロ未満を目指したい人

シリーズ非対象読者

・80点以上の設計を目指したい人
・60点設計でOKな人

メカ設計の領域(What)

ここではメカ設計(機械設計)は力学で解釈できる部分の設計すべてを範囲とします。
とくに、実態のある形を作る部分を対象とします。

※本来、4大力学(熱力学、機械力学、材料力学、流体力学)はすべてメカ設計の領域ですが、個人開発にフォーカスするのでこれらには必要以上に深く触れる予定はありません。

クッキー型を成功させる知識(予告)

まずは第2回以降、クッキー型の改善から深掘りできたらと思います。
クッキー型の場合、下記4要素を押さえることでうまくいきそうです。

・公差 ー 設計基本概念
・バリ ー 設計基本概念
・スライドガイド ー 個別技
・せん断 ー 個別技

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