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老後の家族を思い建てた家

茂木貴継茂木貴継

はじめまして。
鹿児島市を拠点に活動している、一級建築士の茂木貴継です。

今回ご紹介するのは、とあるご夫婦のために設計した「老後の家族を思い建てた家」です。

打ち合わせのはじまり

最初の打ち合わせのとき、ご夫婦は笑顔でこうおっしゃいました。
「この先は自分たちがゆったり過ごせる家を。でも、子どもたちや孫が帰ってきたときには、みんなが集まれる場所にしたいんです。」

その言葉を聞いて、私はすぐにノートに大きく「安心」「団らん」と書き込みました。設計の軸は、この二つだと確信したからです。

細やかな要望と小さな工夫

打ち合わせを重ねる中で、ご夫婦は生活の一コマ一コマを丁寧に語ってくださいました。
「朝は一緒に新聞を読める小さなカウンターがほしい」
「孫が走り回っても危なくないように段差はなくしてほしい」
「歳をとっても庭の花を眺められるように、大きな窓がいい」

こうした要望はどれも“暮らしの実感”から出てくる言葉でした。私はその一つひとつを図面に落とし込み、小さな願いが重なって大きな安心になる家を形にしていきました。

完成した家とその後

完成した家を前に、ご夫婦は
「これからの暮らしが楽しみです。孫たちが遊びに来るのを想像するとワクワクしますね」
とおっしゃいました。

竣工から数か月後、「庭で孫が遊び、縁側でみんなが団らんしている」という写真を送っていただいたとき、私は心からこの仕事をしていてよかったと感じました。

住まいは、家族の未来を支える大切な器です。
これからも私は、ご家族の声に耳を傾け、安心と団らんを育む住まいづくりに取り組んでまいります。