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【本の紹介】『第三の波』

2024/05/31に公開

要約

  • アルビン・トフラーが1980年に発表した本
    • トフラーはアメリカの学者
  • 歴史的、社会的な構造変化(農業革命・産業革命・情報革命)を3つの波として捉えた
    • 私たちは今、情報革命に晒されている

概要

3つの波で歴史を分割して捉えているので、4つの領域がある。

  • 放浪生活:狩猟・漁・牧畜
    • 第一の波(農業革命)が起こる
  • 農業文明:耕作地を作り、村・集落に定住
    • 第二の波(産業革命)が起こる
  • 産業文明:企業・工場ができ、都市化して労働分業。生産と消費が分離
    • 第三の波(情報革命)が起こる←イマココ
  • 現代文明:知的情報が経済の中心になる

波の高さは次第に大きくなっている。
社会に与える影響度がより大きく、社会に波及するスピードもより急速になっている。
各波は重なり合うことがあるので、社会が複数の波から影響を受けることもある。

第一の波(農業革命)

  • おおざっぱに約1万年前に始まったとされる
  • 狩猟採集社会から農耕定住社会への移行を指す
  • 原則として、自分たちの村と近隣にのみ興味関心のある世界

第二の波(産業革命)

  • 18世紀後半から19世紀にかけて進行
  • 機械化と工業化が進み、都市化が進展
  • 労働分業や大量生産、国民国家の台頭など、現代社会の基盤となる変化が起きた

第三の波(情報革命)

  • 20世紀後半から21世紀初頭にかけて進行
  • 情報技術の発展により、知識と情報が経済の中心となる
  • テクノロジーの進化に伴う仕事の自動化、グローバル化、そしてネットワーク社会の形成
    • 家庭や個人の役割の変化、非中央集権的な組織形態の登場など

感想

  • 1980年の時点で書籍にして発表し、現代社会を予想しているのがすごい
    • 抽象的な社会構造変化だけではなく、シェアハウスやルームシェア、配信に投げ銭、推し活といった新しい生活様式まで見通してる感じがすごい
    • もちろん、これは当てはまらないなぁ、という部分はある
    • Wikipediaや過去のニュースを調べると分かるが、Alvin Toffler(1928-2016)なので、トフラーの新しい予想をもう聞けないのが惜しまれる
  • 産業化・都市化が進むと、完全に生産・消費が分離される
    • 分業による相互依存で、都市の企業に勤めて生産に関わるだけで、消費活動ができる
    • 直接、田んぼでお米を作らなくても、サラリーマンはご飯を食べられる
  • 現代の余暇活動を「自分の消費のための生産」として捉えているのが興味深い
    • たとえば、昔の音楽家はパトロン(少数の後援者)からしか収入を得られなかった
    • 今だと、商業的に企業活動で音楽を売るか、個人(同人)で売ることもできる
    • 商業的な狙いはそこそこに、自分の趣味に取り組んで、ファンにおすそ分けして収益にもなるのが素敵だ
  • 自給自足(自家生産・自家消費)が産業革命によってほぼ消滅し、情報革命によって部分的に再登場したのがおもしろい
    • 酒造がそうだと思うけど、本来は自分たちが飲むために作って、余った分を近隣に分けていたのが自然な気がする
  • 現代は個人の活躍する時代
    • 会社に所属しないでも、自分のための生産活動を発信できる
    • YouTuberやVTuber、イラストレーターやゲーマー、プログラマーなど
    • 童話の「アリとキリギリス」でいうと、産業化社会ではアリが是で、情報化社会ではキリギリスが是ということみたい
    • 組織と個人、どっちが偉いとかではなく、個人的な生産活動もできるような社会になったという点で良き

出典・参考

『第三の波』(アルビン・トフラー、日本放送出版社、1980年)
ISBN=978-4880635590
https://www.amazon.co.jp/第三の波-1980年-アルビン・トフラー/dp/B000J84WBQ

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