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【mNi Cloud】国産クラウドの開発、始めました

2024/08/02に公開

はじめに

初めまして!mNi Cloud開発チームです。

この度、株式会社フォーセシステムの新規事業として国産クラウドの開発に参戦することとなりました。

本記事では数多くあるIaaS事業の中でなぜ今更国産クラウドの開発を始めたのか。そもそもどのようなクラウドなのか。そういった内容をご紹介いたします。

mNi Cloudとは

名前の由来

mNi Cloudと書いて「エムニ クラウド」と呼びます。
mNiとは「Migrate Next Integration」の略で、直訳すると「次の統合へ移行する」となります。
これは最新の技術やプラットフォームを導入し、移行する。現行の技術的な制約から解放され、より先進的な機能やサービスを提供する。といった意味を込めて命名いたしました。

目指す姿

mNi Cloudは多機能かつ高スケーラビリティを担保した国産クラウドの開発を目標としています。

現状、皆さんがクラウドを利用する場合の選択肢として真っ先に挙げられるのはAWS, Azure, GCP, OCIといったメガクラウドだと思います。
これらを選定する理由は様々だと思いますが主に以下の点があげられるのではないかと思います。

  • スケーラビリティ
    • 必要に応じてリソースをスケールアップまたはスケールダウンすることができます。これにより、急激な需要の変動にも柔軟に対応できる。
  • 可用性と信頼性
    • 高い可用性と冗長性を提供し、災害復旧やデータバックアップの仕組みが整っている。
  • セキュリティ
    • 高度なセキュリティ対策が施されており、最新のセキュリティプロトコルとツールが利用可能です。また、コンプライアンスに関するサポートも充実しています。
  • 柔軟性と技術革新
    • 幅広いサービスとツールが提供されており、最新の技術やソリューションを導入することが可能。AI、機械学習、ビッグデータ解析などの先進技術も容易に利用できる。

mNi Cloudではメガクラウドの打倒を目標とはしていません。
しかし、メガクラウドの利点である「スケーラビリティ」と「柔軟性と技術革新」を取り入れ、メガクラウドよりも低コストに運用できる国産クラウドの開発を目指します。

開発の背景

mNi Cloudの開発の背景についてお話します。

VMwareの値上げ

2024年、VMware社はBroadCom社に買収され、様々な点が変更されました。
VMware社は従来の永続ライセンスからサブスクリプションベースのモデルに完全移行を決定しました。新しいサブスクリプションモデルでは、特定の顧客にとっては最大で10倍の価格上昇が報告されています。この変更は特に中小企業にとって負担が大きく、新しい価格設定に対応できない企業は他の仮想化ソリューションを検討する必要があります。

そこで株式会社フォーセシステムでは顧客に対し、移行先の第三の選択肢としてmNi Cloudを提示できるようにしたいと考案しました。

円安の影響

先のVMware社のライセンス値上げの件で、移行先を選択する場合、真っ先に思い浮かぶのはAWS, Azure, GCPといったメガクラウドとなるでしょう。しかし、これらはすべて外資企業であり、ドルの影響を大きく受けます。
そこで国産クラウドを視野に入れるも機能や信頼性の面でメガクラウドに劣ってしまう現状があると認識しております。

そこでmNi Cloudではメガクラウドの機能性、信頼性を担保しつつ、ドルの影響を受けない国産クラウドの開発に踏み切りました。

mNi Cloudの技術

mNi Cloudで使用される技術についてお話いたします。
また、今後は使用される技術やノウハウ等を記事として共有していく予定ですので、そちらの方もぜひご覧ください!

Kubernetesの採用

現状、国産クラウドではVMwareを基盤としている会社が多くあるとお聞きしております。
しかし、先の値上げの影響に左右されクラウド料金自体を値上げせざる負えない状況になっている認識です。

そこで有償の仮想化基盤を採用しないベストな方法としては、メガクラウドのように独自でハードウェアを開発し、それと密接に統合したハイパーバイザ(ソフトウェア)を開発することでしょう。しかし、スタートアップ企業ではそこまでの資金は用意できません。

そこで、目を付けたのがKubernetesです。

Kubernetes(K8s)は、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイメント、スケーリング、および運用を自動化するためのオープンソースのコンテナオーケストレーションプラットフォームです。もともとはGoogleによって開発され、現在はCloud Native Computing Foundation(CNCF)によって維持管理されています。

Kubernetesはコンテナの運用を主としていますが、コミュニティの発達により仮想マシンをKubernetesのエコシステムに統合するOSSなども登場してきています。

mNi CloudではこれらのエコシステムやOSSを利用させていただこうと考えております。

mNi Cloudの提供形態

mNi Cloudの提供形態についてお話しさせていただきます。
ただし、検討中のものであるため今後変更となる可能性がございます。ご了承ください。

mNi Cloudでは以下の3形態での提供を考えております。

  • パブリッククラウド型

    • 従来のメガクラウドのようにWebブラウザまたはCLIを通してクラウドにアクセスできる形態です。
    • 従量課金制、定額制を検討しています。
  • プライベートクラウド型

    • お客様のネットワーク内にクラウドをデプロイします。
    • お客様のご要望のハードウェアにmNi Cloudを構築し、提供いたします。
    • 本業はSIerなのでスムーズな提供が可能です。
  • オープンソース型

    • OSSとしてどなたでも導入を行える形態です。
    • mNi Cloudの機能を制限、または新規機能のベータ版を組み込み提供予定です。

おわりに

mNi Cloudは7月より開発を開始し、VPC機能やVM機能といったクラウドの基本システムを既に構築しております。
今後もクラウドとして必要な機能を開発し、記事でご報告していきますのでどうかよろしくお願いいたします。

株式会社フォーセシステムでは土日祝日にConnpassにて勉強会を実施しております。
IT初学者や営業の方でも実際に実機に触れて勉強ができるハンズオン学習を提供しております。
mNi Cloudの先行体験やクローズドベータテストは本勉強会のご参加の方々からお声がけさせていただいております。
興味がありましたらぜひ勉強会にご参加お願いいたします!

また、mNi Cloud開発は本業がSIerである株式会社フォーセシステムにとって初の試みとなります。
多数の企業様にアドバイスやご協力を頂きながら精一杯頑張る所存です。
こちらの事業に興味、ご協力いただける企業様がいらっしゃいましたら是非ご連絡をお願いいたします。

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