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SierからWeb系自社開発企業に転職した者の活動記録(傾向と対策)

2021/07/13に公開

記事の内容

こちらの記事では以下の内容を記述します。

  • 自己紹介
  • 転職活動の結果
  • 選考の傾向と対策
  • 転職活動媒体について

0. はじめに

対象読者

Web系企業にエンジニアとして転職を検討している方向けの記事となります。中でも、Web系ではないものの、SierなどのITエンジニアとしての業務経験がある方には特に参考になると思います。

記事の目的

大前提として、この記事を読んで対策をすれば必ず選考に通過できる、ということはありません。
どれだけ技術的に優れた人でも、本人の適性が企業の文化と合っていない場合は選考落ちするかもしれませんし、どれだけポテンシャルが高い人でも、十分な実務経験のある人を募集している企業の場合は落ちると思います。
ではどのような目的でこの記事を書いたのかと言いますと、本来なら受かる実力のある人が落ちてしまう不運をできる限り避けたい、という意図となります。
私は選考にはかなりの運要素があると思っています。ですが、これまでの自身の経験を適切かつ論理的に説明できるよう、準備しておくことで、ある程度運の要素を減らすことができます。私のようなキャリアチェンジを検討している人は、輝かしい実務経験で他の応募者を圧倒することは難しいため、事前準備が何よりも重要です。

1. 自己紹介

ももんがザムライ(@momonga11_d)と申します。
文系学部で大学卒業後、中小規模のSierに就職し、7年間勤めました。
主にクライアント・サーバーアプリの設計、開発、パッケージソフトの顧客への導入に従事。使用言語はVB.NETでした。
よりモダンな環境で手を動かすエンジニアとしての技術を身につけたい思いで、Web系エンジニアへのキャリアチェンジを決意し、転職活動を行いました。結果、Web系企業から内定をいただくことができました。

2. 転職活動の結果

転職活動期間

1ヶ月半(2021年5月上旬〜同年6月下旬)
※前職を退職済の状態から活動開始

応募結果

応募企業数:47社
書類選考通過:19社
一次選考通過:8社
二次選考通過:7社(うち4社辞退) ※1
最終選考通過(内定):2社

※1:辞退理由は志望度が高い企業より内定をいただいたため

補足

企業に応募を開始したタイミングを転職活動開始と定義しています。
別途、転職のためにポートフォリオを作っていた期間が8ヶ月ほどあります。

3. 選考の傾向と対策

ここが一番重要な項目となります。
主に面接で聞かれる内容やコーディングテストについて、説明します。
私が一次選考以降で体験した内容を基に記載するため、もしかしたら偏っている可能性もあります。ご了承ください。
また大手企業やメガベンチャーのような企業ではなく、スタートアップ、中小企業をメインに受けていたため、傾向としてはそういった規模の企業が対象となります。

面接

ポートフォリオについて

前提として転職用にポートフォリオを作成した場合に聞かれる質問となります。
私はここが一番聞かれると思っており、対策をしていましたが、実際そうでもありませんでした。
とはいえ、半分ほどの企業様で話題に上がったので対策をしておくことに越したことはないでしょう。
聞かれた内容としてはこんな感じでした。

  • ポートフォリオで使用した技術の選定理由
  • 選定した技術の特徴(他の言語やサービスと比較して)
  • 苦労したところ
  • どうやって勉強したか

あまり変化球のような質問はなく、一般的な内容ですね。
ただポートフォリオ作成開始から完成するまでは期間が空いていると思いますので、忘れてしまっていることもあるでしょう。テキトーに技術を選定したことはないと思いますので、あらためて振り返り、説明できるように準備しておいた方がいいと思います。
ちなみに、私の場合は以下の記事のように技術選定理由をまとめていました(作成したのは転職活動終了後でしたが笑)。
https://qiita.com/momonga11/items/a1ec7f1e876c7f448db7

業務で開発していたアプリケーションのアーキテクチャ

業務で開発経験がある場合、ポートフォリオの内容よりも前職での開発経験を問われることが多いです。ポートフォリオの質問対策ばかりしていると、不意を突かれます。

アーキテクチャの説明を求められることがいくつかありました。普段業務では当たり前のように使っていた技術だと思いますが、あらためて説明を求められた時、ちゃんと答えられるかどうかは考えておいた方がいいと思います。特に、自身が利用してきた技術がWeb系では一般的ではない場合、面接担当者も知らないことがあります。 例えば、ポートフォリオの技術(つまりWeb系エンジニアならわかる技術)を比較対象にするなどして、わかりやすく説明できるよう、準備しておきましょう。

業務での成功/失敗した設計や実装

あらためて質問されると、咄嗟にうまく答えられない質問の筆頭だと思います。これまでの業務経験の中で、大小問わず設計や実装で成功や失敗が必ずあると思います。面接に臨む前に思い出し、まとめておくといいですね。必ず理由も聞かれますので、併せて準備しておくことをおすすめします。

コーディングインタビュー

私が最も苦手としていた面接内容となります。面接中に、15分~20分の短い時間で、指定されたプログラムを作成することになります。オンライン面接では、エディタを面接担当者と画面共有しながら、コードを書くこともありました。多くはありませんでしたが、数社で実施されました。

対策としては、後述するコーディングテストとほぼ同じかと思います。異なる点は、書いたコード(あるいは書こうとしていたコード)を面接担当者に説明できるという点です。その場でプログラムを書き切れなくても、書こうとしていたアルゴリズムが問題なければ選考に通ることもあります。諦めず、自身の思考を論理的に伝えるようにしてください。こうしようと考えた、こういう工夫をした、ここをもっと改善したかった、などなど。

設計の実践

上記のコーディングインタビューの設計版ですね。こういった場合にどのようなAPI設計、DB設計をしますか? という内容です。これも多くはありませんが、たまにありました。
これも上記同様、自身の思考を論理的に説明できることが重要です。前職ではこうしていたので同じようにしました、ではおそらく面接は通らないと思います。
ポートフォリオや前職での業務内容を思い返し、設計の根拠を説明できるようになっておくことが、最低限できる対策でしょうか。ぶっちゃけ自分が全く経験したことのない質問だと厳しいと思います。そのような場合はその企業が求める能力が不足しているので、切り替えましょう。

技術質問(クイズみたいな)

Webの基本的な内容の質問とか、DBやセキュリティの一問一答形式の質問とか、クイズみたいなものです。
正直、知っているか知らないかの二択だと思います。ほとんど知らない場合は運がなかったと思って諦めましょう。
ただ内容は基本的なところが多かったので、Web系の技術が未経験の方は基礎を復習しておくといいと思います。
また私が受けた企業の中だと、あまりこういった技術質問はありませんでした。

よくある面接の質問

最後にざっくりとまとめてしまいましたが、よくある面接の質問とは、エンジニア限定ではなく、一般的な面接の想定質問のことです。転職の理由、自身の長所短所、これまで苦労したこととか。
ほとんどの企業で聞かれますので、必ず回答を考えておきましょう。想定質問は、調べれば色々な転職サイトに載っていますので、ググって自己分析しておきましょう。

コーディングテスト

選考の一つとして、コーディングテストを設けている企業は多かったです。
面接中ではなく、一定の期間内にWeb上で実施するテストです。
普段業務でコーディングしている方でも、コーディングテストの形式に慣れていないと失敗する可能性があると思いますので、練習しておくことをおすすめします。
私はcodilityというコーディングテストで練習していました。練習前に受けた企業のテストは惨敗でしたが、コツコツ練習し、後半に受けた企業のテストは通過できました。

4. 転職活動媒体について

ここからは私がおすすめする転職活動の媒体について紹介します。
おすすめ度の高いものから順に紹介します。

Wantedly

エンジニア転職で有名なサービスWantedlyです。
私が内定をいただいたのは、こちらの媒体で活動していた企業となります。
Web系企業の求人が多々あります。大企業やメガベンチャーはあまり載っていませんが、スタートアップ、中小規模の企業を志望している場合は最もおすすめできます。

転職者からのアプローチはもちろん、プロフィールを充実させればスカウトをいただくこともできます。特に、自己紹介文の最初の三行は重要です。採用側だとどうやらこの三行が一覧で見えるらしく、最初に興味を持ってもらえるかどうかは、この三行が非常に重要になってきます。
ただしスカウトを受ければ高確率で内定まで行けるといったことはなく、余裕で落ちます。 スカウト後に書類選考で落ちることもあります。スカウトされたからといって油断せず、対策をしていきましょう。

選考に進むにあたり、カジュアル面談が最初に実施されるのがよかったです。そもそもどういう企業なのか、という点を理解した上で選考に進む方が転職者と企業双方にメリットがあると思います。
なおカジュアル面談も選考の一つに考えている企業は多いと思いますので、油断しすぎないようにしましょう。

転職エージェント

Wantedlyやその他の転職サイトなど、個人で実施する場合のデメリットとして、自身の志望する条件と合っている企業なのかどうか、自分で判断しなければならないという点が挙げられます。
転職エージェントを利用すれば、専門家のエージェントが転職者が希望する条件や業務内容を聞いてくれて、それに合う企業を紹介してくれます
また企業との面接日の日程調整やアピールし足りなかったところの補足などもエージェントが実施してくれます。
転職者にとってはメリットが多いですが、私は転職エージェントだけに頼らず、Wantedlyのような個人での活動も実施した方がいいと思っています。
例えば、転職エージェントを利用する場合、以下のような問題点もあると思いました。

  • エージェントの方はエンジニアではないことがほとんどなので、技術的なところでの条件は自身で判断する必要がある
  • 担当のエージェントの方との相性次第で、あまり良い求人を紹介してくれないこともある
  • 自分が希望していない条件の企業も候補として挙がってくる(もちろん断ることはできます)

エージェントの方もボランティアでやっているわけではなく、商売でやってますので、転職者の希望する企業の方向性とは異なる求人も紹介してきます。結局、そういった求人を自分で判断する必要があるため、全てをエージェント任せにしていると危険だと思います。

ちなみに私はワークポートを利用していました。中小規模の企業のみならず、大手企業もいくつかご紹介いただけました。担当のエージェントの方がよかったのか、私が希望する条件の求人をいくつもご紹介していただき、選考のご支援をしていただきました。

一方、エージェントさんとの相性が悪かったのか、レバテックキャリアでは、Web系の希望する条件に合う求人をほとんど紹介していただけませんでした。別媒体でいくつも選考を受けている、と伝えてしまったのが良くなかったかもしれません。採用見込みのある方でないと利益出ませんからね。
ただあくまで私とエージェントさんとの相性が悪かっただけかもしれませんので、一意見として参考にしていただけたらと思います。

企業への直接応募

求人サイトに載っていなくても、企業のHPで募集している場合もあります。その場合は直接応募するのも大いにありです。
ただ自分で企業を調査し、一つ一つHPを確認するのはなかなか時間がかかるので、数を絞って受けるのをおすすめします。自分が行きたい分野で有名な企業さんだったり、大手の企業さんだったり。

逆におすすめできない媒体は?

私のような、キャリアチェンジを検討している方の場合、ミイダスという転職サービスはあまりおすすめできないかな、と感じました。
最初に自身のこれまでの経歴やスキル、希望する条件を入力し、システムが判断して面接確定の求人を紹介してくれるのが特徴的なサービスです。
キャリアチェンジではなく、スキルアップを希望して転職をされる場合はおすすめできますが、自分の場合、Web系企業の求人はほとんど出てこず、前職同様のSierやSESの求人がピックアップされてきました。
私が入力した個人情報が良くなかった可能性はありますが、残念ながらキャリアチェンジとしての自分の転職活動には活かせませんでした。

5. おわりに

長文となってしまいましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
私は転職マスターというわけではなく、初めての転職活動でしたので、母数としては少ない中での傾向を紹介させていただきました。そのため全然当てはまらないこともありうるとは思います。その場合は申し訳ないです。
ただ参考の一つにはなると思っています。同じような悩みを抱いている方が、選考で実力を発揮し、希望する企業へ転職できたらいいな、と思います。

ちなみにtwitterもやっております。どうぞお気軽にフォローください。
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